性的に
矢晴の最大の勘違いが、純は矢晴に優しいし、ベタベタさわってくるし、抱きしめてくるし、古印葵が好きとか矢晴のフィルターが好きとか言ってくるし、の諸々で、「純は矢晴のことを性的に好き」という思い込みとして、それに従って、心寄せたら矢晴も純のことが性的に好きかもしれない、みたいな気分になった、とかだったら、と考えてみる。
同居当初のパジャマのボタン直されそうになったときに性的に襲われると恐怖して逃げてたのは、すでに「純は矢晴のことが性的に好き」だからという思い込みと純に対する恐怖ゆえ、脱がされそう=襲われる! なんだろうなとは思う。うんうん。
純と一緒に暮らしてみたら、別に無理矢理襲ってくるようなことはないし、ふれあいは心地良いし、ということからだんだんと「純のことが好きかも」ってなって。
粗相して恥ずかしいとこ見られた上に洗われて恥ずかしすぎたけど、純の漫画読んでみたら「やっぱり純は矢晴のこと好きじゃない?」という思いが強化され。さらにその上、『ハグしに来なよ』とか『一緒に寝る?』とかで、やっぱり純は矢晴のことが性的に好きで、一緒の布団で寝たら襲われるんだ! とか矢晴が思い込んでたとして。
“湯冷め”で肌に触れさせられて期待に膨らんだ蟲が、純の「2次元でしか抜いたことがない」発言によってベッドを出ていってしまうのは、矢晴の思い込みによる「純は矢晴を性的に好き」という考えが去っていく、ということにはなるのかな。
純が矢晴のことを性的に好き、という矢晴の思い込みが蟲になってて、矢晴が純を好きになってく気持ちが蟲を育てて。でも純は矢晴に性的な思いはなかったよ、ってことで去っていって。いやんもう、矢晴のスケベ! 襲われたかったんじゃん! とか盛り上がりつつ。
純は矢晴のことを性的になんとも思ってなかったよ、ということがわかったとして、矢晴のなかで育ってしまった純への思いはそんなすぐに消えないんだから、性欲だったらいいのにー! って思いからの「支配欲と執着は性欲」とかだったりするかなあ? 純には矢晴に対しての性欲がないから、こうやって言えば否定するだろう、と思ってふっかけただけかしら?
それに対しての純の反応が想定外で、性的に好きとかどうとかよりも純自身をどうにかしなきゃ、になったのか、ふたりの関係をフラットにしなきゃ、になったのか。矢晴自身はまだ、純が「人間相手に欲情しない」性質を知るよしもないと思うんだけど。
と、考えると、矢晴の誘惑も、純に性的な衝動がないことを確かめるためのものだし、『約束するならあれやれよ』ってのも、出来ない・しないことを見越して、また出来ないことを期待してた感じもあり……?
矢晴はこの夜の顛末で、「純は矢晴のことを性的に好きなわけじゃない」というのを確認して、矢晴自身が純のことを性的に好きと思ってしまったことを勘違いとして封印して、純と対等な人間同士の関係を構築しようとし始めた朝、ということに……?
と、考えてみたら、そこそこ筋は通るんだけども、BL展開無理やんけーーー!! とちゃぶ台飛ばしまくりになっちゃうな……と思ったりする。
性的に好かれてるっぽいから性的に好きになっちゃったかも、なんて土台もなくてグラグラしてるみたいなのはそりゃあたしかにすぐに崩壊しそうな気がするから、まずはふたりの関係の土台をしっかり構築して、改めて愛だの恋だのいってほしいけど、君たち、恋愛関係になる……? なれる……? 同居してから2年後……、矢晴が漫画描き始めてから1年後とかの、そんな先くらいには、恋愛になる……? なってる……?
最終的に親友になりました、とか言われたら、あまりの裏切りに泣くだけじゃ済まない気分になりそうなんだけど。ちゃんと恋愛になるよね……? BLなんだよね……?
と不安に駆られているけども。性描写は別段なくてもいいし、純が矢晴に欲情しないままでもかまわんけど、恋愛関係になって幸せになるハッピーエンドが待ち遠しい(訳:続き読みたい)。
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