プライド

 純の辞書と矢晴の辞書が違うから、まずはそこからすり合わせて欲しい……と切に願いつつ。そもそも純の辞書に納得いかんので、困る。

純の言う“プライド”ってのが、俗に言う“つまらないプライド”で、見栄っ張りってことで。そりゃまあ、そんな“プライド”は捨て去ったほうがいいんだけども、それをあんなふうに矢晴を辱めんでもよかろうが……と思う。

“つまらないプライド”とは別に、誇りであるとか自尊心であるとかのプライドは大事で。

矢晴は、過去に「プライドとアイデンティティを捨てなきゃいけない」状態で漫画を描き続けて精神を壊してしまっていて、というのが【第1話 虚・プライド】と【第2話 後悔・プライド】で描かれているわけだけども。

漫画家としてのプライドと、矢晴自身のアイデンティティを、自分の手で壊し続けてきての今で。純だって、【第13話】で『彼の言動から察するに』『彼の自己肯定は一度破壊されてから再建されていない』って分析したくらいなんだから、矢晴がなけなしの“プライド”で自我を保とうとしてるのを、あんなけちょんけちょんに辱めんでもよかろうが……。

と思うんだけども、純は矢晴の“つまらないプライド”を捨てさせて、自尊心やら自己肯定やらを再構築するための土壌を作りたかったんかねえ……? いや、そこまで考えてなさそうな、考えなしって感じだよな……。

矢晴の自己肯定感高めたいんだったら「矢晴ったらほんとは私のこと好きなくせに天邪鬼な態度とってさ。私みたいに素直に気持ち伝えればいいのに」(超意訳)みたいなこと言えんよな……。



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