お互い
【第17話】の矢晴の『……私達は』『お互い嘘をつきあったままだった』『嘘をつきあって勘違いしあって支配し合って』『そう遠くないうちに』『お互い崩壊してたと思う』という部分の、矢晴が純の何を知っていて、どう思っていたのかが、実はよくわからんのだが……と思ってしまう。
と、矢晴の言葉を確認しに行く道中で、「相互理解」のシーンの矢晴が見上げる角度で美人さーんと見惚れつつ、【第13話】の該当シーンを見に行って、矢晴の向こうに見える木の様子が違うことに気づき。純の回想では葉が茂ってるけど、当時のシーンでは木に葉っぱはついてないんだよ。これもまた、純の記憶の美化の影響だったりするんだろうか? という余談。
で、まあ、矢晴は『壊れる前にお互いにぶちまけて』『殴り合わなきゃいけないって思ったんだ』と、ふたりの問題にしたいから、『お互い嘘をつきあったままだった』という語り出しになるのかなあ? とも思うんだけども。
「支配されてる」と頑なに言い続けてきた矢晴が「支配し合って」に辿り着いてる辺りは、自分のことも純のこともちゃんとまっすぐ見ようとしてる感じはある。
「嘘をつきあって」というのが、よくよく振り返って、確かに純は嘘まるけだったり誤魔化し上手だったりしたなあ、と思うのだけど、それを矢晴が把握できたか……? というと疑問はあるし、嘘の気配を感じていたから明らかにしてお互いに嘘のない関係にしたい、ということかもな、という感じはある。矢晴の側の嘘ってのはなんだろな? 純に惹かれてるけど曖昧にしたとこ? とか思いつつ、遡ると、【第10話】で『嘘つきで泥棒なのにどうしてここにいるんだろう』と考えていたりはする。「断酒すると嘘をついてみりんやマウスウォッシュを飲んだ」ということにはなりそう。それ以外の嘘……というといまいち思い至らないけど。
矢晴が純の家に来ることになった時点で考えると、純は「一緒に生きていく人が欲しい」という欲望を隠して「矢晴を助けたい」と嘘をついた。矢晴は純の熱意に説得されたふりをして劣悪な環境から抜け出すために利用した。みたいには考えられる。出会ったその日、さっさと帰りたいのに「酒が飲めるなら」って夕食の誘い受けちゃうくらいの人だし。
そもそも矢晴の『ここで死ぬならいいかもな』が矢晴の生への執着の裏返し、みたいなことかもしれない、とか飛躍してみる。
「勘違いしあって」……というのが、一番わからんのだけども。矢晴は純のことを「怖い人」「優しい人」と勘違いしていた、と思っている、というのはある。純が馴れ馴れしく触ってくるのは、純が矢晴のことを好きだから、と勘違いした、ということもありそう。矢晴の勘違いは見当つくけど、矢晴が考えてる純の勘違いは、わかんないな。
純が理想にしてる古印葵の実態はこんな奴なんだから、古印葵が理想だとか矢晴がすごいってのは純の勘違い、という話だったりするー?
あんまり純が壊れる感じはしないけど、たしかに、独占欲とか出てきちゃってた矢晴はあのままだったら壊れてそうな感じはする。遠くないうちに崩壊、はたしかにありそうではあった。お互いか〜? という疑問はつきまとうけど。
今回のことで矢晴は純に対して素直になれたというか、言いたいことを言えるようになったのかな? とは思える。ただなんか、恋心はどっかに置いてきたのか、置き忘れてきたのか、という雰囲気はある。
どこまで言ったら関係が壊れるか、純が自分を見捨てるのか試した、とも言えるんだけど。純からは『私は君を見捨てない』って言葉が出たからとりあえず第一関門突破、という感じではあると思える。今後なんかあって「見捨てないって言った!」って矢晴が言い出すときもありそうだな〜と思えたりもするけれど。まあ、そこらへんはこういう関係だと、あるあるだろうかな。
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