怪物
【第17話】の純の現実逃避先で、『怪物に触ったんだ』と手術している感じのシーンが割と好きで。普通にしてたら触れられない体内の奥深くに触れるイメージ。
『つついて起こしたのはお前だろうが』と、純が矢晴の深層に触れて、“怪物”を起こした、ということになるのかな、と思う。でも、その手に持ったバケツはなんなんだ? と気になる。
【第13話】では『彼の脳に触れるなら』『言葉を介さない「皮膚」からじゃないと届かないかもしれない』と考えていることと、今回の『怪物に触ったんだ』というのは繋がるのかどうか、とちょっと考えてしまうけど。
“怪物”というと「アンデッド」も想起する。『古印葵はまだ死んでない』。「新作が欲しくて引きずりだしたのか」と問うような純が“怪物”というなら古印葵を指しそうな気はする。
この現実逃避先で純の言っている“怪物”は矢晴自身のことを指すとは思うのだけども、矢晴の本質のことであるのか、矢晴の病のことであるのか、それとも他のなにかか、よくわからない。
ただ、純が作用して目覚めさせた、と純が認識しているもの、なのだろうなとは思う。
『そうなるように仕向けたのは私じゃないのか?』と言っている純の「そうなるように」が「矢晴が殺してくれと願うように」ということであれば、“怪物”は矢晴の死にたい心にはなるのかなあ? と考えてみるけども。
純が、劣悪な環境から矢晴の命を助けるために引きずりだしたけど、純が矢晴の希死念慮を刺激し続けてきたのが、今爆発してる、みたいな感じに純が考えている、という感じ?
パジャマの純は、矢晴(古印葵)が生きていること、命があること、が一番大事な感じで、矢晴が死にたいと願うのは病気の一端である希死念慮だから気にしない方向。だけど、今回は「死にたい」じゃなくて「殺してくれ」って言ってるから矢晴がおかしい、と判断してる。自分で「矢晴が望むならなんでもする」って言ったの忘れてるおばかちん。
ここの純は、自分で言ったことをことごとく忘れてる感じが、この野郎、って感じするけど、そんだけ余裕をなくしてる純は、それはそれでかわいい。古印葵の前でのポンコツ具合とはまた違うおばかちん。
純の思う“怪物”が蛸の足の姿で絡みついてくるイメージになっているのなら、“怪物”は純を好きになってる矢晴の気持ち、ということにもなるのかな?
結局、矢晴のどの部分を指して“怪物”なのかは、わからないけど。矢晴は純が思うよりもずっとずっと強い人だろうなあ、とは思う。
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