依存
同居してからまだ、たったの1ヶ月なんだよなあ! とは、私は思ってしまうのだけど。
もともと依存体質なのではないかと思う矢晴だけども、人に頼れないからアルコールや薬に依存してどうにかやり過ごしていたんじゃないかなー? と思う。
純の家に来てからは、断酒を決意してしまったばかりにアルコールに依存することも出来ず、薬の飲み方はどうなのかわからないけど、純の家に来てからは断酒がらみで財布を預けてしまっているからネットでも買えてないだろうし、きちんと病院に行って処方された分を処方されたとおりにしか飲んでいないのだとしたら、矢晴がこれまで逃避先として依存していたものはなくなっちゃってた状態。
それらの代わりに、純に依存しそうになっていた気持ちが、あったりするのかな? とは思う。
ただ、矢晴は自立したい気持ち(社会的に価値のある人間になりたい気持ち)のほうが強くて、現状の純に養われて甘やかされてる上に、純を恋愛的に好き、なんてのは、生活全般を純に依存して、なおかつ、性的な面でも純に依存しようとしている、みたいな矢晴的に許せんレベルだったんだろうかな、と思える。
甘やかされてるとか言ったって、矢晴自身の自己肯定感を高めるには、ポジティブ方向での全肯定が一番の薬では? と思えるし、純の家で暮らして純が生活費全てを負担することによって生活に対しての憂いをなくし、純が全てを受け入れて肯定してくれることで「社会に貢献して対価を得なければ生きている資格なし」みたいな矢晴のマイナス思考を払拭できるんじゃないの? と思える。
そこらへんを矢晴が素直に受け入れて療養に専念するのが一番な気はするんだけど、純に養われてる現状が一番劣等感を刺激する、という悪循環ではあるのかなーと思う。
とかく勝手に劣等感を強めていたと思うんだけど、同居1ヶ月目の夜の顛末で、純のことを受け入れたのか、開き直ったのか……あれ? 謎だな。
純のほうは、別段、「病んでいる矢晴の世話をすることに自身の生きる価値がある」みたいな方向には行っていないと思うから、“共依存”にはならない気がするんだけど、矢晴は純に支配されてるとかうんちゃらで“共依存”まっしぐら、とか思っていたりしたのかな……? でも、純に甘えて依存しちゃう自分はダメ人間、とかは思ってたんだろうな、矢晴。ついでに、純が甘やかすから自分は自立できないんだとか思ってたりしたのかしら……? 【第14話】の『いずれ思考も放棄するだろう』ってあたりはそう思ってた感じがするなあ。
と、改めて該当ページを見てると、蟲は矢晴の純への依存心でもあるのかなーみたいにも思える。ただ別に、やっぱり、『愚鈍と不出来を肯定され』『なにもできない身体を肯定され』って考えてるけど、それは純が肯定してるわけじゃなく、現状を受け入れてるだけだよな……? と思う。
四階の話で、『不出来を他人に助けてもらえず壊れていったからだ』と言ってるのは、「自分(矢晴)の不出来を指摘しろ、肯定するな」って話にもなりそうな気がしてるんだけど、いやまあ回りくどくて純には通じん……と改めて思ったりもして。だって、純は矢晴のことを不出来だと思ってないんだもん。
結局のところ、矢晴は純に依存することにしたのか、支配することにしたのか、対等でいられる心持ちになったのか。見捨てないという言質をとったから開き直ったのか……。なにかしらの心境の変化で純に対して素直になれたんだろうとは思うんだけど。
矢晴が純への依存心も含めて、全部を受け入れれたから、とかかなあ?
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