第一歩

 【第21話】が出る前に書いていたことで「その企みは矢晴が漫画に向き合うきっかけになるの……? 幸せへの第一歩なの……?」書いていたんだけども、【第21話】の顛末で、純の企み外のことではあるけども、確かに矢晴にとって「漫画と向き合うきっかけ」になりそうだったし、「幸せへの第一歩」になっていた感じがとてもして、今【第21話】で純が矢晴に寿司を食べさせてから言っていた『苦痛を伴っても好きって思えたものといつかまた再会できるよ』を噛み締めている。

あの連載中に、苦痛にのたうち回りながら漫画を描いてて、でも誰も自分の言うことを理解してくれないし取り合ってくれないし、という辛さが、今回、菊池さんがそれ以降に体験したことで振り返って理解できるようになってて、今更ではあるけど、今だからこそ、って感じにあの時を振り返れたってのは、矢晴にとってどれほどかと。

落ちる涙を見つめながら、矢晴の瞳に光が宿るその瞬間だとか、放心してる矢晴を見つめる純だとか。なんかもーーー、いろいろ、感動している。

純一人では矢晴を漫画に向き合わせるのってかなり難しそうと思っていたけど、外部との接触によって矢晴の心がほぐされて。他者を見る、みたいな部分は純との暮らしや接触によって育まれた(というか、持ち直した?)だろうから、純がいなくては成り立たないけど、純には出来ないことを純以外からもたらされて。純ったら、自分がその役担いたかったのにーーーって嫉妬しない? しないな。

【第13話】で『世界は変わらないけど』『世界が綺麗に見える時間はこれから増えていくよ』と純が祈りを捧げたけれど、案外、世界も変わっていくな、と思う。


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