一線のライン
あの夜、あの朝チュンで、純と矢晴は『最低限度の一線を超えてしまったのは』『望海 可純の家に住み始めてから1か月目のことだった』と【第1話】で語られているわけだし、なにかしらの“一線”を超えているけど、矢晴にしてみれば、それは「最低限度」で「最低ライン」なわけで、と思うと、「最後まで」はしてないわけでしょう? と思う。
矢晴の“一線”の段階がどんななのかはわかんないから、どうなのよ? と悩み続けてしまうけども。
個人的な希望、願望、欲望としては、「純はいまだに童貞であ〜れ」とか思っていたりするので、最後の一線(結合・合体)は超えてないと思いたく。
矢晴の一線の段階的に、「恋人同士の最初の段階」と考えた場合の一線は、キス程度……? 一緒に寝る……? 裸を見せ合う……? とかいろいろ考えられもするけど、「裸を見せ合う」に関しては一緒にお風呂でクリア……? 「一緒に寝る」は当然クリア、「キス」は純からキスマークつけてもらって……クリア……か……? その後、我慢ならんかった矢晴からガッツリ純の唇を奪うくらいはしてくれたらいいかな、と若干の不確定要素はあれども、という感じだけど。
お互いの好きな気持ちを確認しあって、キスしたから“両想い”と純が思ったとしても不思議はない。純は自分が矢晴のことを好きという気持ちは確かだと思っているし、矢晴は自分のことを好きになってると思っているし、それでキスしたから、私達は両想い! にまで思考が到達しててもおかしくはない。思い込みの激しい子だから。
射精にまで至る行為までは行った、として、「裸で抱き合い、お互い手でした」くらいのかわいらしさを想像するけども。さすがになんの準備もできてない状態で最後まではねえ……、矢晴の身体の負担とか考えてもそこまでは……、いってもいいけど……、難しいんじゃないかと……、いっててもいいけど……、それならそれで見せてほし……、と悶々と考え続けてしまう。
矢晴としてはそれで充分満たされてのランキング1位の「ねる」=性行為を含む、であったのに、純にとっては4位なんだから、「私とスるのはその程度なの?」とひどくガッカリすることこの上ない、という感じもしてしまう。
いやさ、純との性行為を含むが1位としてもさ、矢晴よ……、ちゃんと書けや……。ついでに、あんな詰り方しないでお互いのランキングの詳細・意味・理由をきっちり詰めたらいいじゃんか。
純の担当への話しぶりからは、『3次元に欲情したことないし』(確定)『好きな人と裸で抱き合って気持ちのいいことをしたとして』(仮定)『きっと安心や信頼とかですごく幸せだと思うんですけど』(想像)『漫画を作るより絶頂できるか?って言ったら』『そうでもない』(実感)と考えられるけども、「矢晴と性交渉した・できた」という確証を得られる証言ではない。
まだ3次元に欲情したことがないと言うからには、矢晴にすら欲情までできてない。途中の話は完全に仮定で想像になってるから、矢晴としたかどうかもわからない。最後は矢晴としても絶頂にまでは至らなかった、と聞こえはするけど、それも純の想像でしょ? くらいにしか思えず。
担当に話すから、実際にしたかどうかをぼかしている、可能性はあるかなーとは思えるけど。
実際にしたんだったら、「好きな人と性行為してみたけど、欲情しなくて勃たなかったし、漫画のほうが気持ちよくってイカなかったから振られた」というなんとも情けない話にはなる。ただ、『そうでもない』という言い方だと、射精にまでは至っていて肉体的な快感は十分あったが、精神的な満足感・絶頂はなかった、とも聞こえるけど、それならそれで『きっと安心や信頼とかですごく幸せだと思う』といまだ体験したことのない想像のように言うものか……? と思うと、判断がむずかしい。
「私は裸で抱き合って安心感や信頼を感じられて充分幸せなんだけど、相手は絶頂を求めてくるから、それはできなくて振られてしまった」とすると、矢晴の性欲ったら……と、あらあらまあまあふふふふふ、みたいな気分にはなり。
元気すぎんか?
いやいやまあまあ。
あの夜、あの朝までの間に、射精するまでの行為があったとしてみよう。でも、それは“最低限度の一線”だから、最終目標である結合・合体にまでは至っていないと思われる。(純はいまだ童貞であ〜れ)
あの扉を開けようとドアノブをガチャガチャやってた純のように、純が矢晴の矢晴をガチャガチャとして、矢晴も純の純を射精に至るまでガチャガチャやってて。ふたり裸で抱き合って幸せ気分で気持ち良く朝。
矢晴はうつ状態とか抗うつ剤の影響とかで勃たない可能性とかも考えれるけど……、オキシトシンのオスの交尾行動を活性化する作用によってまあ、それなりに、しっかりと?
純はこの抜き合いで自分も射精にまで至れたから、両想い! 一生一緒! くらいまで飛躍してのあの朝の『私達の関係ってなんだと思う?』と言葉を強請ったとも考えられはするけども。
純ならキスした程度であれ言うだろ……とも思え。
約束の印鑑を捺したのかどうかすらあんなに焦らされたんだから、この夜から朝にナニがあったかなんて、いったいいつ明かされるんだろうか。それまでずっと悶々とし続けることに……。ううううう。楽しい。
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