睡眠

 矢晴は不眠症な感じだし、夜に寝ようとすると脳が思考に呑まれて大変なことになってそうだし泣いて耐えてたり、“湯冷め”で数時間耐えてたり。今は睡眠薬を飲んでいるのかどうかわからないけれど、同居1ヶ月目のあの日の翌日の夜は純のベッドで震えながらテトリスしてて、日付が変わるまで過ごしていて。

純と一緒に電気毛布を探して、ぽかぽか気分で癒やされていたのは深夜2時。矢晴が『生き返る〜〜』って思ってる頃には純はがっつり眠っている。

純自身は普段夜ふかししない、と言っている割にはお風呂入ってから寝るのに、夜10時くらいで『ちょっと早いけど』と言っているくらいなんだから、いつも11時くらいとかで寝るのかなー?

矢晴と同居してからは、多少睡眠時間削って矢晴の療養計画たててたり、ベッドの中で調べ物してたりしてたから、矢晴と昼間過ごして少し仕事が遅れ気味、夜に矢晴の療養計画立てたりしてるから睡眠時間が減り気味……と、積み重なってはいるよねえ。

朝に起きる時間は決めてあって、矢晴も起こさなきゃだし、と夜が遅くなれば睡眠時間が減っていて。だんだんと仕事が夕方までに終わらない感じで押してくれば夜もやらなきゃ日付が変わるまで……で、あんなにクマが出来てしまうほどになってしまって。

でも、明後日に原稿上げるから〜までの2日間に恐ろしく疲れすぎてたのは、睡眠が足りない以上に振られたショックなんだろうかなあ、純。

美容院でちょっと寝ても回復しないくらいだし。どんだけ疲れてんだってくらいになってるけども。そりゃもうあんなおかしなこと言って担当から『ちゃんと寝た方がいいですよ』まで言われるわさ、くらいに。

担当と飲んで帰ってきてからの純は、脱稿したこともあって爆睡したんじゃないかと思えるし、その後はそれなりに調子が良かったのかスケジュール見直していい感じにできたのか、3日後に編集の女性陣との会食時には、疲れた様子も一切なくて、胡散臭い陽キャが復活。

矢晴のアパート徹夜で掃除して帰ったときも、一晩寝て回復してまたすぐアパートに来てるんだから、若さなのか体力なのか。あの日の純は、矢晴視点ではすこぶる胡散臭くて、純視点ではすごい誠実だったけど、矢晴と純の認識の差を考えると、ちょっと矢晴視点寄りだけど軽めの誠実さくらいが、純の実像なんじゃないかな? と思える。話がそれた。

矢晴も純からもらった電気毛布のおかげで、この10日間の睡眠環境はすこぶる良くなっててよく眠れてるんだろうな、と思える。純が日付変わるまで仕事に追われているのに安穏と眠ってしまっていた自分、とか気に病むかもしれないレベルで眠れていたかもしれない。

ふたりともよく眠れてか元気になってよかったな、と思いながら、やっぱり矢晴のランキング1位に「ねる」が苦痛のないものとして書かれてたとしても、寝ることから苦痛を取り除いてくれたのは純だよな、と思う。


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