昨日の夜は

 と、おきれいにまとめているけども……、矢晴、それやっぱりちょっとごまかしてない……? とは、思ってしまう……。

矢晴ががっつりぶちまけつつも、純の不用意な言動が起こすであろう最悪を回避させたように思えるから、確かに、「昨日の夜」のあれそれどれこれ全部、ふたりの関係の進展に必要だったんだろうな、とは思うんだけども。

矢晴は最初から、この結果を目論んで覚悟して「昨日の夜」に臨んではいないんだよねえ……? 純が『矢晴が望むならなんでもするよ』と言い出さなければ、なかったし。

お互いにぶちまけて……、お互い……? 矢晴が純を乗り越えてただけでは……?

殴り合わなきゃいけない……、殴り合い……? 矢晴が純の不用意な言動を論ってサンドバッグにしてただけでは……?

と、【第15話】〜【第17話】を読む限りでは、矢晴は純にさんざか言った、けど、純は矢晴に詰られた不用意な発言以外の本音をぶちまけられたのかどうかは、謎い。語られてない空白の時間で、がっつり話ができていたのなら、良いのだが……とは思う。

嘘をつきあって……、うんうん、どれが嘘の該当箇所なのかはわからんが。

勘違いしあって……、うんうん、どういう勘違いなのかはわからんが。純が矢晴を古印葵と思っているところと、矢晴が純に恋心を抱いたと思ったところを勘違いしあった、と言われても納得はできそうな気がするかな?

支配し合って……、そうなんだよ、矢晴は純に支配されてるって思ってたみたいだけど、純を支配してたのは矢晴であり古印葵だし、場の支配者は矢晴だったのよ! とここだけは解釈一致! みたいな気分にはなった。

『そう遠くないうちに』『お互い崩壊してたと思う』というのは、わかる。このままいけば、そうだっただろうな、と思える。ただ、矢晴の『壊れる前に』関係を立て直そう、だったかどうかは、やっぱり謎い。純は矢晴の言うこと素直に受け取って『そうだったんだ』と言ってくれるから、いいのか……?

と思いつつ、ここの矢晴の話は、純に対しての『ごめん』って言葉への前フリなんだよな、と思い。

ここで矢晴が純に「昨日の夜を謝ろう」と思わせたのは、純が『あれね』『古印葵宛の手紙だよ』と言ったことで。純がそれを言えたのは、矢晴が素直な気持ちで、『3巻の…冒頭』『モノローグの後半部分』『好きだ』って、好きだって言えたからで。

純の漫画のことを、素直に、『好きだ』と言えた矢晴と、その心境にまでもってこられた「昨日の夜」はやっぱり偉大なんだけども!

でも、やっぱり、あの「昨日の夜」をこれこれこういう形式に則った儀式だったんですよ、的におきれいにまとめてるのは、矢晴のごまかしが過分に含まれてる気がするんだよねえ……。


コメント