勘違いとすれ違い

 あの夜にぶちまけてお互いの勘違いとかなんかをいろいろすり合わせたような気になっていたりしたようだけども、そっからまた半月も経ってないうちに、やっぱり盛大な勘違いとすれ違いを起こしていて、「君のことだから〜」「うっ読まれてる」とか察して察されてボクラナカヨシって感じの意思疎通ができてる錯覚を脱却して、逐一どういう意味の言葉でどんな意図で言っているのか、すり合わせてくれ! という気分になる。

そもそもあの夜ですら、矢晴があの朝に後付けで言い訳していたようにも感じるから、純にとっては、そんな目的があったんだーと知った程度でしかないから、結局なんにもぶっちゃけてもないだろうし。とはいえ、この夜のこの顛末によって、矢晴の心境はずいぶんと変わっているから、それなりに必要なステップにはなっていたかと思う。

たった一晩の喧嘩(矢晴が一方的に殴ったようなもん)で、お互いのことをわかりあえるわけがないのだから、まず一歩。純が提案した「幸せなこと・好きなことランキングの見せあい」もうまくすれば一歩前進しただろうけど、やり方まずくてかなり後退したような。

ふたりは両想いで恋人同士になっているのか。本当に純は振られたのか。こいつらは同じ言葉で同じ言葉の解釈で、ちゃんと意思疎通ができるようになるのか。ふたりとも言語能力はかなり高そうだが、使っている辞書が違いすぎるぞ。まずは辞書を同じにしてくれ! と思ったところで【第16話】の『私はあなたの言葉を着たい』が思い出され、そういう方面には行くな! と純を殴りたくなる(ムニッ)。

純の矢晴を表現する擬音ってえらいかわいすぎるな。「ムニッ」とか「キッ」とか。

話を戻す。

結局、ランキングの内容もお互いに勘違いしているような気がするし、勘違いしたままで納得してしまっていて、お互いすり合わせて正確な把握をしようとしてくれないからすれ違ったままで。

ただ純は矢晴が「漫画を描く理由が見つからない」って言ったときにはちゃんと確認しようとしたけれど、純も自分のアイデンティティかなんかに関わることだったからかえらいこと威圧的になってしまったし矢晴も怯えてより巨大に見えてしまっていただろうし。落ち着いて会話できたら、もっと違ったんだろうな、と思う。創作に対しての〜ってところはこの物語の軸のひとつでもあるだろうから、何度もこの話するんだろうなと思うのだけど、その都度の矢晴の心境の変化とかが楽しみだなーと思っている。

で、純はほんとに振られたの……? 担当との食事の日は振られた気分で落ち込んでるけど、女性陣との会食時にはとても振った振られた関係のふたりには見えんのよ?


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