約束

 約束自体は、ふたり以上いなければ成立しないものになるけれど。

純が『死ぬまで孤独じゃなくなる約束』に固執するのは、純の父とその友人の関係を「善きもの」として扱いたいという気持ちがあるような。その関係を表す言葉が見つからないから“慈愛”と言っているだけにも思うから、純の言う“慈愛”は矢晴の思う慈愛じゃないと思う。

【第4話】の『古印葵が死んだとしてもこうして話せるなら』〜『死ぬまで孤独じゃなくなる約束しませんか?』までの純が、【第6話】の『これは慈愛』〜『死ぬまで孤独じゃなくなる約束しませんか?』にあたるかな。

これが、純からの「私が死ぬまであなたを孤独にさせない」という誓いだったら、矢晴は受け入れるのかどうか……? 受け入れた時点で約束になるんだよなあ、とは思うけど。

純が自身と古印葵である福田矢晴とで、父とその友人のような関係(仲の良い友人、気の置けない親友)になりたいと願っているとして、出会ったばかりのお互いに何も知らない(純は古印葵の漫画にはどっぷりだからその部分は一方的に知っている。矢晴は純のことを名前くらいしか知らない)状態のふたりに対して、おそらく30年〜の長い時間で培われた友情による声掛けを模したところで、うまくいくはずがないじゃない……って思う。距離感バグり過ぎだよ、純。

同居にはこぎつけてるから、多少うまくいってはいるんだが。

それにしても、『死ぬまで孤独じゃなくなる約束しませんか?』って言って矢晴を死ぬほど怯えさせたから、同居の説得や同居にかかわる約束に『死ぬまで孤独じゃなくなる約束』まで含まれているとは思ってなかったな。


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