好きと嫌いと

 【第17話】の『お前が嫌いだからお前の手で私は楽になってやる』という矢晴の言い方が、いやはやもう、ずるくてずるくて。かわいいなあ、と思う。

純がこの矢晴の言葉を額面通りに受け取るのか、矢晴の裏腹具合を考えて受け取るのか、というと、たぶんちゃんと裏腹で受け取ってくれると思うんだけど。

と、見ていると、矢晴の言った「この世で一番の恥」が粗相のことでもあるし、純を好きになっている自分自身をさらけ出したことでもあるような気はする。

『同じくらいの恥をお前の両手で見せてくれ』『仲良くなろう』が純を誘惑する行為に伴う言葉なんだろうなあ、とは思うんだけども、「同じくらいの恥」ってなにさ、純の射精が見たいのか? みたいな気でいたけど、「純の手で自分に〈シテ〉くれ」って話よなーとは思う。

純が矢晴の誘惑に乗って、そのままシテしまったら、あの朝のふたりはなかっただろうなあ、と思うんだけども、矢晴は純が誘惑に乗ってしまったらどうするつもりだったんだろうか?

それはそれで、矢晴は満足してから、自己嫌悪と純への不信感で死にたい気持ちが倍増しそうな気がするんだけどもさ。超ヤバい賢者モード。


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