欲求
欲求とはなんぞや……と、えらいこと悩まされる。
三大欲求というと、「食欲、睡眠欲、性欲」とあったり、「食欲、睡眠欲、排泄欲」とあったり。
後者の場合、欲求するまでもなく体が自動的に摂取(食事・睡眠)しようとしたり排泄(大小、精)しようとしたりで、果たしてそれは「欲求」なのか……? とまで思う。禁止された場合には死に直結するから、死にたくない場合にはかなり激しく欲求するとは思うけど。
純のランキングでは、後者は網羅されている。「4位排泄、5位食事、7位睡眠」となるけども、純にとっては5位・7位は付加価値のほうが大事っぽい。「4位性欲」と解釈すれば、前者の三大欲求も網羅されていることにはなる。矢晴のランキングでは「1位睡眠」になるかと思うが、矢晴にとってもこのランキングでは「欲求」を書いたわけではないから、睡眠欲がどうのという話でもない。
そもそも、「それぞれの幸せなこと・好きなこと」を書き出すという、個人の趣味嗜好を見せ合おうという話を、何故、「人間の根源的な欲求」の話にすり替えたんだ、こんちくしょう! と思っているので、純も矢晴も、もっとちゃんと話し合いなさい。
純は『空腹になっても食べる理由を探すのか? 探さないだろ?』と言うけれど、それに対して矢晴の言った『けど他人や貧乏からその動機を剥がされる時が来る』がちょうど答えになっているような気がしている。
「空腹になればなにかを食べて腹を満たしたい」けれど「貧乏ゆえに食料を手に入れられない」ことがある、結果、「食べたくても食べられない」状態になる。裕福で衣食住に満たされているお前にはわからないし、みんながみんなお前みたいに裕福じゃないんだ、という形に組み替えてみれば、それなりにわかるような……という感じで理解はしていたのだけど。
純の場合、三大欲求は満たすまでもなく満たされているので、さらに高次の欲求を求めて満たす段階にあるかと思う。矢晴は現状、純に養われて惰性で生きているようなものだから、欲求によって生きてないし、かろうじて生まれている欲求は性欲だけかもな、という感じはする。
でもやっぱり、このランキング、それぞれの「欲求」がどうこうの話じゃないからなあ……。矢晴ったら、純の「好き」に自分の名前入ってないのが嫌だったんでしょ! もう! でも矢晴も純の名前入れてないじゃん!
純の目的としては、『私は今の生活が最高に幸せってことを説明しようとしたんですが……』と、「価値観のすり合わせ」とも違う理由を語るので、純の中でもとっちらかったままなのか、担当に語ったのは後付なのか。
最高に幸せって説明したかったんなら、余計なこと言わんと、「矢晴と暮らす今が最高」って言ってあげればよかったのに……。あんな矢晴を辱めて……。でも、あの時、矢晴自身が純と言葉が違うことに気づいてて純に言葉の説明求めてるんだよねえ……とは思う。矢晴が呼び込んでしまった事態とも言えるけども……、でもでもやっぱり、純があんなふうに矢晴を辱めて自分を持ち上げたりしなけりゃあんなことには…………。
とはいえ、すり合わせから5日後のふたりの様子を見るに、矢晴は気にしてなさそうな感じだし、純が矢晴のことを自慢気に解説したりするのにちょっと照れたふうなだけでかわいらしいし……、純が担当に振られた話して帰ってきてから3日間でなにがあったのよ! 教えなさいよ! と興奮しちゃうな。
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