証明

 「約束」を信じてない矢晴は、毎度無理難題をふっかけよるなあ、と思いつつ。

【第7話】で『一時のノリや金持ちの遊びや私を陥れる嘘じゃないってどうやって証明してくれますか?』と、証明のしようのないことを証明してもらいたがって。

証明しようがないから、純は矢晴を引き取る時の約束を弁護士通した契約書にしたんだろうなあ、と思うんだけど。

ただ、弁護士通した契約書であっても、契約不履行、ということが起こるわけだから、口約束と同様に、やっぱり矢晴は信用しきれないと思う。

違約金の発生する契約であれば、純がもし約束を違えても、矢晴に不利益がないように、というのが、その時点で最大限の純の証明だったんじゃないかなー、とは思う。

そして、【第17話】の『証明しろ』というのも、証明しようのない事柄ではあるので、どう証明できるのか……と思えるんだけど。ここはなんだか、純の行動によって、「証明された」と受け取ってくれそうな雰囲気はある。

約束も証明も不確かだから、お互いを信用する以外にないんだけど。

で、矢晴は純が「古印葵のファン」というのも、実はそんなに信じてなかっただろうなあ、とすごく思ってて。でも、あの朝、純から『古印葵宛の手紙だよ』『矢晴の漫画読んで感化されたやつだから』と言われたことで、数年前に描かれて纏められた「シヴァ・アンバー3巻」という動かぬ証拠があることで、純が本当に古印葵が、矢晴の漫画が好きなんだ、と信じることができた、証明された、と思えたんだろうなあ! と思う。


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