藪をつついて

 ヘビを出し、墓穴を掘って、自らの首を絞めている。

純の行動、思考を「支配欲」「執着」「性欲」とどんどんラベルをつけて分類していき、「慈愛なんておきれいなもので包んでないで汚い欲望を直視しろ」的に純に突き出して、その結果がどうなるのかは、うつ思考ゆえの被害妄想と視野狭窄によって考え及ばなかったんだろうなあと思うけど。

その後の純の反応は、矢晴にとって想定外だったと思うけど、そもそも何を想定してたのかもわかんない。

暴き立てて汚い欲望直視させたら、純が自分を恥じて矢晴を解放するとか思った……?

本性あらわにして、隠しもせずに支配・監禁に発展するとか思わなかった……? でも、そうなったら、矢晴は完全な被害者になれるから、そっちのがよかったのかな。


純にとっては、矢晴を住まわせて甘やかして矢晴の世話をするのは、大好きな古印葵である矢晴を死なせたくない、矢晴に元気になってほしい、あわよくば漫画家として復帰して欲しい、っていうエゴでしかないと思うのだけども。

そしてまた、「死ぬまで孤独じゃなくなる約束ができる相手」に矢晴を選んだのは、利己でしかないけど。これ突き詰めると、その約束ができるなら誰でもいい、みたいにはなりかねんけど、純は古印葵がよかっただろうな、と思う。


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