煙草

 【第17話】ラストシーン、矢晴の『タバコ吸ってなくて良かった』『タバコ吸ってなくて良かったぁ』というセリフが! 「死ななくて良かった、生きてて良かった、純と出会えて良かった」と矢晴の心情を余すところなく、という感じでとても好き。

私の好きなセリフランキングで【第9話】の『こういう幸せを私にくれたのはあなただけ』と【第10話】の『まだ古印葵は死んでない』と競り合うくらいに上位に食い込むセリフにはなる。

純の呪いのなんのと言いながら、自身の劣悪な環境から抜け出すのに純を利用したズルい矢晴が、触れ合ううちに純に惹かれて、それもただの純の好意につけ込んだ感じの依存ではあるまいかと浅ましさに葛藤したり、なんだりかんだり、かなりの割合、純の呪いに押し付けてきた矢晴が、「昨日の夜」のどんどこどんで、矢晴が自分でかけてた純の呪縛から解き放たれたらしい素直な心情として初めて純に差し出した好意、になるのかなーーー、と思って。

はーーーー! 良い。良いよぉ。

煙草はねえ、便利なんだ。煙を吐くことで溜息がごまかせたり、答えにくいことを煙に紛らせたり。あのシーンで矢晴の言う『タバコでも吸えてたら』『こういう時煙だけ吐けて便利なんだろうな』というのがとーてーもーわーかーるーーー! って気分になりつつ。純の『ゴミ屋敷時代に寝酒に寝タバコで』『君もろとも全焼してたろうよ』が、ホントにねーーーーーー!! と激しく同意する。

矢晴が酒だけ、ってのもちょいちょい不思議ではあったんだけど、あの部屋で煙草までいってたら、純と会う前に死んでるわ、とはずっと思ってて。純は恐ろしく健康に気を使ってる感じがするから煙草に手を出すなんてことはしなさそーではあるんだけど。

結局のところ、純の『ね 私達の関係ってなんだと思う?』という質問には答えてないけど、純に対しての矢晴の心情が、こういうセリフになるのは、とても素敵。

純に肩を抱かれて、でも、矢晴はそれを逃れて、そして、自分から純に手を伸ばし、純の肩を抱く。その一連に、あの繰り返す言葉が。あーーーー! たまらん!


そして、“私達の関係”に名前がつく日がくるのかどうか、それぞれなんだと思ってるのか、そのうち知りたい。


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