順番

 純のとっちらかった順番ごっちゃな話ではなく。

会食で、矢晴が菊池さんとの会話で『憑き物が落ちたような気分』になる前に、純が矢晴の口に寿司を詰め込み、『科学的根拠はないけど私を信じなさい』に『フフッ』と笑って『なんだそれうさんくさ』という会話があるというこの順番。

すでに矢晴にはかなりの心の余裕ができていて、人の言葉を受けとる土壌ができていての、菊池さんからの連載時の話とその時の無知の謝罪とが矢晴の心に染み透る感じ。

もし、この謝罪が、あの編集部に行った日にされていたとしても、矢晴の心にはまったく響かなかっただろうなと思うと、ほんとに、純と暮らし始めてのこの1ヶ月半少々で、どんだけ矢晴の心をほぐしていたんだ、純。すごいぞ、純!

純は振られたって落ち込んでるけど、矢晴は恋人になった純に全幅の信頼を寄せてそうだぞ! 気付け!

とはいえ。

矢晴に振られたらしい立ち聞きされた日から、振られた気分で2日で原稿上げて睡眠不足と傷心のめちゃくちゃな気持ちで担当と食事して夜遅めに家に帰って、そっから3日で睡眠充分でツヤツヤな感じの純の様子を見ると、担当との食事から帰ってきてから会食までの3日間の間に、すでに矢晴に振ってないと言われてルンルン気分でツヤッツヤなのかもしれないな、純……。と思い始めたりもする。

その3日間になにがあったんだ、教えてくれ! ちゅーくらいできたんか!?


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