【感想】第18話 清涼剤・フランネル

 思いがけなく早い更新によって、ほんとに、「ひとときの清涼剤」であったなあ、と遠い目をしてしまうのだけども。記事数950でちょうどよさげだから感想を書くことにした。(第19話の感想は記事数1000くらいで書きたいな。)

短いなかにもいろいろとこの先の伏線が散りばめられていて、息抜き回ではあるけれど、嵐の前の静けさでもある感じ。

の、【第18話 清涼剤・フランネル】。

表紙の2コマで、【第17話】のあの朝の後、純は前日の晩に言っていたように矢晴を病院に連れて行ったことがわかる。『色んな病院でめちゃくちゃ検査した』矢晴はものすごい形相になっているのが、かわいい。

結局矢晴は純の寝室で、純のベッドで今後も寝ることになったらしい。色々のうち、語られてない部分を詳しく教えて欲しい心持ちになる。

手袋にダウンの完全防寒状態で布団に入ってテトリスをしている矢晴がかわいい。スマホを持つ体勢で手がぷるぷるしているのかとも思ってたけど、全体震えているようで、“湯冷め”の寒さで震えているようにも思える。意識を失わないためとか耐えるためとかのスマホゲームだったりするのかな。

純のベッドで寝ながら、昨日の夜のことを思い出す矢晴の思考が『私の苦痛を和らげるアヘンくらいにはなっただろうか?』と、考えて、くるしくて死にたい気持ちに支配されてしまう。いつもだったら、ずっと泣いて耐えてたんじゃないのかな〜と思う状態だけども。

『――こんな時は』と、音読をしようと純の本棚から本を取り出す。この時点で、え、矢晴本読めるようになったの!? と衝撃を受けてたりするんだけども、ボックスの中から出てきたものがさらに衝撃で。矢晴のびっくりした顔も可愛ければ、手に取る動作もかわいすぎるし、そのままつい音読してしまう矢晴もたまらん。そしてまた薄い本の内容も矢晴が音読するおかげで面白すぎる。

ぺらりと落ちたペーパーは純のものらしいけども、あんな音読に集中してた感じなのに、よくそんなペーパーにまで意識向いてたわね、矢晴。さすが視野が広い。

仕事が終わって寝室に入った純が、矢晴が薄い本を広げているのに驚いてスライディングしてくるのもかわいいったらありゃしない。矢晴に謝り倒して、矢晴からの反応が思ったのと違った感じらしい純の状態に、この薄い本の中には純が描いた古印葵の同人誌があるらしい。読みたい!

矢晴はTHE・肌色の薄い本の衝撃で直前の思考はどっかに行って、安定した精神状態になってて、かわいらしく勝手に見たことを謝ったり、小悪魔風味にからかったりと、かわいいんだ。

ここらで、純の髪のプリン具合が激しくて、純は髪の手入れができていないらしいなあ、と思ったんだけども、まさかあんなことになっていたなんて……。

薄い本を持ってどこかにしまいに行った純がすぐに戻ってきて、おかしなテンションで、矢晴の部屋のミチミチのクローゼットから電気毛布を探すからと矢晴を手伝わせる。コミカルでかわいいんだ。けーどさー。

ふたりで箱を開けながら矢晴が『そういえばさ』『いつもは夕方に仕事終わってるのに今日は日付変わるまで仕事してたんだな おつかれさま』と言うのに『ドタバタしててね』と純が返すの、ドタバタってなんだよーーと色んな可能性を考えてたけども、次の話で解明されて、それを踏まえて今読んで、「おつかれさま」ってのんきな矢晴と理由を言わない純のふたりの温度差みたいなものが、さらに強く感じられてしまう。ううう、純……。

でも、のんきな矢晴って状態は純の努力の賜物なのよねえ、とは思う。こんな落ち着いて楽しげにおしゃべりできるまでになったんだよ、矢晴が! と思うと、純のがんばりを褒め称えたい。

そして、目的のフランネルの電気毛布を見つけて、時間は深夜1時54分。純の寝室で、電気毛布に感動する矢晴が、これまた、かわいい!(こんな幸せそうな矢晴が……あんなことを……ううう、純……。)

そして電気毛布でぽかぽかと幸せそうな矢晴の隣で、純の寝相がやばい。ベイブレードどころじゃない異次元な動きをしている気がする。ぐるんぐるん。

宇宙にたゆたい、いろいろなものに感謝する安らかな矢晴で、話が終わる。

かわいいふたりと、矢晴の幸せそうな感じで、読んでる私も心温まる気分の話であった。電気毛布の宣伝は大成功だったようで、ポチった人は多かった模様。

  • 『色んな病院でめちゃくちゃ検査した』
  • 純のベッドで寝ながらゲームしている矢晴。手袋・ダウンで完全防寒。
  • 思考に呑まれそうになって、純のナウジカボックスを手に取る。
  • 箱の中に入っていた成人向け薄い本に驚く矢晴。
  • 手に取ってそのまま音読をする。
  • 仕事を終えた純が寝室に来て、広げられた薄い本にスライディング。
  • 「オタク心が」「私以外誰もいなくて」と謝る純。わかっていない矢晴。
  • 純の描いたエロ本もあるから慌てているのか、とからかう矢晴。
  • 矢晴の部屋のクローゼットから電気毛布を探す純。手伝う矢晴。
  • 『今日は日付変わるまで仕事してたんだな』『ドタバタしててね』
  • フランネルの電気毛布を見つける。
  • 深夜1時54分。電気毛布で暖かく、幸せそうな矢晴。
  • となりで眠る純の寝相がベイブレード。

同居1ヶ月目の翌日。あの朝の夜。一緒に寝ている純と矢晴が愛おしい。

純の本棚にあった薄い本たちのうちどれが純のお気に入りのオカズであるのか、純が描いた古印葵の同人誌は含まれているのか、成人向けなのか、いろいろ気になる。

矢晴が幸せそうであるのに、その裏側で純は……。


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