殴り合う
矢晴はどこらへんで「殴り合わなくちゃいけない」と思ったのかどうかが謎ではある。寝室に行く前から覚悟を決めてたようには思えないんだけども。
純の言葉で激昂して、胸ぐらを掴み上げた矢晴の時点で、「お互いぶちまけて殴り合い」を企図していたのかどうか、と考えてみてもしっくりこない。
矢晴は純のことをガンガンに責め立ててたけど、自分のことは棚上げでしたでしょ? と思うと、「お互いぶっちゃけて殴り合う」という形にはいかない……。
物理で矢晴が純を殴ったけども。ムニッと非力でかわいかったけども。
でもやっぱり、そこまでぶちまけてはいないんじゃないかなあ、矢晴……。としか思えず。
四階の話して『私はなってしまったんだ!』〜『お前にも嫌われるような人間に…』あたりでやっと……? どうかな……? くらいには思うけど。
自分の本心ぶちまけてるというよりも、他人に託けてついでに純を責めてるようにしか思えないし。ここらで『気持ち悪い自分を直視しなきゃいけなくなってパニックで』ということになるのかな? とは思えるけど。
その後が『それからもうどうにでもなれって思って』のなりふり構わぬ感じであるなら、純の言うところの「力強いタックル」「このクリンチ」あたりはやっぱり渾身のハグだし、純と離れたくないってしがみついてて、かーわいいーー! と思う。
けど。矢晴が素直に純への気持ちを伝えたのかどうかというと、純の中では察知したっぽくはあるけど、言葉で伝えちゃいない感じなんだから、ぶちまけてなくね……? と思ってしまう。
純への気持ちを行動で表して、めちゃくちゃ触って誘惑した、というのなら、それはそれでぶちまけた感じではあるけども。
結局、朝、『殴り合わなきゃいけないって思ったんだ』と言った矢晴に、純が『そうだったんだ』と返事しているあたり、殴り合いは成立してないんじゃないかと思える。
ムニッとささやかに殴った矢晴に対して、がっつり関節キメてきた純で考えると、純が過剰な感じがしてしまうんだけども、矢晴がすぐにしゃべれてすぐに動けてる辺り、そんなに力は入れてないんだろうなあ、とは思う。けど、やっぱり見るにつけ、右手はヤメロ! と叫びたくなる。古印葵の大事な右手ーーーー! 純の語るところの古印葵の画風を考えると、万一肘や肩が壊れたら、古印葵もそのまま死ぬぞ! みたいな気分になるから、右手はヤメロ、ほんとにやめて……。
それなりにすぐいい雰囲気になれそうなBLだったら、こんな関節キメないで、純の大きな体を活用して、身動き取れないほどの熱烈なハグになるのだろうが……と、ちょっと遠い目をしてしまう。
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