誘惑

 純が矢晴に誘惑されていると気づくのもそもそもすごいな、と思ったりもする。なにかしら情動が起きないと、なにやってんだこいつ、みたいな気分にしかならない気がするし。

見えてる状況では、矢晴は純の両手を首に当てさせ、頬に当てさせ、指に唇を寄せている程度までしかわからないのだけど。

純が『めちゃくちゃ触ってくるし』と言うけど、純ほどではないが……? という気にもなる。

実は見せてもらえてないところで、矢晴は純をめちゃくちゃ触っているんだろうか。ドキドキ。


そしてまた、その前段で、矢晴の気持ちを純が『醜い純に甘えたいけど甘える自分はあまりに無様で見るのも苦痛で』『醜い純を好きになるくらいなら死にたいのか!』『純に殺されたいって言ってるのも純に触ってほしくて甘えてるからだ!』にたどり着けた材料が知りたい。

この時点で、純は矢晴が純に対して恋心なり性欲なりをいだいている、とわかっていることになるけども。わかってる? どこでわかったの? 矢晴が言った? 矢晴が言えた?

って、ここを『現実逃避してる場合じゃない。』って否定される感じではあるけど。

矢晴が純を好きになってて甘えたいから殺せって言ってくる、と思い込みたい現実逃避、ということでいいのかどうか。

わかんないんだよなーーーー。


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