純と矢晴の“性”質を比較検討する

 純は、たぶん童貞。矢晴は、たぶん非童貞。

矢晴には7年付き合った幼馴染の彼女がいたけど、純は『生まれてから今まで2次元でしか抜いたことがないオタクだから!』と言うから、彼女もいなけりゃ誰かと性交渉に及んだこともないはず。

純は、『3次元に欲情したことがない』と言うからには、「2次元には欲情する」ということだから、純も矢晴も、対象は違えど「欲情する」感覚は知っている。

純はペーパーに『四〓上になら抱かれたい!』と書いてたりして、受け願望があるのかどうか、ちょっと審議。

矢晴は純に『……襲われるのかと思った……』とかパジャマのボタンの掛け違いを直されそうになって『もしかしてこれが…目的ですか?』とか、自分が犯される側で純が自分を養う理由は性的なものだという意識がある。

純は、「一生を添い遂げる相手が欲しい」ため「3次元に対して欲情したい」願望がある。「3次元に対して欲情しない・できない」ために「好きな人に振られた」と考えている。

矢晴は、純が性的なものよりも漫画のほうが好きなんだから、世間一般の両想いにはなれないと断じる。からには、矢晴はいまんところ、性的接触を一番に考えている。

純は矢晴の気持ちを想像してか自分にもできると思いたくてか調子に乗ってか、性的なアプローチはするものの、できもしないことを言う。矢晴はそれを詰りながらも、強要してキスマークはつけさせた。


矢晴は、純が最初から性的興味を持って矢晴に近づいたんだと思ってたけど、自分が純のことを好きになってしまったら、純のほうには矢晴への性的興味が一切なかったらしいことを知ってしまった。むしろ、自分ばっかり欲しがっててハズカシーって感じの今。

純は、自分が欲情できない性質であることに悩みがあって、一生を添い遂げる相手を得るには欲情しなければならない強迫があるっぽい。だから真似事でも欲情できる・性交渉できるふうを装いたいんじゃないかと思えるけど、それでは矢晴が満足してくれないから振られたと思っている今。


純から欲情して迫る、みたいなことはできないっぽいから、矢晴のほうから誘い受けなり襲い受けなり積極的にいかないとコトに及べない感じはあるけど、純の純がうんともすんともじゃ、矢晴が余計に恥ずかしい思いをしてしまうので、どうにもならない、難しい関係。

純は「矢晴とエッチするより漫画のほうが気持ちいい」と言ってはいるが、「漫画のほうが気持ちいいことを知ってるから矢晴とエッチできないんだ」と言い訳をこねくり回していじけている感じしかしない。

それぞれ別の快感だから試してこい! と言いたい気分だが、純の純がうんともすんともだった場合にはふたりとも再起不能になりかねん気がするから、慎重に行って欲しい。

(矢晴は純に勃つんだから、純が受けなら問題ないんじゃないかまで思考が到達してしまうんだが。それはそれで好きではあるけど、どうなんだろうかね。むずかしいね)

お互いが相手を欲しがる欲求の合致のうえでの性交渉ってのが、矢晴の思う両想いであろうかなーって思うんだけど。その領域に純が到達できるのかどうか。純が到達できないことを矢晴が許容できるのかどうか。

まだまだ先は長いぞー。


それはそれとして、ふたりの営みが見たい。

とはいえ、ふたりがしっかり通じ合って身体の接触は必要ないと理解した状態のふたりの生活も見てみたい。

どんな形であれ、ふたりが幸せならそれでいいのよ。幸せにおなり。


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