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年末年始

 秋の終わり頃に編集部から連絡をもらって編集部に赴いた矢晴だけども、編集部に行った頃もまだ秋(11月中旬〜くらい?)だったのかどうかもよくわからないけども、そこで純と出会って、引っ越すことに決めて、純の家に引っ越したのはまだ「年内」じゃないのかなー? とは思える。 そうすると、純の家に引っ越してすぐに年末年始ではないか……? とも思えるわけだけど。 12月初旬〜中旬くらいに純の家に住み始めたとすると、人間ドックに行った頃は、かなり年の瀬って感じがするわけで。 矢晴は、純の家に住み始めてからどんどこと精神状態あやうくなってて、日常まともでいる時間も少ない、みたいな感じだから、住み始めて最初の年末年始もベッドにこもって苦しんでそうだなあーとは思う。「世の中、新年で盛り上がってるのに自分は……」みたいに落ち込んでそうだし、落ち込みたくないからテレビ見たりもしなさそうだし。 純は年末年始とかこれまでどう過ごしてたのかもわからないけども、年末年始用にごちそうをお取り寄せしてたかもなあ、とか。わりと食いしん坊みたいな感じだから、季節限定のものとかあれやこれやたくさん買ってそうには思うけども。自宅じゃなくて、実家に帰省して過ごしてた可能性も高いかなー? とはいえ、売れっ子だからってタカられるのがイヤだから実家に帰らない可能性もありそうだなー、とか。 はじめてのふたりの年末年始は、特になにもせずで終わりそうな気がするけど、2年目の年末年始はそれなりに楽しく過ごしてくれたらいいなーとか思いつつ、ちらっと夕方からちょっと二次創作でそこらへんの話を書き始めたけど、いつ出来上がるだろう……? みたいな気分になっている。 本編では、そこらへんの季節行事はやらないかなー? 見たいなあ。

原因

 編集部で純と矢晴が会った翌々日、純が矢晴のアパートを訪れた時。 矢晴が動けなくなってて、食事をした気配もなくて、純は大層ショックを受けて『――と言うことはこの人の惨状を分かっているのは「この世で私だけ」?』『私がここから去ったら――』『この事実が「存在しない」ことになる?』『今すぐ引きずり出さないとこの人本当に「消える」』(「 」でくくった部分は傍点で強調されている箇所)と考えているけども。 その時点で矢晴がそうなってる原因は、純なんだよなあ……と思ったりしている。 普段からまともな食生活はしてなさそうだから、遅かれ早かれ、みたいなところはあるけども、純が関わってきてなかったら、これまで通りに酒浸りになりつつ、バイトしつつ、ぎりぎり生きてたかなーと思う。それは「生きてる」と言えないかもだけども。 つい昨日、純が迫って怖がらせたから矢晴は今こうなっちゃってるんじゃないか……。と思うと、「この世で私だけ?」とか「存在しないことになる?」とかの思考が、これまたいかにも“上薗純”って感じで、ドロップキックかましたくなるくらい好き。 逆に考えると、純が関わってきたおかげで、矢晴の現状が顕著になったわけだけども。 純と出会えてなかったら、純が関わってきてなかったら、矢晴はゆるやかに人知れず、ゴミの山の中で死体になってただろうなと思うと、純の担当が言ったとおりのことが起こっていただろうと思うと、やっぱり純と出会えて、純が間に合ってよかったよーー! と思うんだけども、純の再訪時の矢晴の状態の原因は純なんだからな! と思っている。

愛される弱者

 【第11話】の『これじゃ私ただのヒモじゃないですか』『矢晴さんはヒモの才能がありますよ』『他人にほっとけないと思わせる人間ってそんなにいないですから』と矢晴の言葉に、純が考えなしに笑顔で放った言葉に、矢晴の様子が変わる。 『他人に愛される弱者しか救われないって話ですか?』という矢晴の言葉に対して 【第13話】では、純は『質問に答えられなくて誤魔化してしまった』と考えていて、【第11話】で『それが矢晴さんの漫画の才能ですよ』という言葉で誤魔化したのだとわかる。 純は、単純に「他人に愛される弱者しか救われないのか」という話を振られたと思っているのかなー? と思うのだけど。矢晴の話も「愛されない弱者を救う方法」「解決しない」「好きなものしか愛せないのが人間の弱さ」と展開されているので、純には口を挟めるところがない。 そもそも、矢晴が問いたいのはそういった話じゃないと思えて。 純がこの時点で答えとして差し出したら良かった言葉を考えてみると、「そういう話じゃないです」「私が矢晴さんと暮らしたいだけです」くらいだったかなーとは思う。 純は古印葵が好きで福田矢晴を助けたいと思っただけだから、純の『他人にほっとけないと思わせる人間ってそんなにいないですから』という言葉自体が矢晴の状態にも純の行動にも合わないわけだし。 純の言葉をひらたくすると「他人にほっとけないからと思われて手を差し出される人間は少数であり、大多数は見向きもされずに放置される」「矢晴はその少数の人間だ」「それはヒモの才能があるということ」ということにはなるかな。 矢晴は「働きもせず豪邸に住んでなにもかも世話されてる身分不相応な暮らし」をさせてもらっていてかなりの引け目がありそうなのに、それを「ヒモの才能がある」「矢晴は他人にほっとけないと思わせる人間だから」と言われたのが辛いんだと思うのだけど。 ここはほんと、純の考えなしの言葉(これがもし矢晴フィルターで歪んでいるのなら、圧倒的に矢晴の思考がダメなんだけど)に対して、わかりにくい皮肉でもって応酬しようとした矢晴と、その矢晴の質問に答えられないからと誤魔化したという純の、どいつもこいつも感が、やべえたまらん……って気分になる。 【第13話】でこのシーンの純の思考も出たことで、すれ違い具合がより鮮明になってて、好き。 ここらへんの矢晴の典型的な“認知の歪み”...

馬鹿にする人

 【第13話 後編】の純の言った『この家の中で矢晴を馬鹿にする人は矢晴以外いないよ』が、けっこう好きで。 純は当然、矢晴を馬鹿にすることはなくて。 矢晴は、矢晴自身のことだけでなく、わりとふつうに「人を馬鹿にする」人だなあとは思う。 純と行った居酒屋でしたたかに酔っ払って『あいつら歴史も文豪も知らねーんです』と言っていたり。でもすぐに『他人の悪口言っちゃったダッサキモ……』と落ち込んでるあたり、“イヤなヤツ”ではないなと思う。 矢晴はすぐ自分のことを「ダメ人間」と馬鹿にしていて、たしかに今は病んでしまって「いろいろとダメ」な雰囲気はあるけども、「人間としてダメ」ということはないのになーと思う。 そこらへん、【第8話】で純がクッションをすすめたときに『ダメにする…というより人をゼロにするクッションだと思えば』『矢晴さんにとっては今より良くなるクッションじゃあないですか?』と言っていたのが、とても良い。ついでに、そのセリフの前に『…… ……』とちょっと考えてた感じなのが、これまた良い、好き。

感想を書き終わると

 感想を書き終わると、無駄にやりきった感が出て、燃え尽きたような気持ちになって呆けてしまう。 次の話まーだー? とか思い始めるし、内容は消化しきれていないけども、後の話の展開で解答が出るのを待とうという気分になってしまっているから、次の話が待ち遠しい。 告知されていたほのぼのライフの最後の話が第14話で、どんな展開になるんだろう? と考えてみる。 お風呂のシーンは、すでに矢晴視点の【第2話】、純視点の【第13話】で済んでいるとすると、【第2話】で湯上がりの矢晴が純の上着だろうか大きめの上着をかけられて、ソファーで臥していたところ、【第2話】ではガラステーブルに置かれていた純の単行本を見ながら過去回想に入っているけども、そのシーンからの現実の話になるかなあ? とか考えてみる。 外は雪が降っているみたいだから、純が雪にはしゃいでいるかもしれない。純の家は家中、床暖房なりであったかいのかもしれないけども、雪となるとそれなりの寒さも出そうな気がするから、ふたりでコタツでぬくぬくしながら、話をしてくれてもいいなとか思うし。 矢晴が純への気持ちを自分自身で確かめていくために、純の漫画を読み始めてみたりしてくれたら、いいなあーー! とか思うわけだけど。 【第13話】で純が言った『創作者のフィルターを通って濾過されたものが作品のこだわりとして表れる』から、「上薗純という人を知るために望海可純の漫画を読む」というのはアリだと思うわけで。矢晴が純の漫画を読み始めてるのを見て、純がさり気なく、全巻そっと置いてくれたらいいなと。そっとね、そっと。はしゃいで騒いだら矢晴読まないかもしれないから! そこから、矢晴が「やっぱり漫画が好き」という気持ちを膨らませていったらいいのになーと。 【第12話】で自分の気持ちを曖昧にしたいとお酒に逃げた矢晴だけども、ここからは、「純に気持ちが寄ってしまうのを避けたい」か「純をよりよく知って自分の気持ちを確かめたい」かになるかなあ? とは思うけども、どっちになるかで純の幸福度が変わってしまうな……と思う。 後者だったら、いちゃいちゃモードに突入できそうに思うけど。 とか、考えてても、軽く思いもよらないルートに入っていきそうな気がするから、どんな展開になるのかとドキドキする。待ち遠しい。

こたつがかり

 作者さんの本業の、重版かかった既刊を全巻まとめて買って。本編の隙間ページに着衣状態だけども、四十八手が描かれているので、それも楽しみで。というなかにあった「こたつがかり」で。 あー! ってなるわけだけども。 そりゃあ、えっちな雰囲気感じるわけだわーと、思い至ったというだけの話。おわり。

【感想】第13話 上薗純、曰く その(3)後編

【その(3)後編】で、前後編揃ってで【第13話】総55ページということで、大ボリュームの純曰く。今回は【後編】の感想。いまだ、消化しきれてない気がするので、感想……ねぇ……みたいな気分にはなっていたりする。それはそれで、今の感想だからいいのだけれど。 表紙なしの本文始まり。前編の続きで、同居4日目、マウスウォッシュを飲んだ矢晴が自室のベッドに居るところ。純が矢晴に「矢晴に見えている純の姿」を聞いて、『私の顔を見て確かめてください』『あなたが背中で見ている不安は存在しないことを』と訴えて、矢晴が振り向いて……の後。 「振り向いた矢晴が見たものは――!?」とでもアオリ文が付きそうなシーンからの続きが、矢晴の睨みつけるような強い目で。純の姿は純の視界に入った手とか、足元だけなので、矢晴はいったい何を見たんだろう……? と気になる。 トーンのかかる「睨みつけるような矢晴の目、冷たい視線、顔つき」が純の印象でしかないのだったら、この話の中盤で純がベッドの中でタブレットで見ている「クレショフ効果」が、この時点で純に発動しているのでは……? と思ったのだけど、どうだろう。 純は、そんな矢晴の冷たい視線に気圧されて、萎々と床を見てしょんぼりしてる感じが、前編の勢いはどこへやったんだ、情けない! という気分になってしまう。 それでも振り向いて、身体を起こして座った矢晴が、純がベッドサイドのスツールに座り直したところで『自覚はあるんです』と話し出してくれたあたりは、矢晴が自分のことを純に話せるようになってきたという「良い徴候」ではあるのかな? 話し出しても矢晴は純のこと全然見やしないけど。 純は矢晴が話し出してくれたことで、本で読んだこと思い出して、矢晴の話に関連しそうなこと並べ立てるんだけども、「本で読んだ」「書いてあった」と受け売りで『突然のうんちくマンになってしまった』ってちょっと落ち込んでるところがかわいい。 それに対して『純さんもその方面の本読むんですか?』って言ってる矢晴がうすく微笑んでるのが、純は『あ 笑ってくれた かわいい』って思ってるけど、私には、けっこういやらしい笑い方するわね、矢晴……って思えて。本の受け売りでしか話さない純を侮ってる感じがしている。でも、けっこうちゃんと純の方を「見て」微笑んでるから、「本を読んで知識をつけようとしてる純を評価している」のかもしれ...

はてさて

 この記事の次が末尾0になるので、【第13話 後編】の感想を書こうと思っていて、その前になにかしら、なにかしら……と、考えていても、どうにもあの「切れた縄」の一連のシーンについてしか考えられなくなっている。 あのシーンの矢晴がどんな気持ちで『吐き出したいことを純に伝えれば』『私は漫画を描かなくて済むんだ』と言ったのか。 最初から、純に対してかなりしょっぱい対応で。純の顔とポーズが気に入らなかったんだろうなと思うのだけども。 「純に吐き出す」と「描かないで済む」 「形に昇華できない人間になった」し「命はかけられない」から「漫画家にはならない」 「聞いてくれれば充分」だから『全部お前にやる』 「描かないで済む」という言い方からすでに引っかかるのだけども。純もそう言われて『――え?』と身体を起こしてしまうほどだし。 純に対して全幅の信頼を置いて、古印葵の何もかもを純にあげるよ、って話ではないし。矢晴が出来なくなってしまったことを純に託す、という話でもないし。 矢晴が『形にならないものに命はかけられない』と言いながら、それを純が形にするように譲るというなら、純に「命をかけて形にしろ」と言っているようなものだし? 「矢晴は話をするだけ」「純は命がけでそれを形にする」というのは、なんかこう、矢晴の言い方がひどすぎて。そりゃー純も声を荒げるさーって思うし。むしろ矢晴が思考停止して何もかも放り投げようとしてるのを純が必死で繋ぎ止めようとしてるのが「固い瓶のフタ」の話で。 ものすごく的確な喩えだし、まっすぐで伝えたいことをしっかりと伝えれてると思う。それを矢晴が理解できたかどうかは謎だけど。 矢晴がかなりひねくれたひどい言い方をしている自覚がなく、言葉と裏腹に本心から「純に古印葵のすべてを譲る」つもりであったなら、純の『私じゃ古印葵を紡げないのは私が一番知ってる』という言葉は「受取拒否」ではあるんだけども。 実際のところ、『全部やる」とか言われても、純が理想としてる古印葵の絵と漫画と、純の描ける絵と漫画は違いすぎて、純はずーっと自分の絵と漫画に不満持ち続けて「古印葵みたいに描けない」っての痛切に感じているわけだし。矢晴にも、その不満を吐露してるんだから、矢晴もわかっててくれてもいいじゃん……? ねえ? とか思う。受け取れるもんなら受け取りたいだろうけど、自分の能力じゃ絶対無理...

承認欲求と自己肯定

 矢晴は承認欲求が強い、というか、連載持たないと、人気作家にならないと、といった自身に課した規定ラインが高い気がする。 「細々とでも満足のいく漫画が描ければ幸せ」という気持ちもあっただろうけども、それ以上に、「世に認められないと」って気持ちのが強いんだろうなあ、と思う。 自己肯定や自尊感情の補強のために他者の承認を必要としていると言うよりも、自己肯定すらあやしいなと思う。B誌での仕打ちやA誌での連載失敗も要因ではあるだろうけども、生育環境からかもなあーと、「もともと仲の悪かった家族」とか「何年も連絡を取ってない姉」とか「使命感から逃げたい人生」なんてあたりから考えてみる。 今現在、矢晴は自分のことを「ダメ人間」と言うし、純からの承認は「福田矢晴ではなく古印葵あて」とでも思っていそうだし、【第12話】では純の話から自分の価値が下がったような気分になっているし、自分は無価値だと思っているし。というあたり「自己肯定」は破壊されたまま再建される気配はなさそう。 完膚なきまでに破壊されたような自己肯定が、たった1ヶ月で再建されるものでもないだろうから、まだまだこれからなんだろうけども。 【第13話 後編】の21日目、矢晴が言った『純が聞いてくれればもう充分だよ』という言葉はその前後から考えても、現状を受け入れた自己肯定から出てきた言葉ではないと思っていて。 純は矢晴の自己肯定を再建するのか、新たに構築するのか、できるのか。矢晴が本気で「純さえいればそれでいい」と言う日は来るのかどうか。気になるー。1年以上先なんだろうけどー。

断絶、かぁ

「切れた縄」の解釈について、支部のコメントやTwitterで見かけたのはどれも「純と矢晴の断絶」って感じではある。 断絶かぁ〜〜、と数日考え込んでいるのだけども、断絶かぁ……。 もちょっと詳しく。頼む、プリーズ。みたいな気分ではあるんだけども。 んー。矢晴の言い方が「漫画が描けなくなったけど、純が話を聞いてくれるから自分でいられる」って感じだったら、たぶん純は怒らないしなぁ。 でも、純が理想としてる古印葵に、現在の矢晴は「なれない」から、古印葵を崇拝してるような純とは、断絶を感じてもおかしくはないわけで。 矢晴は自分がなんで怒られてんのかわかってないかもしれないしなあ……。 今んとこ、そういう解釈もあるんだなあ……くらいでその解釈に至る経路・詳細がよくわからないから、そうなんだ! みたいな気分にもなってないんだけども。 いろいろ教えて、頼む、プリーズ。

今年一番

 支部の「マイベスト」で、「今年一番見返した作品」ということで、けっこうな方が【売れうつ】が上がっているようで、私も例にもれずというところ。 続きが更新されると1話から読み直すので、だいたい第1話の閲覧数が跳ね上がるのは、わかる。 私は今は読むよりもセリフの確認をしたい時に支部で見て、読む時は冊子にしているので、そんなに多くの閲覧数に寄与できていないような気がする。更新の確認は毎日朝昼晩深夜と「絶対この時間はないだろう」レベルの時間帯ですらしていたりするから、ユーザー表示数がカウントされていたら、えらいこといきそうな気がする。 年内にほのぼのライフが終わる(第14話の更新があるかないか)のかどうかが気になっているところではあるのだけども。あったら嬉しいけど、はやくても来月土曜日かなーとか思ってる。 今後月1更新だったとして2年半は超えるだろう残り話数かなと、思うので、結末まではやくて3年みたいなところだろうか。 楽しみ! だけど、先が長い! わぁーい!

花言葉

 ふと思い立って「天竺葵」の花言葉を見てたら、黄色が「予期せぬ出会い」で、緋色が「憂鬱」で……と、なんだか全体、物語に通底するような……と思った。 見てた花言葉のページ  ほかにもいくつか。 全般が「真の友情」で、白が「私はあなたの愛を信じない」ということで、純と矢晴の関係で「真の友情」が築けるのか……というと、そもそもBLだから友情は超えるし、なんだか「真の友情」なんて似合わないなあと思うのだけど、矢晴の心情として純の好意やなんやらを「私はあなたの愛を信じない」はふつうに感じてるっぽいなあと思ったりした。 ついでに、赤の花言葉が、そのまま作者さんの推し作家さんの作品タイトルなんだなーと、思ったところで、純が読んでた古印葵の読切のタイトル『春眠の底』もその作家さんの作品タイトルに寄せてあるっぽいんだったなというのを思い出した。

ころころくるくる

 視点によって、感情の振れ幅やら印象やらがころころくるくる変わってしまう。話が進むにつれてくるくるころころ。ねじれて絡まって。 【第12話】時点では、純の言葉や態度に矢晴が辛そう、なんでそんなこと言うのさ純! みたいな気分でいたけれど。 【第13話】を読むと、矢晴の言葉や態度に純が辛そう、なんであんなこと言ったのよ、矢晴〜! みたいな気分になって。 それぞれの主観で語られてて、それぞれから見えている相手の姿、印象ということを考えると、純も矢晴もそれぞれ相手を傷つけて、傷つけられているのだなあと。 矢晴は、うつ病の症状というのか、性質というのかで、なんでもネガティブにとらえてしまう、ネガティブに解釈してしまうことや、記憶の反芻からの恐怖の増幅などもあって、本当の純を見れていないということもあるのだろうけども、純の主観も大概、矢晴を正しく見てはいないような気がしてしまう。 【第13話 後編】の冒頭、振り向いた矢晴のトーンがかかった睨みつけてるような矢晴の顔、は純の主観及びイメージが乗っているのだろうなと思う。トーンのかかっていないおどおどした感じの矢晴が本当の矢晴っぽくて。そう思うと、矢晴も勝手に純のことを怖いと思い込んでいたけれど、純も矢晴に対して勝手なイメージで気後れして足元見ちゃうくらいに萎々としてしまったのだなあと思う。 それにしたって、それは純らしくないからもっとぐいぐい行き給え……という気分にはなってしまう。

切れた縄解釈大会

 どんどんぱふぱふー。というノリは苦手なんだけども。 【第13話 後編】の『私じゃ古印葵を紡げないのは私が一番知ってる』の「純と矢晴のコマにまたがる矢晴のところで切れている縄」についての、みんなの解釈が聞きたーい! ということで、よければこの記事へのコメント欄で語っていってくれると嬉しいなーと思う。 お願いします! 聞かせてください!

紡ぐ

 「紡ぐ」という語にはふたつの意味があり、「綿や繭から繊維を撚り糸にする」のと「言葉をつないで文章をつくる。物語などをつくる」と。 純が矢晴に言った『私じゃ古印葵を紡げないのは私が一番知ってる』の「紡ぐ」は「古印葵の描き出す漫画(物語)をつくること」であろうかなと思う。 いかに純が分析力、再現力に優れていても、自身の心を震わせる「古印葵」の漫画はその手で生み出すことはできないわけで。そもそも、「古印葵の漫画だけは分析しきれない」ということなので、純の手に余る。 懇切丁寧に矢晴のすべてを伝授することができたなら、「古印葵風の漫画」を描けるようにはなるかもしれない。それは望海可純が理想としていて描きたい漫画にはなるだろうなと思う。とはいえ、「古印葵を紡いだ」ことにはならない。 古印葵は、福田矢晴しか紡げない。純は「福田矢晴の紡いだ古印葵の漫画が好き」。 さて、ここで「紡ぐ」の1つめの意味に着目してみる。 「繭から糸にする」。矢晴が自身の変容に関して【第12話】で『その幼虫がなにかになろうとしている』『この家が お前が』『大きな繭だ』と考えている。 この矢晴を守り育み再生を促す「繭」から糸を紡ぐことがあるのだろうか? とかも考えてみるけども、繭から糸を紡ぐためには成虫になる前に煮込むことになるので、変容途中の矢晴の息の根を止めることになり……。むむむ。 繭をつくる蝶もいるけども、やはり糸を取るための繭は蚕で、これは蛾で。 矢晴の蟲はいったいなにになるのだろうか。 繭も蟲も状況や心情の比喩なので、生物学的にどうこうとか考えるのはおかしいのではあるが。 「繭」「紡ぐ」というキーワードは押さえておきたく。また紡いだ糸が縄になるのか布になるのかも気になるところ。

最低限度の一線

 【第1話】で『最低限度の一線を超えてしまったのは』と表現される同居1ヶ月目の出来事。 粗相=尿失禁=排泄の失敗は、人間としての尊厳の最低限度というのが矢晴の認識になるのかと思う。 酒の上での失敗でもあるし、「ちゃんとした人間でありたい」と思っていそうな矢晴にとっては最悪のことなんだろうなと思うのだけども。さらに、純にお風呂に入れてもらって洗われて。自分で始末もできないわけだし。 寝たきりになって人に排泄の世話をしてもらうみたいな状況になったら、毎日死にたくて泣きそうな気がする、矢晴。 ただ、矢晴が飲んだ量ってば、酩酊通り越して昏睡に至っていてもおかしくない量で、目覚めて朝を迎えてるだけでも純にとってはありがたいことで、矢晴が粗相しようがなにしようが、さしたる問題じゃなかったと思う。 生きててよかったよー矢晴ーー。

読み直し(第12話)

 【第13話】を踏まえての読み直し感想もこの【第12話】で終わると思うと、ちょっとさみしい。 【第12話】では【第11話】の続きで笑顔になった矢晴が純とふざけあってたところが少し描かれ、スイッチが切れるが如くにまともでいられる2時間の活動時間がなくなる。コタツで座ったままイチャイチャとふざけあってたのかと思ったら、【第13話 後編】ではあんなにはしゃいで走り回って……元気良すぎてちょっと心配。 矢晴視点では『この家に引っ越し』『2週間3週間と過ぎ』と端折られてしまったほのぼのライフが純視点で補完される。14日目には人間ドックをふたりで受けて、21日目には純に怒られ。蟹の茶碗蒸し食べさせてもらって無理くり風呂に連れて行かれてたのは何日目なんだろう? 酒を探して大きいクローゼットやキャラ看板のある部屋を荒らしまくったのは、21日目より後、純が予約してくれた病院に行くより前なのかなー? お酒欲しくなったのは21日目の出来事が理由かな? 隣に座って寄り添ってくれる純がいいなあ〜『けどさ本当に探してるものの代替品がアルコールなんでしょ?』って言葉が好きだな〜って思うけど、毎度、その後の一言二言が余計なんじゃ、プンスカってなる。 ルーフバルコニー?で日向ぼっこ。21日目のことも考えると、天気のいい日はほぼ毎日ここでおしゃべりしてるのか……? 冬だからそんなふうに外で過ごせるくらいあったかい時間って少ないだろうなと思うと、純、仕事できてる……? と心配になる。 純が矢晴の病気を自分に引き寄せて理解しやすいように自身の体験や考えを話してるのは21日目に矢晴の「相互理解」の話をちゃんと聞いてたからなのかな? と、改めて読んでみると「一般論に落とし込もうとしてる」よりは「相手の状況を考えようとしてる」みたいには見えるなと思う。でも結局矢晴の話は『どれだけ本やネットや人の話を漁ろうが体験しようが知った気になるだけで全知は不可能だ』と、純が勉強してることとかが無駄みたいな話に着地してしまっている気がしてしまう。 純がこの時柵のところで外を見てたのは、こないだうっとりした表情で矢晴の話聞いてたらしょっぱい対応されたからうっとり顔見せないようになのか……? と思ってしまうがどうなんだろうな……。結局のところ、『ヘビを見るのと操るのとじゃ違うんでしょうね』という言葉の真意はよくわからんが...

期待

 矢晴は純に【第4話】で『私はもうなんでもないなんにもない人なんですよ』『だから私になにも期待しないでください』『ファンって言われてももう私からは新作は出てきません』『古印葵は死んだと思ってください』、【第8話】で『私は期待するほどの人間じゃないです』と言っていて、さらに【第10話】の妄想の中の純の顔に『これだけ援助してやってるんだから感謝しろ言うことをきけ反抗するな期待通りにしろ従順でいろ』と書いている。 「期待されたくない」というのは、本心だろうし、期待されるプレッシャーはストレスになって病みを加速させるんだろうなと思うのだけど、反面、「何者かでありたい」「期待に応えられる人間でありたい」という気持ちもありそうかな。 矢晴は自分のことを「期待に応えられないダメ人間」って思ってるんだと思うのだけど。純に『人間らしく振る舞わなくていいですよ!』って言われてるのにー。 純は、過度に期待してないと思うのだけど、矢晴も純もなにかしらの期待は心に持ってるとは思う。どんな些細なことでも期待するのが人間で、その期待すること自体が報酬系へのご褒美だから。 矢晴は、純の家に住むことで病気が治るのを期待してしまっているから、たった4日で「治らないなんて絶望的」とか考えちゃう。 純は、古印葵の復活を期待してるし、それが叶わなくても矢晴が快方に向かって幸せになることを期待している。それが純の「祈り」なんだろうなあと思うのだけど。 その「祈り」という「期待」に対して、「一向に世界が綺麗に見えない、やっぱり私はダメ人間」みたいにほんの数日で矢晴が言い出しそうな気がしてしまう……。だから結果を求めるのが早すぎなんだってば! みたいな展開くるかなー?

狂気

 【第13話】がいまいち乗り切れない、というか、物足りない……、純の真意がわかりにくくて、わからないと思ってしまう理由が、なんとなくわかった気がするついさっき。 【第13話】の純ったら、あまりにも常識人、善人、明るく前向きな感じを押してきていて、【第6話】で見せてくれたみたいな、ねっとりとまとわりつく狂気を欠片も見せてくれないから、祈りの言葉すら本気かどうかもわからないんだわ……、と。 同居3日目の夜のエピソードは好き。純が頭いい感じ見せてくれるし、勉強家だし努力家だし、矢晴のことすごく考えてくれてていい。 同居21日目のエピソードの純の気持ちは、その表情でわかる。このシーンは好き。矢晴の言葉は好きくない。なんで純にそんなひどいこと言うのよ、ううう。 同居4日目のエピソードは、矢晴にぐいぐい行ったわりに矢晴の顔見たら萎々しちゃってて、でもその時の純の顔も思考もわかんないから、どんな気持ちでぐいぐい行って、どんな気持ちで萎々になっちゃったのか知りたい。 第7話の裏側の過去回想部分は好き。 同居6日目の純の思考は、これはこれでよし。純だもんな! って感じがする。 同居1ヶ月目のお風呂シーンの会話は、純がどういう考えで、どういう気持ちで言ってるのかわからないし、言葉自体は素敵なんだけど、その言葉が私にはあまりに空々しく聞こえてしまうので、気持ちが知りたい。純の狂気にまみれて出た言葉なら、いいんだけどなあ。 純が矢晴と明るく楽しく日々を過ごしてる(人間ドックのとことか、褒められたの喜んでぐるんぐるんしてるのとか)のは、とても好き。日常はそんな感じでふわふわニコニコ過ごして欲しい。矢晴も純もかわいいから。 純の内面に渦巻く狂気や思考も見たかったわぁ。

第6話の挿話

 またこの話をする。やっぱりこの挿話の存在理由がよくわからんちんになってはいるのだけども。 純の学生時代。就職がどうのというセリフもあるから、さすがに中卒に“まとも”な就職せっつくなんて非常識だろと思い「大学進学希望なのに、就職を強制されたのを苦に自殺した学友」かなー? と、高校時代なのかな? とか思っていたけども、それにしては、各種行事やクラスメイトのセリフが幼いな、とは思っていて。頂いたコメントで「中学の」と言われて、やっぱりそっちかー! みたいな気分になった。 高校生だったら8年前くらい、中学生だったら11年前くらい。記憶の希薄さからも中学時代っぽいし、いろいろ幼い。 挿話の理由としては、純が身近で「普通に生きていた人がある日突然、いなくなる」という経験をした、「思い悩んでいても身近に心の内を話せるような人が居なければ、助けがなければ、人は自らの手で命を断つ」ということを純は知っている、とかなのかなぁ? とは思う。あと、物語中の「死」の象徴を示すような。 ふつうに必要な挿話なんだろうなと、思うのだけども。 矢晴を膝枕してるシーンと純の決心はとても好きだが、その直前の「知ってるか?」とこっちに飛び出してくるのはキツイなあ……と思いながら読んでいる。 膝枕のシーンの後、狂気にまみれた思考で矢晴を超絶怯えさせる言葉を『これが一番』と差し出している純もかなり好き。 で、【第13話】の回想部分で、翌日、再訪した純が、異常なほどに常識人な思考と言動してるところが、ちょっと違和感を醸し出してしまうな……という気分にはなる。やっぱりあの狂気、徹夜のテンションも手伝ってたよねーとは思うんだけど、常にそんな感じの狂気がまとわりついてると、いいのになと、思っている。

 純と矢晴の恋愛は成就するのか、幸せになれるのか、というと、作品ジャンルから考えれば成就して幸せになれるはずなのだけども、作中、目下すれ違い真っ最中といった感じ。 報われない恋もけっこうな好物ではあるので、すれ違い模様も楽しくはあるのだけども。 純は、古印葵の漫画が大好きで崇拝してて、生身の古印葵(福田矢晴)にも惹かれている。矢晴の知性や見た目(笑顔)も好き。 矢晴は、一緒に暮らし始めた上薗純のいろいろな面を見て、優しさに触れて、惹かれていってる感じ。でも、そうやって純に惹かれていることを曖昧にしたくて逃げ出した。 矢晴は上薗純が好き、だけど、純は古印葵が好き、みたいな感じではあるから、福田矢晴のライバルは古印葵だったりするような。不毛な三角関係ができあがってしまう。 矢晴は純がどれだけ好意を向けてきても「これは古印葵に向けられたもの」と受け取らないだろうなあーーと、思える。そして自分が純を好きだという気持ちは曖昧にしたいから、純から矢晴への好意には気づかないふりをするのか、本気で気づかないのか。 矢晴から純が好きっていうアピールはするのかどうか……。しなさそー。 純から矢晴への好き好きアピールは、矢晴が「それは古印葵宛でしょ?」って感じでシャットアウトしそうだから、純の想いは報われないんだろうなあーと思うと、かわいそうで不憫かわいい。 ただ、純は本気で古印葵宛の好き好きアピールしか矢晴に向けない可能性もあって、それをぶつけられてる福田矢晴がつらそーでと思うと、不憫かわいい。 どっちにしても、ふたりの恋はお互いに通じなさそうな気がする。 曖昧にしたい矢晴の気持ちの本当のところと、粗相してお風呂入ってのあの会話の後の矢晴の気持ちが、知りたいわぁ。まだ前回更新からたった1週間なのに第14話がはよ読みたい……。

しおしおのぱー

 真摯に訴えて振り向かせた矢晴の顔を見て、純がどんどん萎々としていくさまが……情けない。 矢晴はまともに見ないで勝手に膨らませてしまった純の姿に怯えてたり、苛まれたりしているけども、純は、なんで直視した矢晴の姿に萎々としていくのか。自分で顔を見ろと言っておきながら、なぜ、純は視線を床に落とすのか。 前日夜に考えていたことがまったく生かされていない。言葉で訴えて、思った反応が得られなかったからとしょんぼりするなんて。 そこはもう、振り向いた矢晴に、“慈愛”にあふれた笑顔でも見せておく場面だったろうが! と思ってしまう。 とはいえ、180オーバーの大きな男の子が、好きな子前にして萎々としているさまは、はたから眺められたら、とてもかわいいなと思ってしまうが。 このシーン、純が何を思って、矢晴の視線にどんな感情を読み取ってしまったのかも言葉では描かれないから、純が何を考えてるのかもわかんないんだけど、【第13話 後編】は全体的に、純が何を考えてるのかわかりにくい。 純視点の話なのにわかりにくいとはなにごとか……という気分にはなる。なにも考えてないのかもしれない。内側を隠しているのかもしれない。 純の気持ちがわかりやすいのは同居21日目の矢晴の話を聞いて怒るシーンではあるけども、そんな事言われたらそりゃ怒るわ……と思う。ここのシーン、矢晴が何を思ってそんなこと言ったのかが知りたい。 (またここに着地してしまった……囚われ過ぎである……)

歪み

 【第13話】終盤でのふたりでお風呂シーン。【第2話】での『矢晴』『体の外側のことはいくらでも見せてよ』『内側はいくらでも隠せるんだし』の後の会話が見れる。『私の頭の中もお前の頭の中も歪んでる』『歪みって人間がもつ脳内フィルターだろ』。 「隠したい・隠せる内側(頭の中)は歪んでる」ということでいいのかな? 純の言った「内側」って気持ちのことかな? と思ってたから、純は矢晴の気持ちの動きに気づいてるのかな? と思ったけども。そうでもなさげ。 矢晴は「隠したい気持ち」から話をズラして「頭の中」にしたのかな?  ふたりの頭の中は、矢晴は病気もあって歪んでる、純は狂気にまみれて歪んでる。と、私は思うのだけども。矢晴は純のどういうところを歪んでると思ってるんだろうかな? 古印葵が好きなとこ? 矢晴は各個人の話をしたいのに、純は広く人間一般の話にしちゃってる感じはするなあ。 【第2話】のときは意味深に見えて好きなシーンだったんだけども、【第13話】では読みきれなくて、若干の拒絶反応が……という感じで、あまり見たくないシーンになってしまった。純が何を考えてるのかわからなさすぎて、きつい。

漫画

【第13話】が前後編出揃って、先行きの不安しかないな……とか思いながら、【第1話】から読み返そうとしてて、『二年ぶりに漫画を描いた』から始まるので、矢晴ぅうう、よかったよーーー! という気分になっている。 【第13話】を読んだ人の感想を見ると、自分の感想とのあまりの違いに落ち込みそうなんだけども、幸せそうなのならよかったな……と思う。できれば詳細に語って欲しい、聞きたい。 で、本題。 矢晴は『形にならないものに命はかけられない』『だからもう漫画家にはならない』と晴れ晴れしい笑顔(なのが超ムカつく)で、言っているわけだけども。矢晴にとって漫画は「命をかけて形にするもの」なのか「形になるから命をかけてもいいもの」なのか、すごい疑問だな……と思うわけだけども。 一応、矢晴にとっては「漫画家でいることは命がけ」だったということなのかな? 自分の作品を作り上げることに命がけだったというよりは、漫画家でいる・いたために命が脅かされた、という気がするんだけども。作品の出来不出来じゃなく、状況が……というところが、にっちもさっちもな気分にはなる。 矢晴は自分の漫画に『忘れたくないと思ったモノや感情を取り込んで形にしてます』と言っているから、古印葵の漫画は古印葵である福田矢晴にしか描けないものであるわけで。 矢晴が生きてる命のきらめきを昇華して漫画という形にしたのが「古印葵の漫画」であって、それが純の心に響いて、『繰り返し読めば読むほど夢みたいに気持ちいい』わけで。このときの矢晴は漫画を描くのが楽しかっただけだったろうと思うんだけどな。 『吐き出すばかりで形に昇華できない人間になってしまった』のは、確かにその通りなのかもなと思うのだけど、現状、淀んでしまった池の水を攫って出しているだけの状況で「形にしたいもの」を吐き出してはいないよね……? と思う。それ以前に『描きたいものがなくなった』『思いつきそうになると脳から否定の声が聞こえて』『自分の意志もそれに同調するようになった』っていう状態すら脱してないよね……? 矢晴は結果を求めるのが早すぎるうえに、諦めなくていいところで諦めるのが早すぎて、諦めればいいところでしがみつきすぎるーーーー! おばかー!! とジタバタしたくなる。むしろ、危機管理としてB誌で上手く行かなかったらA誌もあるでよってくらいに、両方掴んどけばよかったんじゃー! ば...

自覚

 【第13話 後編】での矢晴の『自覚はあるんです』っていう話ではなくて。(これはまたそのうち考えようと思っている) 純は無自覚で、矢晴は自覚的に、相手を傷つけていくよなあ……、と思っている話。 純は、矢晴を傷つけようとして発言することはなくて。ただ、なんの気なしに、考えなしに口にしたことが矢晴を傷つけたり、矢晴が勝手に傷ついたりしてる。矢晴の妄想の中の純はなかなかひどい人になってて、矢晴にそんな人だと思われちゃってるなんて、辛かろうもん……、とは思う。ただ、純は、矢晴に何言われても、どう思われてても、めげないなと。切り替えが早いからかな? がんばって気にしないようにしてるのかな? 矢晴は比較的、意地悪な気持ちが出た時は自覚的に純を傷つけようとしてるけど、嫌味っぽいこと言われても純自身に関することなら純は特に気にしないっぽい。かな? 矢晴は自分の言葉が相手にどう影響するのかはわかってて言ってる気がするし。ただ矢晴はそういうこと言っちゃった後、自分で自分を責めてそうな感じもする。 同居21日目のうっとりする純に対する矢晴のしょっぱい対応は、純がまともに話聞いてないじゃん! みたいに思ったからだったりするのかなー? どうなのかなー? それにしたって、えげつない……。あんなこと言って、純が喜ぶとでも思ったのかな……? 喜ばそうとは思ってないだろうけど。普段みたいに流されるとでも思ったのかな……? ううう。その時の矢晴の気持ちが知りたいーー!

結果を求めるのが早すぎる

 【第13話 後編】同居21日目の諦観に満ち満ちた矢晴の言い様やら、【第10話】同居4日目の『こんな贅沢な暮らしを送っているのに治らないなんて』『もう絶望的じゃないか』やら、とかく、矢晴は結果を求めるのが早すぎるきらいがある。 こんな人がよくB誌で2年半も結果の出ない時間を過ごせたもんだと驚きもするくらいだけども、純がデビューしてから連載を開始するまでにどれくらいの期間があったかわからないけれど、デビューが矢晴の授賞式(年末)前だったとして、翌年読切を載せて(?)、そこから『そんなに経ってないのに』と矢晴が思っている程度の期間で連載開始で、矢晴はB誌でボツくらい続けてもがいてる最中。 ここんとこ、純のデビュー作が『こないだ読切載せてから』の読切なのか、デビュー作とは別の読切作品なのかがわからないけれども、純はデビューの翌年には連載開始が確定で、矢晴はもがいてて、漫画を読むのが辛くなってきてて。 軽く見積もっても、半年からちょっとくらい……か? A誌の担当さんが良くてぬくぬくしてたのか……? B誌に移ったから早く結果を出さなくちゃ! と焦りがあったんだろうかな、とは思えるけども。 図太いんだか繊細なんだかよくわからんくらいに、結果を求めるのが早すぎて、病みが加速しておる……という気分になる。 でもそんななのに、B誌に2年半もいちゃったのは、「結果を出さなければいけない」という気持ちからなのだろうなあと思うのだけども、それもまた、病みを加速しおる……。 そういう人だからこういうことになっちゃったんだよねえ……と納得はするけども、さすがにやっぱり、純との同居4日目の夜の思考は、結果を求めるのが早すぎてヤバい。純の家に住んでまだ4日、まだまだお客さん気分くらいでこの家に慣れることのほうが先、くらいの時期だろうに、「治らないなんて絶望的」って治るかー! とぶんぶんしたい。 同居21日目だって、純に託けて『吐き出したいことを純に伝えれば』『私は漫画を描かなくて済むんだ』って、「純が話を聞くから古印葵の漫画は今後一切生まれない」みたいなこと言いやがって、これから形になるかならないか、形にしようともしないで、昇華できない人間になったからと諦めて、『命はかけられない』と自分の命を抹殺しようとしているみたいな。『純が聞いてくれればもう充分だよ』『全部お前にやる』なんて、矢晴が古...

読み直し(第11話)

 そういえば、結局【第8話】に関しては、【第13話】で言及なかったな、【前編】の純から見た映像で2カットだけだったか。(いつも感想はどんな文体にしてたっけと前に書いた読み直し感想を読み直してて、言及なかったなーと思ったので) はてさて、【第11話】同居6日目の出来事。 被害妄想に苦しんでたら夕方。 【第13話】では台車で運ばれる矢晴のカットがあるので、朝は台車で運ばれてたんだなと思う。2日目は昼に起きてそこそこ元気に動けてた気がするんだが、朝動けなくて台車で運ばれるようになったのはいつからだろう? 矢晴の妄想では純に馬乗りされて、裸の背中にマジックで「ご高説垂れて」となかなかに厳しい。泣いてる矢晴がかわいい。綿入れ着て、ふかふかベッドに入ってるけども、暑くないかな……? とちょっと心配。綿入れ着てるってことは、ちょっと活動して、そのまま布団に入ったかな? 夕方5時ちょいに純がジョギングから帰還。そのままの格好で矢晴の部屋に来て、猫の空中バトルの写真を見せてるあたり、すごく見せたかったんだろうなと、純がかわいい。楽しそうな純に嫌味言ってる矢晴かわいい。 『なにより漫画を描けないやつが』『上から偉そうに言う資格なんか…ないし…』と泣き出す矢晴がかわいい。こんなに漫画に未練たらたらなのに、この2週間後に『漫画を描かなくて済む』とかもー! いやまあ、未練あるし漫画描きたいけど描けないから描かなくて済む理由つけたいのわからんでもないけどさー! ちがうでしょー! プンスカ! 布団乾燥機かけるからってコタツに移動させる純の手腕が、毎度やっぱり良い。4日目は映画でも見ててって移動させてるけども、あの手この手で矢晴を動かして色々させようとしてる感じが、良い……。がんばってる、純。 コタツに移動した矢晴の前にクロッキー帳置いて、矢晴の後ろを陣取って。3日目の夜に考えてた「団欒とスキンシップ」「気持ちを温度と感触で」を実行してるのねぇと感慨深く。 クロッキー帳に描かれた居酒屋での矢晴がやっぱりかわいい。このページ見せちゃったのはわざとだったかどうかは結局わからんけども。 同居してたった6日で「いつもの奇行」とか言われてる純の奇行の数々が知りたいわ、ほんと。と思いつつ、やっぱりこの思考の共有って、えっちですね……って感想しか浮かばない。 オキシトシン全開みたいな感じで、ほっこり幸せ...

綺麗な世界

 これから先の矢晴に見える綺麗な世界には純が居てほしい。居るだろうけど。 純が古印葵の漫画について『きれいで寂しい世界の中で情動が夏のアスファルトの陽炎みたいに揺れてる』と表現したように、矢晴に見えてた世界は綺麗だったんだろうなと思う。寂しい世界なのは矢晴の本質でもあるのだろうし、読んでる純の本質でもあるんだろうなと思うのだけど。 E・B大賞の授賞式で『――きれいだな忘れたくないなと思ったものをカメラで撮るのが日課で』とスピーチしたように、また写真を撮るのを日課にしてくれるようになると思うし、そのきれいなもの、忘れたくないものには純がたくさん居たらいいなと思う。純との日常を忘れたくないと写真におさめてくれたらいい。記憶にも焼き付けて欲しい。 矢晴が撮った純の写真が見たいわぁ。

おまえがー

 矢晴が逃げ出してお酒飲んじゃったのは、お前が原因なんだから、お前がそんなきれいなこと言ってハッピーハッピーみたいに済まそうとすんなーー! という、純への怒りが湧いてきて、こんちくしょうめ、って気分になっているところ。 純が「大きい家に好きな人集めて暮らすのが夢」って言って矢晴が落ち込んで、純がビデオ通話してるのを180分以上も階段で待った挙げ句に、純がチクチク言葉で悪口言ってるの聞く羽目になりーの、チワワに喩えーのと、逃げ出して、お酒飲んじゃったんじゃないか、矢晴は。 それをお前は他人事のように……。ううう。 そりゃもう、純は矢晴と同じ辛い目に合ってないさ……元凶、純だし。 『こんなところにほったのかい』ってなんだよ? 起こしに来る以前から矢晴が酒飲んだって知ってたみたいな口ぶりに見えるぞ、酒飲むって分かってて矢晴を放置したのか? 実際どうなんだ? 矢晴が逃げ出して外に出ちゃったとき、探しにも行かなかったのか? その時なにしてたんだよーー! 知りたいよー! わざわざ白いバスタオル選びやがって、ちょっと花嫁のベールにも見えちゃうだろー、こんちくしょうめー!  矢晴を幸せにしてあげてよぉぅーー。おおおん。

回復

 純の家に来てからの矢晴は、純の献身的な世話、療養計画によって、ずいぶんと身体は回復したのかな? と思える。 まともに食事してなかったようなガリガリの身体は、まだまだ肉はつかないけども、小食とはいえちゃんと三食用意されて食べてるようで、頬の痩けたところはなくなって、多少なり血色もよくなったんだろうし。 ゴミ屋敷でカビだらけの布団に寝ていた状態から、清潔でふかふかのあたたかいベッドで寝ることができて、たった一晩でかなりの疲れがとれてはしゃげるほどに劇的に効いて。 身体の疲れが余計に妄想をひどくしていたとは思うから、純の家に来てからの妄想はなくなることはないけども、以前と比べて軽いのかもしれないし。ただ、それまではアルコールに溺れることで妄想に苛まれる状況を回避していたのが、純の家に来てから断酒しているおかげで、ダイレクトに苛まれるようにはなってしまったなと思うので、「体調はよくなるけども、精神状態は悪化した」といえるかもしれない。 純の療養計画によって規則正しい生活を送り、純とのふれあいによってホルモン分泌が促され、矢晴自身、生まれ変わるレベルで健康に近くはなってきているなあと思うのだけども。 そしてまた、同居を迫られた際にあれほど怯えた純に対して、依存なり恋なりなんでもいいけども、心を動かされるほどに安心して信頼を寄せられるようになったかなーという具合もかなり、精神的に良い兆候なのかもなあと思う。 純が「祈り」として口にした『世界は変わらないけど』『世界が綺麗に見える時間はこれから増えていくよ』というのは、確かに矢晴の身に、心に「世界が綺麗に見える時」が訪れるのだろうと思う。 けども。なんだか私にはその言葉に良い雰囲気・明るい未来を感じられないのは、「純が矢晴を“これから一人で大丈夫”と突き放したように思えてしまう」からなのだなあと、考えていた。 ここまで懐かせておいて、放逐するなんてそりゃないぜ……みたいな気分。 あと、矢晴が精神やっちゃう前は、世界は綺麗に見えていたはずだから、「これから増える」よりも「取り戻せる」になるのかなーとも思う。できれば「一緒に綺麗な世界を感じよう」とか、「矢晴に見えた綺麗な世界を一緒に見たい」とか、なんか、こう……。まあ、違うか。 ただこれは、私が勝手にそう思ってしまうだけだから、純はこれからも矢晴の世話をして、一緒に暮らして...

窓の外のボトル

 【第12話】で、矢晴が窓の外に捨てたボトルを、【第13話 後編】で純が『こんなところにほったのかい』と拾ってるんだけども。 矢晴を風呂に移動させ、布団は洗うために洗濯室に持っていったんだろう感じの無人の矢晴の部屋が描写されて、窓の外でボトルを拾う純、場面は移ってお風呂。なんだけども、矢晴をお風呂に入れる前にボトル回収、というのがちょっと不思議な感じがしちゃったなあと思ってる。 消臭・換気のために純が窓を開けて下を見たら発見、くらいでいいんじゃ……? みたいに思うのは、一刻もはやく矢晴を洗ってあげてくれ! と思うからなんだけども。 かゆくなるし、かぶれるし、はやくはやく! と。 純がボトル見つけてることによって、「矢晴が酒を飲んだ」事実を純が把握しているということが明確になるわけだけども、矢晴をお風呂に連れて行った→上着を着て外に行き、矢晴の部屋の窓の外のボトルを拾う→矢晴をお風呂で洗う の行程では、矢晴が一人になっちゃう時間があるし、やっぱり一刻もはやく洗ってあげてー! と思ってしまうし。 矢晴が服を脱ぐのを見ないであげる、みたいな気遣いの時間だったとしても、洗面所で待てばよかろうもん……と思ってしまう。お風呂場で矢晴に服を脱がせて、純はさくさくお洗濯してでいいじゃん! はよ、洗って! いやもう……かゆ…、かゆい……。 純は矢晴が酒を飲んでも責めるなんてことはしやしないけど、矢晴が酒を求めた理由は考えたりしてくれるのだろうか。同居開始時点では、単純に「酒が飲みたい、アルコールを摂取したい」だけで料理酒、みりん、マウスウォッシュに手を出すほどだったけど、同居3週間が過ぎ、同居1ヶ月目では、矢晴のなかに理由があると思うのよね。矢晴がそれを純に話すことが出来るのか、純が考えてくれるのか、そこらへんも気になるなー。

じょうほうげんかんさ

 って、結局なんなんだろうかな? 「感作」「減感作」はアレルギー関係の用語になるらしいのだけど。 学習と記憶のメカニズム(PDF) 記憶 上のリンク先では「感作」「脱感作」という語はでてくる。でも、矢晴の言ったそのものズバリの語では、検索しても出てこない。 矢晴たちの世界には有る言葉なのかもしれないし、矢晴が純を試す・騙すために作り上げた語なのかもしれない。 私は、「本の受け売りでしか話さない純にイラッときた矢晴が、純の知らない語を言うことで純の反応を見ていた」みたいに思ってたりするけども、真相はいかに。 純は、かなり勉強してきててえらいなあと思うし、矢晴と同レベルとまではいかずともついていけるくらい知識と考えを深めたいんだろうなあと思うんだけども、「本で読んだ」って並べ立てて『突然のうんちくマンになってしまった』ってのがえらいことかわいい。 本に書いてあることを題材にする感じで、矢晴と議論や意見交換できるようになったら、矢晴の考え方とかよりよく知れるようになると思うんだけども、いまんとこ矢晴の話をうっとり聞くことしかできてない。【第11話】で絵を描きながらいろいろ話してたみたいにできるようになるといいと思うんだけどなあ。がんばれ、純。

相互理解

 同居21日目に、矢晴が純に話していた「相互理解について」。話の全容は見えないので、こじつけにも程がある、というような話になってしまうのだけど。 【第1話】最終ページ、粗相をして、純にベッドから落とされ、布団をかぶって泣いている矢晴に純がかけた『そんなことないって! 叱らないよぉ 当たり前だろ?』『だって』『私は矢晴と同じ辛い目に合ってないんだから……』と、初見から、「優しい言葉だけど、矢晴にはけっこうきつい言葉なのでは……?」と思っていたわけだけど。 その前日、矢晴は純へのなんらかの気持ちに気づき、自身が知らないなにかになることに怯えて、逃げ出して、酒を飲んだわけで。 この日、飲んでしまったアルコールの影響で、動けず、朝に起こしに来た純を『昼まで寝かせて』と追い返し、数時間ベッドで過ごし、動けずに粗相した。昼に起こしに来た純が、匂いに気づいて布団を剥いで、粗相していることを確認して『一緒に風呂に入ろう』と言って、さらに泣いている(のだと思うが、うめいているのかもしれない)矢晴に先に示した言葉をかけているわけだけども。 素直に解釈すれば、「矢晴が以前に話してくれた「相手の環境を想像する」ことをして、かけた言葉」になるのかなー? と考えてみた。 ただ、矢晴の「逃げ出した理由」「酒を飲んだ理由」までには思い至らない(思いもよらない)感じがすごくして。やっぱり純はわかってないかなーと、思う。 「なんで飲んだの?」なんて理由を聞くこともしないだろうなと思うし。聞かれたところで矢晴は答えられない気がするし。 じれったいな! もう! みたいな気分になってきた。

好きすぎてパート2

 【売れうつ】が好きすぎて。純と矢晴が好きすぎて。 好きすぎて、憎悪が湧いてきた…………と思い至って、大笑いした昨晩。 純が矢晴のこと「可愛さ余って……」とかになったりしないか心配したこともあったけど、自分がそうなってるわははは。 純がかわいいけど、突然の善人ムーブから矢晴に負けてシオシオになってるところの不甲斐なさに腹が立ち。矢晴を傷つけた一言二言に対してはなんとも思ってなさそうで、明後日な反省をしてるっぽいのに腹が立ち。矢晴の気持ちに気づいているのかいないのかわからないけども、あまりにも楽天的なところに腹が立ち。 矢晴がかわいいけど、古印葵のガチファンの純に対して『漫画を描かなくて済む』だの『全部お前にやる』だのいやらしい笑顔で言ってきたのに腹が立ち。 と、まとめてみたら、量が違ったことに驚いてしまった。なんかふたりともにそれぞれいくつもあったような気がしてたのに。 矢晴が純を侮ってる感じがするのは、いいのよ。感覚的に自分の下に見れてれば恐怖感はなくなるから。そりゃもう、理想は「振り向いた先に優しい笑顔の純がいて、この人は私を守ってくれる、と信頼して身を委ねる」だったけども、そうはならずに(私は「純ザマァ」とか思ったりしてるけど)。もとより年下なこととかにつけこんで酒をねだるようなズルいところもある人だし。ただ、それで「古印葵を蔑ろにして」古印葵ファンの純を傷つける、というのは許しがたく……。純がちゃんと本質突いて怒ってくれたのはよかった。 そして、書き出してみたら、ちょっと落ち着いた、気がする。 純も矢晴もかわいいから、幸せになって欲しいんだけど、現状、どう見ても、古印葵と矢晴と純の不毛な三角関係な図しか思い浮かばず。 ちゃんと幸せになれますように、と祈るしかできない。

ヒモ

 【第11話】の純が矢晴の地雷踏んだとこ。 『純さんって私を働かせるつもりもないのに住まわせてるんですか?』『え!?古印先生アシしてくれるんですか!?』『そういうわけではないですが』『これじゃ私ただのヒモじゃないですか』の会話の流れで。 純がにこやかに『矢晴さんはヒモの才能がありますよ』『他人にほっとけないと思わせる人間ってそんなにいないですから』と言ってしまったところ。 矢晴の目の色が変わり『他人に愛される弱者しか救われないって話ですか?』と話し出し、蜘蛛を潰すように手のひらで押さえる。 その言葉、矢晴の話に対し、矢晴の背後の純は何かを考え、思いついたような表情をして、『それが矢晴さんの漫画の才能ですよ』と話し出す。 このシーンが、【第13話 後編】で『質問に答えられなくて誤魔化してしまった』と語られる。 話を逸らすように『それが矢晴さんの漫画の才能ですよ』と純が話したのは、「矢晴の質問に答えられなかった誤魔化しだった」ということなのだけども、それ以前に、『矢晴さんはヒモの才能がありますよ』と言ってしまったことに対して、なにか、なにかないのか、純! と襟首つかんでぶんぶんしたい。 せっかくいい雰囲気だったのに、お前の不用意な一言、二言で矢晴がこんなんなっちゃってんだぞ! と。 『質問に答えられなくて誤魔化してしまった』『もっと色んな事を考えて答えられるようになりたい』じゃねーんだよーーー!! という気分になっているわけだが、どうしてくれよう。 ただまあ、話逸らしてどうにかなったし、矢晴は笑顔を見せてくれるようになったし、キャーキャー走り回って遊べてたみたいだから、いいのか。いいのか……? オキシトシン効果、やべえな…………。

なかなかどうして

 【第13話 後編】ラストの『祈りは矢晴の言う歪みから生まれるけど』『なかなかどうして良いものじゃないか』と言う純の笑顔が素敵なんだけど、素敵なんだけどなーー、とその純を矢晴がどんなふうに見ているのか、のほうが気になってしまう。 【第2話】では、こんな会話までは描写されていなかったから、あのシーンではこんな会話をしていたのか、と興味深くもあり、【第12話】で逃げ出してお酒飲んで、粗相した矢晴の現在の気持ちはいったいどんなだ、と気になり。 ここの会話からだと、純は『創作者のフィルターを通って濾過されたものが作品のこだわりとして表れる』『私は矢晴のフィルターが好きだよ』と言っているのが、「福田矢晴のフィルターである古印葵が好き」にも聞こえて「矢晴自身は?」みたいに思えたりする。でもたぶん、純は「フィルター含めて矢晴自身が好き」と言っているのかもしれない。 純は矢晴に『世界は変わらないけど』『世界が綺麗に見える時間はこれから増えていくよ』と「祈り」を捧げているわけだけど、それを矢晴はどう受け取るのかな? と気になる。 私個人は、その言葉があまりにも楽天的すぎて、若干の拒絶反応が起きている。素敵な言葉だと思ってるけどね。 『スリップは回復の段階であることだよ』というのが矢晴への慰めの言葉でなく、純自身が「矢晴が回復しているから、スリップした」と思っているなら、それはあまりにも、矢晴を見てくれてないな……と絶望しそうな気がしている。 たぶん、純の「祈り」のとおりに、だんだんと矢晴に見える世界は鮮明になっていくんだろうなと思うんだけど、世界が綺麗に見えるようになってきたから漫画に向き合い始めるのか、漫画を描けるようになったから世界が綺麗に見え始めるのか……と、またぐるぐるしてるわけだけど。 矢晴がなんの憂いもなく純と幸せになって欲しいんだけども、なかなかどうして。

矢晴の話の

 矢晴の話は長いし、長く話すことで「吐き出せている」らしいんだけども、心の中、思っていることは、全然話してないんだよなあーと。 この時点(同居1ヶ月)までで、矢晴が長く話したのは 同居4日目:記憶の変形について/自身の病症について 同居5日目:絵や文など理解の方法について 同居6日目:弱者の救済について 同居21日目:相互理解について 同居2〓日目:病気について と、 同居前、初対面の日、居酒屋:映画の話/ペンネームの話 というところで。解説、知識や理論系統の話ばかりかな。矢晴が純が憧れるほど博識なのはわかる。本の受け売りじゃなく、自身のものにしているのもわかる。それを他人にわかりやすく言葉にできるのもわかる。 けれども、自身の内面についての話「忘れたくないと思ったモノや感情」に絡む話はシラフでは一切してない気がするわけで。 純に『全部お前にやる』とか言う割に、古印葵を形作るものを一切出してないという、この矛盾……みたいに思った。 実際のところ、自分の記憶が正しいかどうかもあやふやで、感情も表現しにくいと思う。変に話して記憶が固定化するのもきついしなぁ。 知識や理論、言葉を駆使して、持論を展開するのも「古印葵を構成する一部」ではあるけど、「福田矢晴/古印葵の本質」じゃないしなー。でも、純は、古印葵の本質を「暴きたい」とは思ってなさそうで、「瓶の中身が出てくるのを待ってる」と思う。 【第2話】【第13話 後編】の『体の外側のことはいくらでも見せてよ』『内側はいくらでも隠せるんだし』と矢晴に言っているのは、そういうことも含めてなのかなー? とぼんやり考えていたりする。 この時点での「矢晴の内側」……純はわかってるのか? わかってなさそーに思うんだけどなあ……。純視点で【第12話】の矢晴が逃げ出した裏側の純が見たかった……そしたら、わかってるかわかってないかわかるのに。

矢晴の話は長い

 矢晴、むっちゃしゃべるじゃん! って思ってて、『古印葵 福田矢晴は』『思っていたより饒舌だ』って純も思ってて。 とにかくまあ、矢晴の話は、長い。よく喋る、というより、長く話す。わかりやすく話せるけど、中身はけっこう難しい。 矢晴の話しぶりが、まったく「会話・対話」を求めてないんよね。矢晴の話は反応しづらくて、純は『質問に答えられなくて誤魔化してしまった』とか『もっと色んな事を考えて答えられるようになりたい』とか思ってるけども、矢晴はそこらへんいらなさそうな、自己完結型。 それが『吐き出すばかりで形に昇華できない人間になってしまった』ってことなのかな、とも思えるけども。 純がそうやって長く話す矢晴に尊敬やらなんやら憧れる気持ちでうっとり聞いてくれるからいいんだけども。よくないが。 矢晴が純とちゃんとコミュニケーションとるってか、対話する、議論する、会話でお互いを高め合う、みたいになれたら、いいんだろうなあーと思ってて。 今のところ、漫画で表現してた溢れる言葉たちとか思想を、純に向かって話し続ける、話を聞いてもらうってことで代替してる。だから、矢晴が漫画を描けるようになったら、ここまで饒舌に一方的にはしゃべらなくなるんだろうな、と思える。 ちゃんと会話できるようになるんかなー、矢晴。 私は対話相手がいないから、あれやこれやと努めて多角的に見ようとしながらドツボに嵌りつつ、語り続けている。(突然の自分語り)

切れた縄

 【第13話 後編】『私じゃ古印葵を紡げないのは私が一番知ってる』という純の言葉と、怒りや悔しさをにじませたような純の表情、純に気圧されてる感じの矢晴のふたりのコマに流れ垂れる縄。が矢晴のところで千切れている。 この物語の心象やら表象やらとして、ちょいちょい縄が出るけども。その「縄」が象徴しているものはいつも「死」だったかと思う。 矢晴が『漫画を描かなくて済む』『だからもう漫画家にならない』と「古印葵の死」を宣言したような場面。それも、ついこの間『まだ古印葵は死んでない』と確認できたのに生きたまま棺桶に詰めて、埋めてしまうような。 純はその矢晴の言葉に対して、『固い瓶のフタは急に開く!』『フタが開かない時に未来のことを決めるな!』『瓶の中身が漫画にならなくてもいい別のものでもいい』『けど開かないからって理由で瓶を放り投げるな!』と怒る。 それを受けて、「死を象徴する縄が千切れている」のは、純が「矢晴が古印葵を殺すのを阻止できた」「矢晴の中の古印葵の死を防げた」ということなのだろうか。ここがその時だったのか。 この21日目以降から同居1ヶ月まで(矢晴視点を含む)のエピソードではまだ、「古印葵がどうなったのか、どうなっていくのか」は描かれていない。1年後には「古印葵として漫画を描き上げている」ので、どこかで矢晴が漫画と向き合い始め、古印葵とともに生きていくことにする決心などが描かれるはずなのだけど、そのきっかけが、ここなのかな? と。 『私じゃ古印葵を紡げないのは私が一番知ってる』という純の言葉は、古印葵への敗北宣言と、唯一無二の古印葵を讃える言葉だなあと、しみじみ思う。好き。

純の顔

 努めて、幸せを見出そうと、【第13話】を読み返してはいるのだけども、冒頭で振り向いた矢晴が見た純の顔がどんななのか、というのが気になる。気になりすぎて困る。 「矢晴の見た純の顔」となると、純視点では見れないわけだけども。純視点で描かれても、矢晴の認識とは異なるし。でも、その時の純が認識している純の顔すら描かれないので、さらに気になる。 矢晴が振り向いた時の純の反応から察するしかないのだけど。 純の見た矢晴の表情は、暗く冷たい印象。なにかしらの感情はなくて、瞳もハイライトはなく黒い。こういう黒い目は、漫画表現からいくと、「何も見てない」というのがセオリーではあるかな? と思うのだけど。 純の身長が高いから、純を見るためには上を見る形だけども、矢晴は顔を上げて見ているわけじゃないから、目だけを動かしてて、それが「睨みつける」ような形。 黒い瞳で睨みつけ、トーンがかかるから、余計に冷たく、暗く、強く、見える。 矢晴の『怒ってますか……?』というのが、純の表情を見た矢晴の純への印象を確認する言葉、とすると、【前編】の『こっちを……』『私の顔を見て確かめてください』『あなたが背中で見ている不安は存在しないことを』という真剣な純の表情は、矢晴には「怒っている」と認識されたと純は解釈して。 【後編】の『いいえ!』『怒ってません しんぱ……』『……… ………』『……動揺しただけです』と、矢晴に自身が「怒っていない」ということを伝える。にしても、「心配」という言葉が言えなくて、床を見るほどうなだれて、力なく下ろした手とか、ずいぶんとしょんぼりしている感じがする。間に挟まれるトーンのかかった矢晴の睨みつけるような目と合わせてのこの一連の印象では、「矢晴は純が期待したような反応を一切見せなかったので、純は落ち込んだ」「矢晴は目線ひとつで純を支配した」ように思える。 「支配した」方面の解釈はここずっと私が囚われている解釈なので、ここでは脇に置いておく。(ちなみに、ファンを逸脱して対等になろうとしてるんなら、そこは押し切れ! と、ふがいない純に怒っている側面もある) 「矢晴は純が期待したような反応を一切見せなかったので、純は落ち込んだ」という状態であったと考えると、【第6話】を思い出すわけだけども。『気持ちを伝えれば伝わるはずだ』『なにを言えば一番安心する?』と考えて差し出した一番...

純に

 夢を見過ぎなのかもしれない……。と、思い始める。 純ったら頭いいし諸々スペック高すぎだし、くらいなのに、古印葵相手にしてる時のあのポンコツ具合はなんなんだ……? あまりにポンコツすぎて矢晴を任せておけない……。みたいに思ってしまうときがある。 大好きな古印葵を前にして、知能指数下がりまくりとか、かわいいんだけどね! 私の心の中で、ものすごい鬩ぎ合いが起こってしまっていて、どうにも折り合いがつかない感じがしてしまっているのだけども。 【第13話 前編】の終盤で、純はいったいどんな魔法で矢晴の心から純への恐怖心や不安を払拭したのだろうとワクワクしたけど。そううまくいくもんでもなかろうとは思ってたけど。 【第13話 後編】で、振り向いた矢晴の目にどんな純が見えているのか、純はその目に何を見たのか。純がむちゃくちゃうなだれて床を見て、座り直す。そんな弱々な子に、大事な矢晴は任せておけん! みたいに思っちゃうんだよ。 なんなんだろう、この感情は。

1ページめの矢晴の目

 【第13話 後編】は表紙なしの本文始まり。ついでに右ページ始まりだったので、まんま、【第13話 前編】にくっつく。 【前編】の最終ページの矢晴の目は、焦点の合わない感じでかなり虚ろに見えるんだけども、ページめくって【後編】の矢晴の目は、ものすごい威圧してくる感じで鋭い。トーンがまた強さを増幅させてると思う。 ここにどんな感情がのってるのかはわからないんだけども、純への信頼だとか、純の表情を見ての安堵だとかは、存在してないと思えてるんだけど、真相はいかに? みたいな気分。 この目、むっちゃ好き。かっこいい。強い……。と、私はうっとりしてしまうのは、その目を向けられた当事者ではないからで。矢晴、かっこいい。 その目を向けられた純は、かなり焦っている感じ。矢晴に『怒ってますか……?』って聞かれて『いいえ!』『怒ってません しんぱ……』と「心配」という言葉を言いかけたところでまた、強い目が描写されて言葉を言えなくて『……動揺しただけです』と床を見てしまう純の視線の動きと、視界に入る純の手とか、さっきまでの勢いどっかいっちゃった感じで。 矢晴の目の無感情な感じに無力感でも感じたのかも? とかも考えてみるけども。あと、「うつの人に心配って言っちゃダメ」と思って言葉を言い換えただけだったとしたら、床を見るほどうなだれはしないと思うし。 私には「純が矢晴を庇護する」という状態から「矢晴が純を支配した」状態に移行したように見えてる。矢晴は感覚的に「純は自分に危害を加えることはない・恐怖の対象ではない」というのを把握したけど、それが矢晴の脳に正しく認識されてるかどうかは、はて……みたいな状態ではないかなー? と考える。純が期待したようには矢晴は認識してないなと。 【前編】で矢晴に訴えてた純は「古印葵のファンを逸脱しちゃったなあ」と思えてたのだけど、【後編】で矢晴に睨まれて「古印葵のファンに戻った」かな。

飲酒

 矢晴が断酒始めてから、1ヶ月でスリップしたけども。 そのちょっと前にも酒を探して家捜ししてて。この家捜ししてたのは、同居21日目より後だとは思うから、調子こいて純に怒られたから酒に逃げようとしたのか……? とか思ったりする。 同居21日目の出来事で、純と矢晴のパワーバランスとか、いろいろ、ちょっと変わったんじゃないかな? みたいな気がする。 この酒を探して家捜ししてて、というのが、矢晴の通院の前なのか後なのかも気になるけど。純がとった矢晴の病院の予約は同居3日目から3週間後がぴったりその日、ということであれば、同居24日目、になるかな? 同居21日目に純に『全部お前にやる』と言って怒られて。 同居22日目、23日目のどちらかで酒を探して家捜ししたけど見つからなくて。純に病気の話をして、食事中に純の夢を聞いて自分の価値が下がった気がして。 同居24日目に病院行って、医者に断酒が続いてることを褒められて。 くらいの。 そっから1週間いかないくらいで、スリップしている。 同居21日目の出来事って、なんかむっちゃ重要な感じね。これを踏まえると、家捜ししてた矢晴に純が言った『けどさ本当に探してるものの代替品がアルコールなんでしょ?』がぐぐっと迫ってくる気がする、けど、その後の一言二言が余計なんじゃプンスカって気分は変わらんな……。

祈り

 純がなんだか明るい未来を予見するような、『世界は変わらないけど』『世界が綺麗に見える時間はこれから増えていくよ』という「祈り」の言葉を矢晴にかけてくれるんだけども、矢晴がそれを“今の段階で”素直に受け取れるとは思えなくて、次の話がとても気になる。 そもそも『この世に納得いかない』って言ってた奴の言葉だしなあ……。でも、純にとっては、矢晴を惨状から救い出せたことですでに世界が薔薇色なのかもしれない。 『スリップは回復の段階であることだよ』という言葉も、矢晴の状況を考えると、回復段階とは思えず。 矢晴が飲酒に走った原因が純への気持ちだし。 純がそれをわかっていて「祈り」を口にしているのかどうかは、まだわからないけれど、わかってなさそう……かな?

誤魔化した

 【第13話 後編】の、同居6日目の出来事。矢晴が言った『他人に愛される弱者しか救われないって話ですか?』に純が『質問に答えられなくて誤魔化してしまった』と考えているところ。 これ、純からも矢晴の表情が見えないからの行き違いみたいのもあるなあと、思うんだけども。 むしろ、純はその発言を引き出してしまった『矢晴さんはヒモの才能がありますよ』『他人にほっとけないと思わせる人間ってそんなにいないですから』というちょっと考えなしな自分の発言を反省したほうがいい。 ただ、ここのセリフすら矢晴フィルターで歪んでいるのだとしたら、どうにもならないけども。 あのシーンの純、やっぱり誤魔化してたのか! と答え合わせができたのは嬉しい。ちゃんと読めてた。 純は『質問に答えられなくて誤魔化してしまった』と自分の無知やらなんやらの方面で反省してる感じがするんだけど、あの矢晴の質問は、どう答えても正解がない気がする。純が答える前に矢晴が解説しちゃってるから、答えようもないし。 矢晴の話は難しくて、反応しづらいんよ。 ここのシーンで純が『古印葵みたいに絵が上手くなりたい』『もっと色んな事を考えて答えられるようになりたい』って考えてるところが、健気でかわいいわあ。

進化?

 【第13話 後編】で、振り向いて起き上がって座って話しだした矢晴を見て、純が「泣き虫アメーバのような謎の生物から進化して“人間”になった」みたいに考えてるところが、おまえは矢晴をそんな風に思ってんのか! とかわいく思える。 泣き虫アメーバみたいな謎の生物は、矢晴の病状がマイナス100な感じかなー。会話が出来るのが人間で。人間なときはマイナス20くらいと、前日夜に分析してた感じのとこかなー? どうなんだろ。 純は右下を見て、矢晴の状態をわかるようになるために読んだたくさんの本を思い出して話し出して。でもそれが完全に本の受け売りだもんだから、矢晴にものごっそ侮られてる感じがするんだけども……。『突然のうんちくマンになってしまった』って純はかわいいけどなー。 私にはそう見えないだけで、ここ、信頼関係、構築できてた……?

読み直し(第10話)

\祝/300記事目! キリのいい数字だし、どうしようかなあと思ってたけど、【第10話】以降の読み直し感想を後編待ちしてたんだったと思い出したので。 【第10話】はカラー表紙の純が怖いんよねーと思いつつ。白黒で見てると普通に、かっこいい……って惚れ惚れしちゃう。舌の光り方がかなり好き。 転居(同居)2日目は、前日の夜ってか未明に睡眠薬を多めに飲んでの昼起床。『スーパーフカフカベッドすげえ!』って喜んでる矢晴がかわいい。 純に財布を預けて、自分から断酒を決めたんだなあと思ってたけど、転居1日目から酒はダメみたいなことだったから、同居に際して断酒の約束はあったのかなー? と思うんだけど、「同居に際して断酒を約束させられた」「2日目に矢晴自ら断酒の意志を持って純に財布を預けた」みたいなところなのかな? とも考える。 ここのシーン、矢晴の前に茶碗ひとつとカップ、純の前に皿がいくつかと大きめのグラスっていう、食事量の差がたまらんな……みたいなことを初見から思ってるけど、「矢晴は小食」という情報を得た今、また、たまらんな……と思っていたりする。 キッチン漁って料理酒やみりん飲んでる矢晴がアル中でかわいい。お昼ごはんのときに酢酸摂取してたら、こんなことしなかったかもしれないとか思ったりもするけど。ここの制止する純の言葉が優しくて好きなんだ。純視点でも見たかったなあ、とちょっと思う。 ロボット掃除機の暴走と捨てたゴミが手に帰ってくる恐怖体験がかわいくて好き。ここらの後で、純が矢晴の次の通院予定聞いてるのかな? 毎度思うんだけども、リビング部分のクッション並んでるソファーと、L字のソファーの謎。これ、作画時にバラバラになってるけど、置かれてる場所、どっちもテレビの前のガラステーブルの前になるんだよね……? 単純に素材の都合でまちまちになってるのかなー? 矢晴がロボット掃除機に追いかけられて逃げ込んだソファーはクッションあるやつ、純に通院予定を聞かれてる時に寝てるのはL字ソファーで。でも、L字ソファーの純が立ってる側はほぼ0距離でダイニングテーブルあったり通路分あいてたり……とこっちもまちまちになってるから、純の家の家具配置にひどく混乱していたりする……。下描きだからそこまで見ないでよろしい、と自分に言い聞かせてはいるけども、気になる性分で。 純と話した後に部屋に戻って『この日は捨てた』...

パワーバランス

 なんてものは考えないでいられると、いいんだけどなあ、とは思う。 同居4日目までは、矢晴が純に得体のしれない恐怖を感じていたから、矢晴自身が恐ろしく小さい感じで、純に支配されてるみたいに思ってたと思うんだけども。 同居4日目の純視点、矢晴に真摯に訴えかけて、振り向かせることには成功したけど、方向が違っちゃったな、と思えて。 「恐怖を感じるような存在じゃない」ということを矢晴に認識してもらえたのはいいことではあるんだけども、なんというか、一気にパワーバランスが逆転してしまった感じがする。 いやぁ……、矢晴は強い人なんだけども。そこまでつけこむことなくない? みたいな気分になっておる。 純視点なのに、あれ? やっぱり純ってポンコツだった? みたいにもなっておる。 純の善人ムーブで、矢晴が矢晴としてふつう(不信感とか猜疑心はばりばりある)の状態で「純の真心受け取らないなんてひどい」みたいに思われたら嫌だなあって思ってたけど、矢晴ががっつり純を試してる感じがするし、侮ってる感じがするし、つけこんでんなあ! って思える感じだから、これは矢晴がひどいぞ、と思っているところ。だからといって「矢晴は人でなし」とかいう方向には思ってない。 4日目は純の言葉を封じてた(のか、純がつい退いてしまったのかわかんない)けど、21日目は純が怒れてるし、徐々にいい感じに均衡取れるんじゃないかなー? とは思える。そこらへんのシーソーがこれからかなあ。波乱万丈そうな気配はするんだけど。 『全部お前にやる』とか言ってたのが、1年後は漫画描いてるんだもんなあ……。「1年後の漫画描いて純に読ませたところ」は既知だけど、そこに至るまでのこれからの道中は全くの未知だから、どんな紆余曲折があるのか、ワクワクする。

クレショフ効果

 同居6日目から14日目の間のどこかで、純が布団の中でタブレットを使って調べてる言葉。 今のところ、この用語に対応するシーンはないような気がするから、これからかな? という気がするのだけども。 もしかしたら、純が笑顔で語った「祈り」のシーンが矢晴には「明るい未来を予見する」ようには見えてないってことかもなあーとか、考えてみたりする。 どうなんだろ。

乖離しすぎてて不安になってきた

 【第13話・後編】で、どうも他の方々と自分の感想が乖離しすぎてて、かなり不安になってきた……。 え、あれ……? え……、そうなん……? みたいな。他の人と同じになりたいわけじゃないけども。 今回の話、矢晴がむっちゃえげつない〜〜! みたいに思ったんだけどな……。 矢晴にむっちゃ睨まれてシオシオってなってる感じの純とかさ。なんか、それ見てからの矢晴の話しぶりが、なんかこう……、えげつな……って思ってるわけで。 純視点だから、純が矢晴をかなり上に見てるのが反映されてるのかもしれないけども。 同居21日目の矢晴のしょっぱい感じも。矢晴が自棄になってるよなって思うんだけども、それをそんなふうに純に言う? 古印葵の大ファンの純に、古印葵が古印葵を殺すみたいなこと、言う? ねえねえ! みたいに思うわけで。表情もいやらしいのあいまって。そりゃ純怒るわ、声荒げるわーってすごい納得してて。 1日目の夜に純から『あなたの世界が好き けど描けとは言いません』『幸せになってほしい』って言われたの、忘却の彼方かなぁ。矢晴の意志で「描かない・描きたくない」は純は受け入れるけど、純に託けて「描かなくて済む」「全部お前にやる」とか、矢晴の言い様が非道い、そんなの受け入れられるわけがない。 それにしても、純の表現は独特だな。「瓶のフタ」の一連聞いてたら、なんとなく「ヘビ」もわかるような気になってきた。わかんないけど。 純の迫力に気圧されてる矢晴の、千切れてる縄は結局、なんなんだろうかな……。古印葵がぶっちぎった古印葵なのかな……?

純と矢晴の同居生活1ヶ月の歩み

同居1日目(引越し当日):   【第8話】矢晴が引っ越してきたことに喜び、飛び跳ねる純。   【第13話・前編】小食だからと食事を残そうとする矢晴。ポン酢やドレッシングを所望。矢晴がご飯にポン酢を並々注いで食べるのを見て驚く純。   【第9話】家の説明。入浴。ペアパジャマ。恍惚とする純。肩を抱かれ怯える。   【第13話・前編】緊張を解くために褒める。肩を抱いたら逃げられて『あれれ???』   【第9話】手法の再現の話。『そんなことひとつもできない』。睡眠薬を多めに飲む。 同居2日目:   【第10話】昼に目覚める。体の疲れはとれている。純に財布を預ける。料理酒、みりんを飲む。この日は捨てた。   【第13話・前編】矢晴に通院の予定を聞く。薬の入手経路を知る。 同居3日目:   【第10話】酒を探して2階も見る。この日も捨てた。   【第13話・前編】矢晴の通院予約(3週間後)をとる。夜、仕事部屋で矢晴の療養のための勉強。「日光浴=セロトニン」「スキンシップ=オキシトシン」等。 同居4日目:   【第10話】マウスウォッシュを飲む。   【第13話・前編】矢晴の認識している純を聞く。背中で見ている不安はないと顔を見て確かめてくれと訴える。   【第13話・後編】振り向いた矢晴と話をする。本の受け売り。   【第10話】映画でも見てと言われてリビングで寝る。自室に戻る。夜の隅から魍魎のように湧いてでる妄想に苛まれる。 同居5日目:   【第10話】純の描いたネームを読む。アドバイスする。『まだ古印葵は死んでない』   【第13話・後編】(ネームを見てもらっている1コマ) 同居6日目:   【第11話】妄想に苦しんでいたら夕方。純と思考の共有、間接的に絵を描く。蜘蛛。『他人に愛される弱者しか救われないって話ですか?』。敬語を外す。笑顔になる。   【第13話・後編】(矢晴を台車で運ぶ1コマ、思考の共有の1コマ)矢晴の言葉に答えられずに誤魔化した。笑顔の矢晴と走り回って、じゃれ合う。   【第12話】純とじゃれ合う。時間切れ。『今夜も過去の記憶に蝕まれ一晩泣いて耐えた』 同居7日目(1週間目):   【第1話】ベッドで歯磨きされて、台車で運ばれる。温室で朝ごはん。   【第12話】(ベッドで歯磨きされる1コマ、台車で運ばれる1コマ)、床に落ちてる。 同居〓日目:   【第...

古印葵を紡げない

 【第13話・後編】のなかで、一番好きな言葉かな。 『私じゃ古印葵を紡げないことは私が一番知ってる』 純の真剣な、怒りをもたたえた表情も好き。 矢晴の『全部お前にやる』って言葉は、純が「分析できたものは手法を再現できる」から、自分が吐き出したものを純が漫画にするだろう、みたいなところからの自棄みたいな感じかなー。純は「古印葵が粗雑に扱われること」に人一倍敏感だから、「いくら古印葵本人でも、私の好きな古印葵を雑に扱うのは許さない」みたいな感じかな、どうも言葉にするのは難しいから、ちょっと違う感じだけども。 純は矢晴が「漫画を描きたくない」っていう気持ちは尊重してる感じがあるんだけど。このシーンの矢晴は、純が矢晴の話をうっとり聞いてるところに対して、えらいことしょっぱい反応で、『漫画を描かなくて済む』『形にならないものに命はかけられない』『だからもう漫画家にはならない』『全部お前にやる』という言い方も表情も、どうにも「古印葵という漫画家」も「上薗純という人」も侮辱してるみたいな雰囲気が出てて。 そりゃー、純は怒るよな……という気分になる。 『全部お前にやる』って言われたところで、純には『古印葵を紡げない』。 この、「紡げない」って言葉のチョイスがむっちゃ好き。純が古印葵の漫画をどう思ってるのか、どれだけ大事なのか。そして、純がどれだけ努力しても、古印葵にはなれないんだという悔しさとかあるかな。 ここの純の顔と、矢晴の顔と、矢晴のところで切れてる縄は、紡がれた古印葵を矢晴が断ち切ってしまっている、みたいなことなのかな? どうなのかな? これまでのエピソードでは、縄は自殺の象徴みたいな感じで出てたけど、これがその縄なのかどうか……。わかんない。でも、このシーンで自殺の象徴みたいな縄が矢晴のところで切れてるなら、矢晴が自殺を選ばなくなったみたいなことにはなるけど、純視点で矢晴の内心がそんなふうに描写されるか……? と思うと、そんなことはなさそうだから、違うだろうなあとは思うけども。 それにしても、こんな風に純が矢晴に声を荒らげたのは、初めてではないだろうか。初めてだな……。真剣な表情で詰め寄ったことはあれども。矢晴もすごく驚いてるし。 矢晴の「固い瓶のフタ」はいつ、どんなふうに開くんだろうなあ。

右ページスタートじゃん……

 うわー。前編の続きだから右ページスタートになってたのね……。 いやんもう。ちょっと分厚くなるけど、【第13話】でまとめてしまおう。うん。 まとまった。4枚超過くらいは気合でどうにかとか思ってたけど、余裕だった。うん。

【第13話】は55ページ

 【第13話 上薗純、曰く(3)】は前後編になってて、31ページと24ページで、合わせて55ページで、純と矢晴の同居生活1ヶ月と回想が描かれて。前後編で分かれてるけども、1話分なのだから、と思うと、これまでの中で最多ページ数だった【第12話】の40ページを大幅に超えてきたということになり……。これを超えるページ数とか来たらどうしよう……みたいな気分になったりもしている。(私がどうしようってよりも作者さんが大丈夫か? みたいな気分) え、でもなんか、これほんとに24ページ? 30ページとか超えてたくない? くらいに充実してる。ぎっちりみっちりしてる感じがする。わお。 【第11話】の純の表情は知りたかったから、ここで描かれて嬉しい、良かった。 でも、【第12話】の矢晴が逃げ出したところの裏側の純は描かれなかったから、次の機会にそこらへん見れるかなー? と期待してみたり。 矢晴が語らなかったところを純視点で語られるので、【売れうつ】の物語は、純と矢晴のふたりで紡いでる感じだなあ、としみじみ。好き。 同居21日目の純かわいい。怒ってるところも良い……。矢晴は古印葵ファンの純を侮りすぎ、そりゃ怒るわさ、くらい。 はー、好きだ。

ほのぼのライフはあと1話

 今回が【第13話・後編】だったので、「14話まではほのぼのライフ」の【第14話】は次回ということになるわけで? お風呂入れてもらった後、【第2話】序盤でソファーに臥してる矢晴あたりから? そっから数日とか行く感じかなあ? とワクワクしてるんだけども。 お風呂の矢晴、かなりツンケンしてる感じがするし、タオルかけてもらって見えた純の笑顔は矢晴からはどう見えてるんだ? とかも気になるし。 この同居してからの1ヶ月、かなり山あり谷ありみたいな感じだったけど、これが「ほのぼのライフ」……と。ほのぼのライフの終わりはどんななんだろう。そして次のステップはいったいどんなライフになるんだろうかと、ドキドキするー! 続きが気になるー! 純の言うところの「瓶の蓋」はほのぼのライフ中に開くのか……? さすがにそんな早くには開かない気がするけど。次のステップが「瓶の蓋をあける」感じなのかなあ? 純のイメージだと、インクの瓶みたいだけども、なんだかパンドラの箱をあけるみたいな感じがしてしまうわね……。ドキドキする。魑魅魍魎、災厄が……でも、箱の底には希望……? と考えると、酔った矢晴が映画の話してる時の『希望じゃあないですか』を思い出すけども。 どんどん続きが気になる。ううう。

お風呂用品

 UDON……細かくオモロイこと仕込んでらっさる。 けっこうお高い。いい香りしそう。純の好みの香りかなー。 矢晴の髪がサラサラなのはこのお高めのシャンプー、コンディショナーのおかげなのねえ。 お風呂がかなり広かったり、いいシャワーヘッドに変えたり、純はけっこうお風呂好きなのかなー。週刊連載抱えてて旅行とか気安く行けないことを考えると、大きなお風呂で毎日ゆったりしたい感じではあるのかしら? でもあんまりお風呂大きいと毎日洗うのが大変そうな気がするんだけども。ついでに純、身体大きいからお風呂洗いにかがむの辛そう……。

人間ドック

 同居14日目の人間ドック。 いつ手配したんだろう? と思ったりもするけれど、たぶん同居開始すぐ、3日目の夜に矢晴の病院の予約できたと考えてるから、それくらいには、「まず身体の調子を知らなくちゃ」くらい考えて人間ドックの手配をしてるんだろうなと思える。 えらいぞ、純。抜かりないな、純。一緒に受けてるのもいいぞ、純。 純の『うんちでたぁ?』と矢晴の『むずいかも…』がかわいいんだけども、そのトイレは病院のトイレなのか? 純の家のトイレなのか……? 純の家のトイレだったら明らかに階段下ではないな……と思うんだけど。どこなんだろう? 矢晴の身体がズタボロなのは想定の範囲内な気がするけど、純の中性脂肪が高めっていうのが、かなり意外だったりはする。運動はしてるけど食べ過ぎなのかな? ご飯あんなに盛ってるし、おかずの量も多めだし。気にせず『もらった食事券でご飯いっぱい食べる!』って元気な純がかわいいわぁ。 こっから、矢晴の要精密検査でちょいちょい病院行く感じになるのかなあ? 週1くらいで平日必ず病院みたいな感じになると、純の連載のスケジュールけっこう厳しくなりそうな感じがするなあ。だいたい月〜木・火〜金を交互にしてるみたいには思えるから、金曜・月曜くらいならスケジュール狂わない感じにはなるのかなあ?

前回ほどは

 今回、なんだか落ち着いていて。前回ほどの興奮はないなあ、というのは更新までが1ヶ月少々で早かったからなのか、エピソード的に穏やかだったからか、ちょっと判断はつかないけれど。 ちょこっと資料を更新して。これからまたじっくり読みつつ、自分用冊子の準備をしつつ。で、語りたいことを適度に書き綴ろうかなあ、くらいの気持ち。(前回、ほとんど24時間フルスロットルだったのを反省しているから、ゆっくりいこうと思う。) 今回、純が矢晴の話をうっとり聞いてるところが純視点で描かれたので、【第9話】のあのシーンも、きっとあのままだったのだな、よかった……という安堵の気持ちだったりする。ついでに、ちょっとポンコツちっくなところもあり……。そこまでアホの子じゃないと思うけど、古印葵(福田矢晴)の話すことと純の知識に数段くらいの差がある感じかなあ。 前回の終わり方から想像しにくい展開ではあったなと思うけども、前回の終わり方でそのままキラキラ真摯な純を受け入れる方向にはいかないだろうとは思ってたので、こんな感じかー! って驚きと、純が魔法をかけたってよりも、矢晴が純を侮って自分自身に魔法をかけたみたいな展開。 ただ、ここで矢晴は純のことを「危害を加えてくることはない」と認識できた感じで、ふたりの関係としてはかなり歪になるけど一歩前進したように思う。

矢晴って……

 【第13話・後編】の同居4日目の矢晴と純の会話。矢晴が振り向いて、物凄い圧力で睨みつけてるように思えるんだけども……。矢晴の話すことに対して純はいろいろ読んだ本の知識から答えてて、純は『突然のうんちくマンになってしまった』と内省してるけども、そこの矢晴が『純さんもその方面の本読むんですか?』ってちょっと笑顔で純はその笑顔にかわいいって喜んでるけども……。 そこのシーンの矢晴……もしかして、純のこと小馬鹿にしてないか……? と思えて。 純の知らない言葉出して、純の反応確認してるような……? 純の「心配してる」って言葉封じたことと、純の反応から、矢晴は純のことを「御しやすい馬鹿」みたいに思い始めてやしないか……? と思えて。とはいえ、「心配してる」って言葉は純自身が引っ込めたかもな、とも思うけど。でもその後、純が俯いて『……動揺しただけです』って言ってるのと、座り直した純を見てる矢晴の顔から考えると、矢晴が封じたって感じしかしない。 だから、古印葵の前の純はあんなにポンコツなのか……? とまで思えてきたんだけども、どうなんだろう……。矢晴は純を「御しやすい馬鹿」みたいに思ってるから、純が古印葵に向ける憧れや心酔の表情や言動がアホの子みたいに見える、みたいな。 同居21日目の、矢晴の話を聞いてる純のうっとり顔とそれに対しての矢晴のしょっぱい反応も、そんな感じしてしまって。なんか、矢晴ったら、純の憧れや心酔の気持ちの上にあぐらかいてるわね……? ここのうっとり顔と受け答え見てると、やっぱりポンコツ……? とか思えるけど。 それにしても、このシーンの『漫画を描かなくて済む』とか『だからもう漫画家にはならない』とか『全部お前にやる』とか、純のショックと怒りが、そんなちいさなコマでいいんか? って感じがする。 この数日後くらいに酒探して家探ししてたりする? 断酒できてるのお医者に褒められた前なの? 後なの? とかも気になってきた。

だい13わ! 後編!

 わー! きゃー! さっき見たときなかったのに、ツイでお知らせあったからわーきゃー言いながら更新確認! わー! きゃー! 表紙から物語始まってるけど、矢晴の目つきがかっこいー! とりあえず、まず1回読んだところ。 【第13話】後編ということだから、【第14話】までのほのぼのライフはあと1話……。 そうか、【第13話】は前後編なのか。 表紙の睨みつけるような矢晴の目つきがかっこいい。ここ完全に純の視界なのね。「心配してる」みたいな言葉を矢晴の目つきで封じられてる純がかわいい。矢晴強すぎん? 『突然のうんちくマンになってしまった』って純がめっぽうかわいい。 矢晴の笑顔に『あ 笑ってくれた かわいい』って思ってる純もめっぽうかわいい。矢晴の笑顔もかわいい。 『じょうほうげんかんさってなんだろ? 調べなきゃ』な純がかわいいんだけど、「情報源感作」ってなんなんだ……? アレルギー系で「減感作」って言葉はあるっぽいけど、矢晴が純を騙そうとしてるのか……? この受け売り野郎め、みたいな感じに思ってたりするのか……? 【第11話】の『他人に愛される弱者しか救われないって話ですか?』の純の思考。『質問に答えられなくて誤魔化してしまった』って、やっぱりあのシーン、純は話逸らしたんだなあ。じゃああの数コマの表情変化は、私が考えてたまんまだったかな。 純が『古印葵みたいに絵が上手くなりたい』『もっと色んな事を考えて答えられるようになりたい』って考えてるところ、ほんとに古印葵が好きで、憧れの人なんだなあって思う。純、かわいい。そして、『それと』『いっぱいこんな顔が見たい』って矢晴の笑顔と、はしゃぎまくって走り回ってる純と矢晴がかわいいんだけど! そんなに動けるの!? 矢晴! すごい!! これまで語られてない同居14日目(2週間)。純は矢晴を人間ドッグに連れてってたのね。えらいわぁ。一緒に受けて、中性脂肪が高めな純もかわいいな。 同居21日目(3週間)。矢晴の話をうっとり聞いてる純がめっぽうかわいい。こんなかわいいのに矢晴の対応がめっちゃしょっぱい……。つらい。矢晴が『漫画を描かなくて済むんだ』ってからの一連、笑顔で『だからもう漫画家にはならない』って言われた時の純の怒った感じの顔が好き。そっから、たぶん初めてじゃないのか? くらいに矢晴に怒ってるシーンがむちゃくちゃいい。『私じゃ古印...

ブーメラン

 純視点(3)の後編が待ち遠しくて、最近は純視点(3)を読んだ後、(1)(2)を読むということが多くなってて。【第13話】の冒頭の純が見てきた矢晴の姿を見るのが好きで、ついつい【第13話】を出してきて読んだら、そのまま純視点(1)(2)に流れていくというのが正しいか……。純視点3冊手元に置いてつらつらと読み返す。 【第6話】で、純が担当と食事して、四階の話になった時に『そういう人って治療が必要だと思いますけど…』『性格上自分から病院へ行くなんてしないんだろうなぁ』と言っているのが、ブーメランではないのか……? と思っていたりする。 純だって、「特定の相手にだけ態度がガラッと変わる」とか普通にあるじゃないの、古印葵関係で。とはいえ、外面巧妙だからそんなにあからさまに他人にわかるようなことはしてないだろうけども……。むしろ、その二面性がヤバいんじゃないのか……? という気にもなってしまう。 二面、三面あるのはまあ、普通だけども。人間だし。 四階の話してて、「治療が必要」とか言っちゃえる純の性格が心配になる。 矢晴と暮らしてて、負の感情に引っ張られて、あやうく矢晴を殺しかけて、病院でカウンセリング受けててなお、自分がどれだけ古印葵が好きなのか守ってきたのかを語っちゃうような、純の姿を想像してよだれ出ちゃうけど。いやぁ、そんなバッドエンドにはならないのわかってるけど。 純は、わりとというか、かなり“まとも”な家に生まれて、すくすくと純粋に育ってきてしまっている感じがするから、純自身は「自分は“まとも”」と思い込んでて、「社会不適合な“病気”は病院で治療すべし」みたいな考えがあるのかなー? 矢晴の病気のことを『病気のことは医者に任せるとして素人ができる範疇はと言うと』と専門に任せる部分と素人の自分の線引きができてるのはえらいなーとは思ってるけど。「“病気”は病院に行けば“絶対治る”」くらい考えてるのかもしれないなー、と思うと、【第12話】の矢晴が語る病気の話を思い出す。 矢晴の通院がここらへんのはずなんだけど、【第12話】で病気について語った矢晴は、病院に行った後なのか前なのか、気になるなぁ。「病院行けた(行ける)から、もう大丈夫」みたいな雰囲気を純が醸し出してるから、あの話したのかなぁ? と、気になる部分が増えてきた。

■【売れうつ】の二次創作(15)(小説)

 誕生日の話。 純も矢晴も、何月生まれなんだろうかな? と謎なんだけど。 矢晴は28で純は26だけど、3歳差になる時期があるのか、1歳差になる時期があるのか。ちょっと気になる。 矢晴が年上でちっちゃくて、純が年下ででっかいのが、またいいよなあ〜と思っている。 ■

斜め前

 純と矢晴が4人がけの食卓で、座る定位置は決まってないようだけど、かならず対角、相手の斜め前に座るのだなーとは思っていて。 今日、違うことを検索していて、「なぜ斜め前に座るのか」の答えを見つけたような気がした。 正面は「理性の空間」で、緊張が強く出る。 斜め前は「情の空間」で、親近感が上がる。右斜め前がさらに良し。 背後は「恐怖の空間」。 ただ、座る位置の「斜め前」は「角を挟んで(L字)」ということもあるらしく、そこらへんちょっとよくわかんないな……みたいな気分になりつつ、純の家のソファーはL字だったわね。うんうん。 初対面なら左に立つな、とかもあって、散歩してる時の純は、「矢晴と初対面」であるはずなのに、左を歩いて左から話し……と、矢晴を余計に緊張、警戒させてた感じがして。 矢晴のアパートで同居を迫ったときには、真正面から詰め寄ってて、矢晴を緊張と恐怖と敵対心みたいなものに追い込んでて。 矢晴は拒絶心も手伝ってか純に背を向けることが多くなるから、余計に自分自身の純への恐怖を煽っているような……。ついでに、キッチンでみりん飲んでる矢晴を真後ろから制止する純とか、ゴミをキャッチして真後ろから返す純とか、そりゃーもう、怖いはずだわ、という気分にはなった。 そこらへんの立ち位置による心理的な距離感とかも全部把握した上で構築されてるのか……? と考えると、作者さんの非凡さ、天才さに天を仰ぎ見る気分になってしまう。いやこれ、把握してようがしてまいが、凄えことだ。 「初対面の印象は半年続く」というのもあって、矢晴が編集部で純に初めて会ったときの『こいつとは関わらない方がいい』『その攻撃性がいずれどこかでこちらにも向く』『その前に離れよう』と考えた純への悪印象も半年ぐらいで薄れるのかな? どうなのかな? と。純が挨拶した時の『優しい顔…』の印象は薄くなることなく日々の生活で強化されてってほしいなとも思い。 同居半年ぐらいには矢晴が漫画に向き合い始めるんでは……? と思うから、そこらへんでなにかしら矢晴の純への印象の転換とかもあったりするかなー? その前に同居4日目で大幅な転換があるような、気がする。どうなったんだろ、気になるー。早く読みたーい。

古印葵が好きな純

 純視点で語られると、純がどれだけ古印葵が好きなのかがわかる、というか、古印葵がどれだけ魅力的で素晴らしいのかをこれでもかとプレゼンされる、というか。  矢晴視点で描かれた素の矢晴とファンとして古印葵を讃える純、垣間見える古印葵としての才能や魅力を、純視点で確実なものとして強化されて心に刻まれる感じがする。 【第1話】の時点で純は『やっぱり矢晴は…』『古印葵先生は天才だ』と同居1年後もブレないし。それだけ思われてる古印葵ってどんなよ? と読み進めれば納得の人物で。 ただ、古印葵の魅力が詳らかになって、純がどれだけ心酔しているかがわかればわかるほど、古印葵が純のような「大衆受けのいい売れっ子漫画家」には絶対になれないのだなということもわかってしまう。 純自身が古印葵の布教をせねばと決意したときの【第5話】『古印先生本来の良さの支持者が少なかったのかもしれない』『だとしたらもっと布教してこの世の基準を私寄りにするしかない』というひどく傲慢で狂気にまみれた思考からも、わかってしまう気がする。 そんなこと考えて布教活動を始めたわりに、プレゼンがド下手な純がえらいかわいい。そのときのインタビュー、『望海先生の好きな作品はなんですか?』って設問からバッサリカットされて、誌面に古印先生の名前すら載らなかったんだろうな……と思う。純が不憫だけど、そりゃあそうなる……って思う。 純ひとりで「古印葵のガチファンは怖い」って印象を世に振りまいてる気がするけど、別に大々的にじゃなく身近なところで済んでいるのが幸いか。幸いか……? 古印葵が厄介な人に見込まれてしまったのか、古印葵が厄介な人を生み出してしまったのか……とおかしな思考実験を始めてしまいそうになるけれど、古印葵ガチ勢の純はかわいいからなあ。

思っていたより饒舌

 【第13話】の『古印葵 福田矢晴は』『思っていたより饒舌だ』という純の語りが好きで好きで。 この「思っていたより」の「思ってた」中身を知りたいなーと思ってしまう。古印葵の漫画自体が、セリフやモノローグの言葉を極力削った作品になっているから、「本人も言葉が少ない」と思っていたかな? 授賞式のスピーチも、小さな賞の受賞の言葉で長々と話すこともないし、人前で言葉を発する場面だから、かなり絞ってあるような気もするし。スピーチでは『――きれいだな忘れたくないなと思ったものをカメラで撮るのが日課で』『漫画も』『忘れたくないと思ったモノや感情を取り込んで形にしてます』と、視覚情報が優位な人っぽく思えるし。 そんな感じの人かと思ったら、喋る喋る。 たぶん矢晴は居酒屋で酒が入って気分良くなって、むっちゃ色々喋り倒したんだろうなあと思う。純はそれ聞いてるの楽しかったんだろうなあ。「うわ! こんなに喋る人なんだ!」と嬉しかったかなー。かわいいなあ。すごくニコニコと矢晴の話聞いてくれてたしなあ、純。かわいいなあ。 同居してからはそこまでの長文喋ってくれたの、5日目のネーム見てくれたときと3週間過ぎたくらいの病気の話だけは見せてもらえてるけども、他の日もそうやって長文で喋っては自己嫌悪に陥ってたり不安になったりしてるのかな、矢晴。

福田矢晴という人

 いまのところ、わりと粗野な言葉遣いで、ゴミをそこらに捨ててしまったり酒を探して家探ししたり、ズルかったり、アルコール依存とうつ病で荒んだ生活してたが故なのか生来なのかわからないけども、ちょいちょい“クズ”みたいなところが見えてて。 行動は下品に見えるところもあれど、常識的な良識、判断を持ち合わせており、他者への礼儀もわきまえている。根は真面目。 言葉遣いは多少荒いわりに、物事の捉え方が多角的で、言語化が的確でわかりやすく、饒舌に語る。 感受性は高く、表現に落とし込む演出力も高い。 福田矢晴が自身の内面から出るものを表現した「古印葵の漫画」を読んでファンになった純は、福田矢晴の「内面の表層」しか見れていなかったようなものだから、「生身の福田矢晴(わりと人間的にクズ)」を見て、一緒に暮らしたら、幻滅してもおかしくないよなあと思うのだけども。 「古印葵を認めなかった世の中、状況がこの人をこんなふうにした」とは思っていそうだし、「アル中だから、うつ病だから」でいろいろ差っ引いて考えてそうには思うから、ほんの少し顕れる「古印葵の漫画を生み出した福田矢晴」の部分が出てくるだけで相殺されちゃうのかなー? みたいには思う。 ただ、そう思うと、純はいつになったら福田矢晴本人を見てくれるんだろう? とは思う。

そういう性格

 とは、どういう性格なんだろう……? と、純が古印葵を分析しているモノローグで気になってたりはするんだけど。 【第13話】『古印葵 福田矢晴は 思っていたより饒舌だ』『思慮深いが故に 言葉に憑りつかれて言葉に苦しんで言葉を厭う人なのだろう』『あんなに饒舌なのに』『言葉を削って画で伝える漫画を描くのはそういう性格だからか』 の、「そういう性格」って、どういう……? と。 【第13話】『ただ自分の言葉を語り終えると』『恥ずかしそうなバツが悪そうな顔をする』というシーンが【第12話】の病気の話をした後『……はあ』『言葉にして外に出すと』『不安になって自信をなくしていつも疲れるな……』と言っている矢晴を見ての純の印象で。そこから『思慮深いが故に〜』と分析してて。 矢晴は「言語能力が高く」て「饒舌」で「思慮深く」、古印葵の漫画は「セリフが洗練されてて必要最小限」になるように「言葉を削って」いる。 セリフひとつにしても存在理由が明確であって、話の奥行きを重要視しているというのが、純が褒める『全部がちゃんと話にハマってて空気ができあがってて……』という「古印葵の描き出す世界」なのだろうなと思うのだけど。 「饒舌に言葉にして語ると不安になって自信をなくす」「言葉に取り憑かれて言葉を厭う」“性格”だから、「自分の口や思考から出る“言葉”で長々と語らないで、絵に語らせて“読者の心に言葉を描き出す”漫画を描く」ということでいいのかな? 純がむちゃくちゃ古印葵の漫画に心掴まれてんのわかるわー……って気分になる。そりゃもう、自分で触れられない・誰も触ってくれない場所を触られるし、古印葵以外からは得られない幸福だわ。自分の内側から湧いてくるものだもの。しかもそれ、「純だから受け取れる」みたいなものじゃないか……? 純にとっては「古印葵の漫画はこんなに饒舌に心震わせる世界を描き出しているのに、なんで世の中は古印葵を認めないんだ」ってプンスカしてるけど、そもそも受け取れる人間が少なすぎるわけよねー……。

純の知る古印葵

 純が知っていた古印葵は、「古印葵の描いた漫画」と「E・B大賞の授賞式でのスピーチ」くらいのもので。 編集部で担当から「古印葵は重めに精神やっちゃってた」という情報を得て、編集部で実際に古印葵に会えてから、やっと、「古印葵である福田矢晴という人」を知っていくことになる。 純自身は「古印葵は天才」としか言ってないくらいに、「古印葵という人」を知らない状態だったと言えるかなと思う。人となりを知る機会もなかったし。 授賞式でのスピーチもそんなに饒舌だったわけでもないから、改めて編集部で会って知り合えてから『古印葵 福田矢晴は 思っていたより饒舌だ』と考えているわけだから、ある程度、純は「古印葵がどういう人間か想像していた」とは思う。どれくらい理想化していたのかはわからないけれど。 編集部で会ったときには、もう古印葵は漫画家として活動しているわけではなくて。アル中だし、うつ病だし、ゴミ屋敷に暮らしてるし、と、純が親交を持ちたかった憧れの古印葵はもはや存在してなくて。それこそ病む前の福田矢晴も存在してなくて。 というところから、【第10話】でのネームを見てもらってアドバイスもらって『まだ古印葵は死んでない』と、純が矢晴のなかに古印葵を見出すところは、しみじみ感動する。ついでに、ここの矢晴は「純が想像していた理想の古印葵」にも近いんだろうなと思う。

ゴミ箱

 純の家の矢晴の部屋にゴミ箱が見当たらないな……というのが、気になってたりはするんだけど。ゴミ箱なかったら、そこらへんに捨てちゃうじゃないか……というのが、あの1ヶ月目の荒んだ床なのか、という気はする。 純の家でゴミ箱見かけたの、同居3週間が過ぎたあたりで荒らしてたクローゼットのある部屋だけだなと思って。 リビングにもゴミ箱見当たらないし。だから矢晴が鼻かんだティッシュをぽいっとしてしまうんじゃ……。そもそも、部屋の中でぽいってしようとする矢晴もどうかと思うけど。 単純に、ゴミ箱を描き込んでないだけなのかもしれない。 きれい好きの純だから、リビングやダイニングで出たゴミはキッチンのゴミ箱にさっさと持ってって捨ててそうな感じはする。あと、リビングにゴミ箱置いてたらロボット掃除機が倒して暴走始めそうだなとも思った。 それにしたって、矢晴の部屋にはゴミ箱必要じゃないかしら? そこらへんにぽいっとしてしまうならなおさら、ゴミはゴミ箱って躾けないと。

来なかったー

 来るかな? どうだろな? とちょぴっと期待してたけど、来なかったー。気持ちの中では半分よりちょっとくらい多い感じで、来ないだろうなーと思ってたから、来ないかーうんうん、って納得してるくらいだけども。 ちょいちょい書きたいことはあるんだけども、ここらへん純曰く(3)の後編、第14話が来てからだなーって感じのばっかりだから、そのうちぼちぼち。一応、メモはしたから、忘れないとは思う。 古印葵の連載は、『休載につぐ休載 掲載延期』と4話の掲載に何週間、何ヶ月かかったのかわからないけども、純も次の話が載るのを「今週? 来ないー!」とかってやきもきしてたのかなー。載ったところで古印葵っぽくない漫画で。しかも4話で終わっちゃって。ここで古印葵に失望してないってことは、純の性格上、古印葵の担当に憎悪が向くはずな気はするんだけど、そこらへん実際どうだったんだろうなあ、とちょっと気になる。 古印葵の担当がいなくなることのほうが不都合ではあろうから、憎悪を表出せずに表向きいい顔してたんじゃないのかなー? とは思ってるんだけど、実際のところどうだったのか、知りたいわぁ。

マウス

 純はマウスを左手で使うんだ! というところに驚いていたり。 右利きだから、板タブでペンを右手で使って、空いてる左手でキーボードのショートカットやらの操作してるんだなーと思ってたけど、マウスも左手だったんだなあ。へー。 ペン離す必要なくなるから、すごい効率良さそう。 純、すごいなあ。 ちなみに、矢晴はマウスを右手で使ってた。

服のサイズ

 矢晴の身長は純の見立てで、160センチ台前半(160〜165)というあたり。でも、かなり細い。もともと細めではあるけども、今はその頃よりもだいぶ細い。ガリガリ。 で、純はMサイズのパジャマを買ってきてくれてたけども、矢晴って、身長も考えると、メンズのSサイズではないのかな……? と思える。細いから。多少肉がついたらMでもいいくらいになるかな。Mが165〜くらいだから、矢晴、165でいいのかな? 純は、低く見積もっても185はありそうで、190とかかもなあ、くらいのサイズな気がするし、体つきもしっかりしてるから、そこらへんで普通に服が買えるサイズではないような気がした。大きいサイズ対応のところでないと買えそうにないし……? とかなんとか、考えると、純はよく矢晴とペアでパジャマ揃えれたな! すごいぞ! って気分になる。 純のジャージ着た時の矢晴の袖裾のダダ余り具合を考えると、ほんとに純ったら大きいし。純と矢晴は、彼シャツが映える体格差ですなあ……と思うふふ。

純の身長とドアのサイズ

 純はかなり身長が高いと思うのだけども。 第1話の表紙だと、矢晴よりはそれなりに高いけど、作中と比べるとちょっと華奢で小さめに描かれてるかな? と思える。矢晴がちょっと俯いてるから、頭起こすともうちょい高くなるし。 あんまりがっつり身長差がわかるほど並んで立ってくれたりはしないので、純の身長はドアと比較するほうがいいのではないかと思ったりした。 一般的なドアの高さは、180センチらしい。純の身長が180だったとしても、ドアに頭スレスレになるか、かがまないと、という感じになるから、自分の建てた家でそんな不便になる仕様にはしない気がするから、各部屋のドアは190〜200センチくらいじゃないかな? と思う。 純の身長は180より上にはなると思うのだけど。 一番身長差がしっかりわかりそうな感じで並んでくれてるのが、同居4日目のマウスウォッシュ飲んでる矢晴と気づく純、そして洗面所の扉っぽい背景、って感じで。 矢晴が160台前半とアバウトではあるけども、165センチとした場合に、頭が純の肩くらいになるとしたら……と、考えると、純はやっぱり190〜195くらいになりそうな……? でかいな……。そして各部屋のドアは200センチにはなるのかな。 矢晴が160なら純は185〜190、165なら195くらいにはなりそう。 どっちにしてもでかいな……。そりゃ矢晴が最初に『でか……』って思うわな……。矢晴座ってるから余計にでかく見えそうだし。純、編集部のブースのパーティションよりでかくない? それでちゃんと隠れれてた……? 大丈夫? 実際のところ、比較対象のどれかひとつでも確実な数字がないと近い数字も出せないけど。矢晴の部屋を出る時の純が、わりとドアにスレスレっぽい身長だな……と思ったところから、この家のドアってどんくらいのサイズなんだろ? と思ったところからまた純の身長を考えてたりした。

■【売れうつ】の二次創作(14)(小説)

 謎ポエム。 ■

蟲のサイズ

 矢晴の背中の蟲のサイズが、同居1ヶ月でずいぶんと大きくなって……と、感慨深く。矢晴の背骨の外側にちょこんと生まれた蟲が、矢晴の肋骨の内側ではちきれそうなサイズになってて。 同居1日目から同居6日目でもぐぐんと大きくなってるんだけども。6日目は外側にいた蟲が内側に浸透してた感じで。 矢晴は『私をかきむしる脚があんなにたくさんあるのだからきっと蝶ではない』と思ってるけど、見た感じ、蝶っぽいよなあ? とは思うので、矢晴の純への恋心が蛹になって、純と両思いになれたら羽化して蝶になってくれたら、いいなあーと思う。 今、蛹になろうとしてて、矢晴が逃げ出してるから、蛹の期間は矢晴が純への気持ちを曖昧にしたくて頑なに拒んでるような感じかもなあと思うと、そこそこ長くかかりそうな気はしてしまう。 同居1年で漫画を描き上げて純に読ませたときに、矢晴の蟲はどうなってるのかが気になるのだけど。蝶になったから漫画を描いたのか、漫画を描けるようになったら蝶になるのか。まだまだ羽化しないのか。 そもそもまだ、この蟲が純への恋心かどうかもはっきりとはしてないけども。恋心だと思うけど、あまりの孤独の人恋しさに勘違いしてたりとかもありそうだし? どうなるんだろうーーと続きが気になる。次の話は純視点の後編だろうから、本編の続きはもうちょい先になるはずだけども。

純のプラン

 純には、編集部で古印葵と仲良くなるためのプランはあったかと思うのだけど。 四階が乱入してきたことで崩されたんじゃないのかなー? とは思う。「四階をけしかけて、窮地に陥った古印葵をヒーローのように颯爽と助ける」なんていうプランではなかったと思うし。熱烈なファンである純が「自分をよく見せるために憧れの古印葵を貶める」ような計略はせんだろう、と。古印葵の大失敗の連載作でも電子で買ってる筋金入りのファンなんだから。 古印葵が打ち合わせに来る時間を聞いているから、おしゃれして。 打ち合わせの邪魔をしない程度に時間をずらして編集部に来て。 打ち合わせが終わるかな、くらいで顔を出して、挨拶して。 編集部で打ち合わせブース借りておしゃべりでも、喫茶店に誘っておしゃべりでも、なんでもいいから、多少親交を深めて連絡先を交換したいとかあっただろうし。サインももらいたかっただろうし。 程度のプランだったんじゃないかなー、と思う。 そもそも、編集部で担当から「古印葵は重めに精神やっちゃってたから、死んでるかもしれないね」って最悪を想像させられてるから、「古印葵が打ち合わせに来てくれることになったら日時を教えてもらう」約束によって、古印葵の生死は確認できて。 古印葵が打ち合わせに来るよってなったときには「やったー! 生きてたー!」って感じで舞い上がっちゃったんだろうなあ、と。おしゃれに気合い入りすぎた感じから想像できる。 編集部に行ってみたら、四階が古印葵に罵詈雑言言ってるのが廊下にも聞こえて。ブースの影でじっと耐えて。話の切れ目で割って入って、古印葵に挨拶して。 記憶のなかの4年前の古印葵と比べたら、目の前にいる古印葵は恐ろしくやつれてて。ショックだったろうな、とは思うけど、そのショックを吹き飛ばすくらい四階が失礼で。 四階やりこめたら、古印葵に悪印象もたれちゃって辛いな……純……。 どうにかこうにか引き止めて、サインもらって、夕食まで一緒にいられることになって。居酒屋で映画の話してるときにでも「今度一緒に映画行きましょうよ」とかってさくっと連絡先ゲットしてたかもしれないなと、思える。 したたかに酔っ払った矢晴を家に送るってことになって矢晴の家に行ったら、あんな惨状で。 ほんのちょっと踏み込んで、漫画家とファンの立場から、漫画家同士とかお友達くらいにランクアップして親交できるように...

読み直し(第9話)

 一番好きなシーンのある【第9話】。 【第13話】の純視点と比較すると、【第9話】のあのうっとりする純の古印葵への思いを語るシーンがあまりにも軽かったことに毎度がっくりと倒れ込み膝をつく思いになるのだけども。でも【第9話】を読むたび、あのシーンはうっとりする。純がかわいい。とても好き。 【第13話】同居1日目(引越し当日)の食事シーンで『酒ならいくらでも飲めるんですけど…』『絶対だめです』の会話を読んだ後だと、【第9話】で『中身の管理をするってことは酒が入れられてないかチェックするってことか…』と矢晴が考えているシーンに納得がいく。 純の家の食事事情を純が説明してくれるけども、ほんとにこの「食事を考える・作る」をアウトソーシングしながらも縛られず自由度が高い食生活は良い。冷蔵おかずは10種類30個というのは、およそ3食10日分に相当するのだろうけども、常備菜に近いような気がするので、届いてから半月ぐらいで好みで消費する感じだろうか。月に数回の家事代行による作り置きの冷凍も、冷凍ゆえに急いで消費せねばならないということもなく、その日の気分で選べて良い。そんな食生活のわりに【第8話】で買い出しに行ってネギを買ってきていたのは、その日の夕食に腕をふるうためだったろうか。矢晴のために。かわいいな、純。 純一人分の食事だったのが、矢晴が来たことで消費が早くなって、純がふたり暮らしを実感しているところとか見たくなる。序盤、矢晴が小食だからとゆるやかな消費が、だんだんと消費スピードが上がっていって、矢晴に肉がついていって、というのに感動してる純が見たい。 それにしても、「矢晴が動けないこと」を想定して部屋に冷蔵庫(ゼリー飲料、水、スポドリ)を用意してくれる純の気配りは、【第13話】での純視点【第7話】の回想部分を読んでからだと、ただの気配りではないのだな、と。動けず食事が摂れずでもゼリー飲料で最低限の栄養が摂れるようにと。ただ、できればゼリー飲料でもスポドリでも、冷蔵庫に入れない常温のものも用意してあげてほしい気がする。 そんな純の気配りに矢晴ときたら『中身の管理をするってことは』と……。もう! もう! そしてお風呂が沸いて。 『ズルルルル』と運ばれていく矢晴がかわいいし、運んでいく純がかわいい。すごいナチュラルに脱がそうとする純もいい。脱がされかかってるガリガリの矢晴の...

好きすぎて

 自分語りなのだけど。 【売れうつ】が好きすぎて。約2ヶ月ぶりの更新で興奮しすぎて【第13話】の更新後、11月に書きまくった記事数が70を超えていて。10月分はのんびりゆっくりというかそれ以前に語り尽くした雰囲気で、それまでに比べれば少なかった30弱だったけど、合わせて均せば月に50くらい? と思うと、まあ、それくらい。 話が進んだり、自分の考えが深まったり、見方が変わったりして、以前とちょっと変わったかな、とかも、こうしてずっと書き続けて記録として残し続けてるから比較可能で。ちょいちょい自分の書いてきたこと、思いを綴ってきたことを読み返す。 自分の書いてきたことだから、萌えポイントは同じだし、自分の文章が好きなナルシスト気質もあるから、【売れうつ】に関して書き綴ったものがこんだけあるのが、自分でうれしかったりはする。 一過性のものにしたくない、という思いがある。 純と矢晴と、どっちが好きなんだろう……? と考えると、どちらが……というのはありえないな……と思う。どっちも好きで。比較的、「ここが好き」とポイントを取り上げる頻度が高くなるのは純だけども、だからといって矢晴よりも純が好きというわけではないな……と思う。 矢晴には幸せになってもらいたいし、純には矢晴を幸せにしてほしいと思っている。そしてふたりで幸せに暮らし続けてもらいたいなあ、と願っている。 まだまだ同居生活も始まったばかりで、これから波乱万丈ありそうなんだけど、それもまた矢晴の忘れたくない記憶で。それを見せてもらえるのが楽しみ。 ついでに、コメント欄について。(2021/12/01追記) 私がいろんなコメント欲しいのは、売れうつのファンと交流したいわけではなくて、「ここに壁打ち用の大きな壁用意してあるから、存分に売れうつについて語っていってね!」くらいの感じで、いろんな人の【売れうつ】に関しての感想とか感情とかいろいろもろもろが読みたい、知りたい、聞きたいだけで。 コメントもらうと書かれたことに関連してたぶん数記事くらい語るとは思うので、「ここらへんどう思ってんの?」みたいに投げかけてくれてもいいなと思っていたりする。 気軽にコメント欄使ってくれたらいいなと思う。どこかの記事につけるのもなあーみたいな雰囲気だったら、「コメント一覧」のページにコメントつけてくれればいいよ!

幸せになってほしい

純と矢晴にはとことん幸せになって欲しい。 「幸せにする話」だから、矢晴は純に幸せにしてもらえるんだなあとワクワクするんだけども、今のところ、幸せっぽいシーンは同居前の【第9話】『…おかえり』『ただいま』と、【第11話】ではあるけども、まだまだ矢晴があやうい。でも笑顔はかわいい。 この【第11話】の矢晴の笑顔を見た時の純の気持ちが次の第14話で見れるかなあ? と期待している。 純は矢晴が幸せになってくれたら、自動的に幸せ感じてそうな雰囲気はあるんだけども、このふたりの幸せの着地点はどこだろう? 矢晴は1年後に漫画を描き始めてるし、古印葵が漫画家として復帰するんだろうなあと思う。純は矢晴には【第9話】で『あなたの世界が好き けど描けとは言いません』『幸せになってほしい』と言ってくれているから、古印葵が復活せずとも矢晴自身が幸せになってくれればいいのかな? とは思う。 ただ、「幸せ」というのは漠然としていて、「なにがどうなったら幸せなのか」は難しいなあと思う。ふたりが想い合って「末永く幸せに暮らしました」ってなってくれたら、それはもう幸せなんだけど、私が。ラブラブなカップルになってくれればそれだけでハッピーなんだけど、私が。 とか思っちゃうので、どんなふうにふたりが幸せになってどんなハッピーエンドになるのか、楽しみに待ってる。 矢晴にも純にも、幸せになってほしい。

top and bottom

 「攻」と「受」ってだけのことだけども。 純と矢晴がそのうちそうなるはずではあるのだけど、現状、「受」になるはずの矢晴に恋心が芽生えたか? という雰囲気で、「攻」になるはずの純の矢晴に対する気持ちがなんであるのかははっきりとしていない。 この子たち、ほんとに「BL」になってくれるの? 「そーゆーこと」してくれるの? という疑問が生まれてしまうのだけど。 「BL」にはなるけど、そのものズバリみたいな「そーゆーこと」は描かれないかもしれないな、とは思い始めた。「そーゆーこと」しちゃうとセンシティブ判定でログイン必須になるかもしれないから。作家さんが最後までログイン不要で読ませたい場合には、せいぜい朝チュンくらいかなーと。それはそれで十分だけども。 現在、【第13話】の純視点によって、純が「すごくいい人、善人」みたいな雰囲気になってしまっているのだけども、【第12話】までと【第5・6話】の純視点の純の印象と、矢晴が純に対して感じている恐怖や猜疑心の延長線上で考えると、単純に「攻と受」というよりも「top and bottom」(別の意味も含めて)みたいに思えてしまったりはするなあ、と考えたりはする。 純が「古印葵が認められていない世の中」に納得いかないと思っているのは確かなことだし、「古印葵を蔑ろにする人間」に恐ろしく冷酷であるのも確かなことだし。そういう面から派生して、古印葵である福田矢晴を監禁して独占してという方向にいってもおかしくないし、それはそれで幸せそうではある。真のハッピーエンドにはならないけども。 【第13話】でかなり切ない感じの善人ムーブによって「上薗純は全方位に善人」とか思われたら嫌だなあ、とは思っていたりするわけだけど。それとは別に、あの切ない感情を矢晴にぶつけてくるのが、「古印葵のファン」を逸脱してしまったなあ……という気にもなり。「まだ早い!」と横っ面ひっぱたきたくなる……。「お前の、大事な、古印葵である、矢晴に、負担を、かけるな!」という気分になってるわけだけど……。ううん。後編どうなるんだろー。

参考

 純が古印葵を褒めた時に【第3話】『ここでこの絵を挿入するなんてどうやって思いつくんだろうってところが本当たくさんあって何を参考にしてるのかってすごく気になります』という言葉が、わりとずっと気になってはいて。 純は「何を参考にしているのか気になる」と言うけども、矢晴はなにかを参考にしているのだろうか? と。 純が創作物を分析して手法を自作品で再現したり、物語をピタゴラスイッチ的に構築しているということを考えると、自作品は「何かを参考にして作り上げている」のだろうなと思えるわけだけど。 だから、古印葵が「参考にしているもの」が「気になる」のだろうなと。それを知れて取り入れることが出来たら近づけるかもしれない・分析できるかもしれないくらいの目算はありそうだけど。 私はむしろ、「何をどうしたらそんな表現が生まれてくるのか、頭の中を覗いてみたい」と思ったりはする。「どんな発想の出発点と経路があって」「どんな蓄積をしたらこんなふうに出来上がるのか」みたいな。この場合の「どんな蓄積」が純の言う「何を参考に」に当たる気はする。 「本人の生来のもの」に「本人が選んで蓄積してきたもの」が発露して昇華されて「作品」になる、とは思っているのだけど、「蓄積」だけを見た・知ったところで、全容はわかんないしなあ……。 古印葵は何かを参考にして画面構成してるわけでもない気がするしなあ。 そこらへんが純が古印葵の底が見えないと惹かれる理由になる気はするし、分析できない要因なんだろうなと思うけど、考えれば考えるほど古印葵、恐ろしい子……みたいな気分にはなる。

419頁

 第13話までの総ページ数が、419ページ。 単行本(コミックス)に換算すると、2巻分とちょっと。ちょっと増ページして2巻分、みたいなところ。 カラーイラストも含めると、420枚。 単行本(約200ページ)にするとしたら、 1巻:【第1話】から【第6話】の198ページ 2巻:【第7話】から【第12話】の190ページ 3巻:【第13話】から みたいな感じになるだろうか。だいたい6話で1冊になる感じではあるから、45話まであるなら、単行本7.5巻分(詰めて7冊、詰めなきゃ8冊)にはなるのかな? 純の狂気にまみれた思考と言葉に超絶怯えてる矢晴で1巻読み終わって、うおーって気分で2巻を手に取り、胡散臭い純に釣り上げられて、同居生活が始まって、粗相したあの『じゃぷっ』って音にドキドキして2巻読み終わり、こっからどーなるよ!? とドキドキしながら3巻読み始めると純視点で同居生活と2巻冒頭の話の裏側……。 と、単行本で読んでる気分になるのも楽しいな。 2巻読み終わって、そのまま続きのシーン読みたくなったら1巻に舞い戻るわけだけど。3巻読み始めたら2巻も一緒に開きたくなるし。読むときは全巻揃えて読み始めないと。読んでるうちに全冊どこか開いてるみたいになっちゃうしな。 かなり大ゴマでページ構成されてるから、商業的にもうちょっと詰めていくと、単行本5冊くらいにはおさまる感じなのかなーとか、考えてみたりする。 「40〜45話、多分1000ページ」とはキャプションで作家さんが言われていたので、もうページ数としては3分の1を超えてあと2話分くらいで半分に到達? でも話数としては15話で3分の1くらいになる感じで……? と、ちょっと混乱するのだけど。 下描き状態で45話くらい、ページ構成整えてペン入れしたら1000ページくらい、と考えると、そんな感じかな? という気分にはなる。 話は変わって、昨日は土曜で、前回の更新から3週で、ちょっと期待してたけど、やっぱり更新はなくて安心していたりする。ないことに安心するのもおかしな話だけども、これでもし更新してたら、ようやく落ち着いたつもりの私の気持ちがまた焦燥感に支配されてしまうところだった。とはいえ、本命は12月上旬の土曜日だから、まだやっぱりずっと更新期待して待ってる。

視点の違い

 【売れうつ】は矢晴視点と純視点とで構成されてて、違う視点で描くことによって、同じ出来事のそれぞれの思考や感じ方、記憶の違いとか諸々、鮮やかで、凄いとしか言いようがなくて、凄い。 創作論的なところから言うと、一人称視点での物語は「視点となっている人物の見える範囲、感じる範囲、本人の思考しか描けない」というルールというか制約がある。一人称で語っているのにその場にいなかった出来事を詳細に語ったり、テレパシーが使えるわけでもないのに、相手の考えていること、思考を語ることはできない。 小説だと、一人称で語っている人間の視界の範囲しか描写できないから、語り手が赤面したときなんかに「顔が赤い」と断言することはできない(見えてないから)みたいなところがある。 とはいえ、漫画表現としては、語り手の視界のみで描くと、「画面内に語り手がいない」ということになるから、「場面を撮るカメラは三人称視点(神の視点)」で描かれていて。たまに視点人物が見えてないところまで映してる。 というのが、また、うまいなあー! と思うわけだけど。 だから、【第9話】の表紙で、純の思考が描かれてたのは、わりとびっくりしていた。表紙だから本文の一人称視点による制約は受けてないのだな、とイレギュラーを喜んだりしていた。 そのうち、矢晴が物事を現実あるがままに受け取って描写された矢晴視点と、その時の純視点とで、同じ出来事が同じように描写され、それぞれの内面が描かれるみたいなエピソードが見たいなあ〜と思う。

14話までほのぼのライフ…

【第8話】引っ越し当日。同居1日目。 【第9話】引越し当日の夜。同居1日目の夜。 【第10話】同居2日目から5日目。古印葵は死んでない。 【第11話】同居6日目。 【第12話】〜同居1ヶ月目。矢晴が純への気持ちに気づき始めたところ。  【第13話】純視点。同居1日目から4日目。  予想:【第14話】純視点。同居1ヶ月目まで? と、考えると、純と矢晴の「ほのぼのライフ」は、同居1ヶ月目までで、矢晴が純への気持ちに気づいて粗相するまで、となるわけで? じゃあ15話以降はいったいなにになるというのか……。ふたりがお互いの気持ちを探り合い確かめ合う「もだもだライフ」になるのか、純がよりいっそう矢晴を甘やかす「いちゃいちゃライフ」になるのか、どうなのか。 同居から1年後には矢晴が漫画を完成させて、純に読ませているので、あと11ヶ月後ということになるわけだけども。 描き始めるまで半年くらいかかるかなーとか思うと、15話〜20話くらいで、矢晴が漫画を描きたくなる心境に到達するくらいまで話は進行するかしら? ふたりの距離は縮まっているのかどうなのか。純から矢晴へは0距離な気がするんだけど、矢晴は気持ちに気づき始めたこともあって全速力で離れようとしてる感じもするわけで。同居開始時点でもかなり距離取ろうとしてて、同居6日目あたりからじわじわ近づきつつも離れようとしてて、みたいな雰囲気だったとは思うんだけども。 21話〜25話くらいで、漫画描いてる矢晴と古印葵の復活を心待ちにする純とか? さすがにここらへんで5話も使わない気がするから2話、3話くらいで、漫画読んで、純がお返しの漫画描くくらいにいくかなー? で25話くらいまで? そしたら、26話くらいから45話までの20話分くらいで残りの幸せになるまでの1年ちょっと? んー。10話分で矢晴が漫画描いて純が漫画描いて、残り20話分で幸せになるまでの生活……。たぶんこの幸せになるまでの道中で矢晴がもっと納得の行く漫画描けるようになるまでみたいな話が入りそうな気がするから、話数としてはそんくらいになるのかしら……? ざっくりすぎる予想だから全く違ってくるだろうなとか思うけども。 矢晴が自分の気持ちを純に伝えてから漫画に向き合うのか、純への気持ちを忘れるために漫画に向き合うのか、とかいろんなパターンを考えてみるけど、どうなるのか見当もつかん! み...

そわ……

 前回が約2ヶ月での更新で、ゆっくりなのだと認識したので、最近は更新の確認自体はのんびりで、毎時のようにはしていない。落ち着いたものである。 とはいえ、前回の更新が「前編」だったために、さすがに「前後編」で2ヶ月あけるなんてことはないんじゃない? そわそわ……。としてしまっている。明日の土曜で3週だし? ちょうどいいんじゃないかな? とか、勝手に期待してしまっているのであるが。来るだろうか、来ないだろうか。どきどき……。 しかしながら、久しぶりの更新で興奮しすぎて先月分の倍以上の記事数でブログを更新してしまっているのでこれで明日にでも後編が来てしまったら、この11月分だけで100記事超えてしまいそうな気がする。さすがに、それは狂いすぎかと思ってしまうが、狂っているのだから仕方ない。 そういえば秋が終わるので、ちょっと前くらいには矢晴のところに編集部からの連絡が来ていて、ぼちぼち純と矢晴が編集部で会った頃合いになるかもしれないな、と思うとなんだか嬉しくなってくる。

姿勢よすぎな純が好き

 コタツでネームやってる時の純は、正座椅子使ってて。しかもタブレットは目の前に来るように高さ角度が調整できる台を使ってて真っ直ぐ見る感じで。姿勢は崩れなさそうですごい、えらい。でも、持ち上げてる手が辛そうな気はしないでもないけど、それが苦にならないように筋トレしてるのかなー。 パソコンで原稿やってるときは板タブ使ってて、下を見ることがないし、モニターは目の高さに並べてるからまっすぐ見ればいい状態で、猫背になったり俯いたりみたいな悪い姿勢にはならないようにしてて。使ってる椅子もけっこう機能的で良いやつ。 【第11話】でコタツの矢晴の後ろに陣取ったときには、たぶん骨盤クッション(これ、私も持ってる気がする……)持ってきてて。 すっごい姿勢に気をつけてるのが、えらいなあ! と思ったりしている。 実は学生時代は姿勢が悪かったりして、がんばって矯正して、いまもがんばって維持しているのかもしれないな、とも思うけど。 矢晴はもう今筋力もないから猫背だし、もともとわりと姿勢悪くなる感じで漫画描いてるし、というのもあるから、純と一緒に暮らしてだんだんと姿勢矯正されたらいいなあ。 たぶん寿命は矢晴のほうが純より何年も短いだろうから、純が矢晴の亡骸を拾うことにはなるだろうけども、それなりに健康になって長生きできるように姿勢に気を使ったりなんだりと純がサポートしてくれるといいなあーと思う。 純はこの調子だと100歳過ぎても元気に漫画描いてそうな気がする。

読み直し(第8話)

純視点【第13話】ではこのエピソードの直前が回想となっているが、第14話でこの話に言及することがあるのかどうか、ちょっと期待するけど、たぶんこのエピソードは純視点でも矢晴視点でも大差ないのだろうなと、思う。 純がふつうにいい子だからね! 純の家のお風呂の形がいまいちわからないわね……と思ったりするエピソードではある。四角いのか? 円いのか? お風呂上がりの矢晴を純が振り返るところ、正座用の椅子のおかげで体ひねるのも難儀だろうに、なぜそっちの方向に顔を向けてしまったし……? という疑問が毎度爆発してしまう。 ついでに、ダイニングテーブルとソファーの間に扉があって通路になるのか、どうなのか、も毎度謎に感じている。 まあ、それはそれとして。 矢晴がかわいい、純がかわいい、ほんわかエピソード。ほのぼのライフの開始回。 矢晴にクッションをすすめるときに、矢晴のずいぶんと卑屈な物言いに対して、少し考えてる純の『…… ……』のコマがかなり好きだったりする。じっくり考えて、最適でやさしい言葉を矢晴にかけているところが、純が素敵でかっこいい。さすがスパダリ。という気分になる。 矢晴は穏やかだし、純もやさしくて素敵だし、この『…おかえり』『ただいま』が、純と矢晴の関係で一番幸せな瞬間だったのでは……? となっている。ここが理想で、こんな日がずっと続いてくれたらいい……ほんとに。 このエピソードだと矢晴が持ってきた荷物はダンボール3つくらいか? って感じだけど、【第13話】ではもうちょっと多い。それにしても、矢晴が持ってきた荷物は衣服以外は何があるんだろう……。漫画の道具とか原稿とかある? データ保存してる外付けHDDとかある? あるといいなあ。 【第7話】と【第8話】は同日、ほぼ同時に更新されてたんだけども、ここらへんあまりにも印象の違う純のことをみんなどう思ってたんだろう……? と、他の人の感想をすごく知りたい。 当時、わりとどちらもラストシーンの蟲に話題がさらわれていた気はする。

髪の影

 【第13話】の矢晴の部屋で『笑ってませんよ』と言っているところとか、回想の中で『助けるのが目的です』とか、のシーンで、純の髪の影が強めだなあと思っていて、ふわっと、【第11話】の『毛の影を長めに強調するのは私の癖です』という矢晴の言葉を思い出すなどした。 【上薗純、曰く】はやっぱり全体シリアス調なので、髪の影に限らず影が強い気がする。矢晴に対する純の愛の重さを表現しているのかもしれないな、とも思ったりした。 純の愛が重くて矢晴を潰す、はじゅうぶんにありえそうな話な気がする。溢れ出る純の愛で矢晴が溺れる、ということも考えられる。もしかしたら、純の愛は矢晴にとって危険なものなのではないか……と、ドキドキするから、はやくくっついて幸せになってほしい。

純と矢晴の1日を想像してみる

 純は朝起きて、朝食の準備をしてから矢晴を起こしに行くのかな。 矢晴は純に起こされて、朝食。(自力で起きれないとベッドで歯磨きされて台車で運ばれる)純は矢晴を日に当てるために毎朝カーテン開けてそう。 朝食後、矢晴は自室に戻ってベッドで苦しんでたり、家の中を徘徊したり。 純は日中、仕事部屋にこもる。 昼食は、食卓でふたりそろって、かな? 矢晴が動けないときは部屋で食べさせられてるのかな? 昼食後、純は仕事。矢晴はベッドで苦しんだり、家の中を徘徊したり、荒らしたり? 夕方には純は仕事を終えて、ジョギングに行ったり。 矢晴がまともな思考ができる短い時間が夕方〜夜といった感じかなーくらい? 夕方、純は矢晴を強制的にベッドから出す。(2日に1回の布団乾燥機、2日に1回のダインソ)ここらで部屋が冷えないようにカーテン閉めるかなー? ふたりで団欒して夕食食べて、各自お風呂に入って、それぞれ自室で就寝。 矢晴はベッドのなかで眠れなくて妄想に苦しむ。睡眠薬で強制シャットダウンかな。 純は矢晴のための勉強をしてから就寝かな。 純と矢晴が一緒にいるのは、朝食、昼食、夕食と夕方〜夜の時間。あと、ちょいちょい行き逢えば、みたいな感じだろうかな。干渉しすぎるでなく、放置しすぎるでもなく、適度な距離感と、純はちゃんと仕事できてそう。できてるよね……? 【第13話】の終盤、矢晴の部屋でのシーン、カーテンが閉まってるからこれは夜なのかなぁ? と思い始めて。夜、夕食後に歯磨きしてる矢晴がマウスウォッシュ飲んで、純は入浴前だからパジャマじゃなくて。カーテン閉まってるから光源は真上の電灯で、だから純の顔にかかる髪の影が強くて? 1日の終わり頃だから顔に疲れが出てる? とか、考えたりした。 矢晴視点だと4日目の最初の出来事のように描かれてるから、朝かな? とか思ったけども。 矢晴視点だと出来事の時間も前後してるっぽい雰囲気出てきたから、すんなりと1日の出来事として時系列順かなーって思ったところが、案外違ってそうな……? 気が、する。

気持ちを伝える

 はてさて、純の気持ちは伝わっているのかいないのか。 【上薗純、曰く】と題されたエピソードが、純の内面を知ることができる話になるわけだけども。 【第6話】では、「古印葵を忘れないでいようとする気持ち」を伝えるために、いろいろと考えて、伝えようとしている。 『気持ちを伝えれば伝わるはずだ』という思考が、けっこうかなり恐ろしく傲慢だわね、と思うのだけど、「愛を伝えて安心させようとしている」わりには、紡いだ言葉が狂気にまみれて、矢晴を超絶怯えさせ、恐怖を与える結果になっているのが、ちょっと純が不憫というか憐れというか。 【第7話】【第13話】での純の再訪時の対比を見ても、純の気持ちと言葉は伝わっているのかいないのか、というくらいに認識が食い違う。純は前回怯えられてしまったことを反省しての言葉選びで、真摯に伝えようとしているが、矢晴の認識では詐欺師のような胡散臭さとなっている。それでも同居にまで到達できたのだから、一応は伝わった、と言えるのだろうなと思う。 【第13話】では、同居3日目の夜に仕事部屋で矢晴のことを考えて分析して『彼の脳に触れるなら 言葉を介さない「皮膚」からじゃないと届かないかもしれない』『気持ちを言葉じゃなくて温度と感触で表さないと伝わらないかもな』と考えているものの、それが実践できたのは【第11話】の同居6日目ではある。 同居4日目は、矢晴が純のことをどう認識しているのかを聞き出すことに成功しているわけだが、それに対する純がかなり悲痛な感じで、言葉で訴えているので、前日夜に考えていた「温度と感触」はどこかに行ってしまっているような気がする。それでも矢晴が振り向いてくれているので、一応は伝わったことになるのだろうが、その結果は次の話に持ち越しなので、はやく次の話が読みたくて仕方ない。結局のところ、純の気持ちが伝わるのかどうなのか。 純は、言葉が達者なんだよなあ。四階との一件を考えても、言葉を武器にできる子なわけだし。頭の回転が速くて、言葉を構築する能力が高くて。ボディタッチが多い子ではあるけども、それで気持ちを伝えてきたわけじゃなく、他者とのコミュニケーションは言葉に頼ってきていたのだろうし。だからあんなにもビデオ通話でしゃべりたおせるのだろうなあ、とも思う。 だから、漫画も言葉に頼っちゃってて、セリフが長いし野暮ったいし……という状態になっちゃう...

愛の単位

 愛とは、「深い」ものなのか、「大きい」ものなのか、「重い」ものなのか。 巷では「クソデカ」とか「ゲキ重」などと言われているので、「大きい」「重い」ものなのだろうかな、とは思う。 私は比較的、「底なし」と思ったりはしているので「深い」方面で考えているように思う。 実際のところ、物理的に計測できるようなものではないので、「各個人が受ける印象」でしかないと思うのだけど。 「重い」のは、「相手側に負担・苦痛がある状態」とあるので、物理的に相手を潰すような心理的重量、という感じかな? とは思える。 「大きい」のは、当人の思考の中に占める相手への思いの大きさかな? とは思える。 「深い」のは……、深いしか言いようがないというか、言い表すための言葉・文章が思いつかない。ただ、相互に育むというよりは、一方的に注ぐ、一方的に溢れ出る感じかなあ、とは思う。 矢晴は「純の愛」「純との関係」を測るために『純にとって私はチワワ何匹分だよ?』と口走ってしまったわけだけど。直近で「結婚してファミリー向けマンションを買ったのに3ヶ月で離婚したから、家が広すぎて、それを埋めるのにチワワ10匹飼うしかない」と純が言ったことを受けての「チワワ何匹」。 数量で測りたくなるくらいに、矢晴は純から注がれる愛情を自覚して受容してはいるのかな。それがどんな方向のものかはわからない。けど、チワワに喩えたときに、自分の気持ちに気づき始めて、純の愛情と自分の気持ちの方向が違うんじゃないか、とも怯えている、気がする。 読者は、この物語が【創作BL】というジャンルに属しているから、「ボーイズラブである」という指針を与えられているけども、矢晴にとっては気持ちの終着点がそこになるという「未来」はいまだ知らないわけだし。 私としては、純には底なしの愛情でもって「古印葵の熱烈なファンで福田矢晴を愛してる」みたいな感じになってほしいなとは思ってるんだけど、どうなるんだろう。

ニュートラル

 私は矢晴に対して、純がニュートラルな感じで対応するのが好きなんだなあーと、気づいた。 だから、【第13話】終盤の純が、なんだか疲れた顔をしているように見えたり、切ない表情で矢晴に訴えていたり、というのが、好きだけど、なんか、私の好きな純じゃない、という気分になってしまっているようで。 同居してまだ4日目なのに、そんな疲れた感じの顔をしないで欲しい。前日の夜にあんなに矢晴のことを考えて、いろいろ調べて勉強して、『気持ちを言葉じゃなくて温度と感触で表さないと伝わらないかもな』と考えていたのに、言葉に訴えてるし。 と、書いたところで、その疲れた顔は、矢晴のための勉強で夜更ししすぎたせいなのか……? とも思い始めた。顔にかかる髪の影と表情でかなり疲れて見えるのに加えて、目元にクマができてるっぽいし。 とはいえ、あんまり落ち込んだ雰囲気出されると切なくなるし、矢晴が余計に落ち込みそうな気がしてしまうから、純にはなるたけ明るく「矢晴がただそこにいるだけでいいんだよ」って感じの雰囲気で居て欲しい。そんな雰囲気でいるために純が無理するのはイヤだけど。 ふつうに、古印葵が好きだから矢晴がここにいて嬉しいって感じの、かわいい純がいいなー。ポンコツな感じなのはイヤだけどー。と、私はどれだけ純に理想を押し付けているんだか……とか思うけども、【第8話】【第9話】あたりの純がそんな感じで、理想的だったかと思う。 【第13話】は純視点でシリアスな雰囲気強めだから、純の表情や感情の効果とかも強いんだろうなあとは思うんだけど。余計に強く受け取ってしまっているのかもしれない。

B誌での古印葵

 小さいながらも賞を獲ってこれから、という時分ではあるまいか、という頃合いに、B誌に勧誘されて、『興味があったからB誌で打合せを始めた』と、ふわっとした理由で行ってしまったのが運の尽き、みたいな古印葵だけれども。 これまで語られた分から考えると、最低でも3作は描き上げていそうな気がする。うち1作は2ヶ月修正してボツになっているから、描き上げたと言えるかどうかとは思うけど。 B誌に移って最初の1年(25歳)は、おそらくA誌で発行した単行本の印税などで生活し、漫画を描くことだけに専念する感じではあったけども、B誌では一切採用されていない。『もがいてももがいても進展は見えず足踏み状態の日々』。この頃の担当は、黒髪セミロングの人のようで、打合せ中に黙り込んでしまう人ではないような……? 一切採用されないから原稿料という収入がなく、支出のみがかさむ。貯金が減っていく。 2年目(26歳)には、レジ打ちのバイトで生活費を稼ぎながら、漫画を続ける。年末頃に『来年…4月…に掲載するつもりで…準備しましょう』と採用されたと思われる(けど、2ヶ月修正に費やしてきてのボツ。この案件は3年目にかかる)。 3年目(27歳)は、その年の4月に掲載するつもりで2ヶ月修正してきた作品がボツになっている(2年目の案件)。(※ここで「何年もフリーターでいるのは嫌だ」と言っているから現状バイトをしていると推測されるので、26歳〜27歳の出来事と推定している)そして、この3年目の半ば(2年半)でB誌を去ることになるので、おそらくこの出来事が決定打となっているかと思う。 そして、時期は不明になるけども、『んー何度も直してもらってあれだけどジャンル自体変えない?』と言われている作品と、『描いてもらったやつ確定って言ったけど(中略)あれ全没ねまた企画からおなしゃーす』と言われている作品。 おそらくは、半年から1年程度の期間に1本、作品を採用と言われて、描き上げてはボツにされる生活になっていたかと思われる。採用された作品が読み切りなのか連載なのかは定かではないが、安定した収入への期待がなければここまでしがみつくこともなかったのでは? とも思えるし、「掲載は来年4月」「修正2ヶ月」など準備期間の長さを考えると、「連載作でまず3話分を用意」などではなかろうか? そう仮定した場合、B誌で最低でも3作、連載用の3話...

■【売れうつ】の二次創作(13)(小説)

 矢晴がちょこっとだけ運動する話。 後からちょっとえっちぃ雰囲気にしてもいいかなと思ったものの、読み返してみたらそんな感じにしなくてもいいなってなった。 ■

無償の愛

 「見返りを求めることなく注ぐ愛情」ということだけども、愛情を注ぐ本人が見返りを求めないでいることはいいのだけども、愛情を注がれる側が「見返りを求めるな、対価を求めるおまえは卑しく浅ましい人間だ」と強要して他者を使役しているということが罷り通っているなあと思う昨今。 純が矢晴の世話をする、矢晴が幸せになれるように尽力するのは、純にとって矢晴への「無償の愛」かもしれない(個人的には、純はすでに十分な幸せを受け取っているがためにそれをわずかばかり矢晴本人へと還元している状態だと思ってはいる)。 矢晴自身は「無償の愛」などというものは信じていないようで、純がなぜ自分を助けるのかを不思議に思っているし、恐怖も感じているように思う。勝手にされたことなのに後から返せと言われるかもしれないし。 【第11話】で『純さんって私を働かせるつもりもないのに住まわせてるんですか?』と言っているあたり、ギブアンドテイクだとか等価交換が必要だと思っていて、一方的に注がれる、受け取るだけに抵抗がありそう。 【第13話】の純視点、終盤の、純が矢晴にどう思われているのか知って、自分の目で確かめて、と訴えるシーンは、とても切なくて好きなんだけど、反面、なんか違わない? という気分にはなってしまう。 矢晴の病気の症状としてある他者への不信や認識の歪みを土台にした妄想による事実(現実)の誤認みたいなものを、まっすぐに向き合ってもらって信頼を得て誤差修正をしようとする、みたいな試みはとても良いことのように思えるのだけども。 あそこまで切ない表情でされると、「純の誠意を受け取らない矢晴がひどい」みたいな雰囲気を感じてしまって、いやーーーーと叫びたくなる。純が情に訴えて強要している感じにも見えてしまったり。そう見えてしまう自分の問題ではあるんだけども。 あまりにも、このシーンは、なんだか純が矢晴に対して自分の感情押し付け過ぎじゃない? 矢晴のことならすべて受け止めるみたいな、どんだけ広大なんだ純の心は! と思ってしまうくらいのこれまでの印象から転換して、わりと狭い“人間”だということを押し出してくるなあ……と思う。やっぱり「慈愛」なんて嘘っぱちじゃん…? そんな純も好きだけど! 好きだけどもなんだかぐるぐるしちゃうし、そんな“人間”押し付けられたら矢晴がよけいに病みそうな気分になってしまって、さあ大変。...

この表紙……

 【第13話】の表紙。純の奇行ってこんなのかーと、のほほんと受け取っていたけれど。よくよくじっくり考えると、 純がパジャマでコーヒーを飲んでいる=朝 矢晴が純がパジャマで活動してるくらい早い時間に起きている! ということではないか? という仮説を思いついた。 夜更ししない純がコーヒー飲むなら午前中か昼ぐらいまでの間の気がするし。わりと矢晴を起こしに来る頃には、服に着替えてる気がするから、朝のうちにパジャマでいることが珍しいような気もするし。 休みの日にだらだら過ごすから昼までパジャマ、1日パジャマの可能性も捨てがたい、とも思う。矢晴と一緒に小上がりの和室でゴロゴロだらだらしてほしー。 コーヒー飲んでストレッチしてるの、いったいどこなのさ? という疑問も生まれるのだけど。ざっと見た感じ、キッチンにはこんなふうに壁があって低い収納のあるところが見当たらなくて。 なんとなく、玄関で下駄箱か……? という気分になったりもしたのだけど。あと洗面所……? コーヒー飲みながらストレッチってだけでもじゅうぶんな奇行だなとは思ってるけど、玄関とか洗面所とかでコーヒー飲む時点でずいぶんな奇行だなと思ってしまった。

読み直し(第7話)

 【第7話】の読み直しは【第13話】と並べて。 順番は前後してしまうけども、【第7話】後半から。 【第13話】の純視点からでは、純の言葉は丁寧で、そして真摯に真剣に、矢晴を気遣い、助け出そうとしていて。 【第7話】の矢晴視点では、純の口調は軽薄で胡散臭く、詐欺師のように甘い言葉で籠絡しようとしているようで。 とはいえ、どちらも「矢晴をこの惨状から連れ出して、助けることを目的としている」。話している内容を要約すると、どちらもほぼ同じことを言っている。 「助けるよ」というメッセージだけは、矢晴の心に届いていたことにはなるから、釣り上げられたんね。藁をもつかむみたいな気分だったろうか。 【第7話】単体で読んでも、問題なくストーリーは進むのだけど、純への不信感、同居後の不穏が煽られる。それは矢晴が上薗純に対して抱いている印象と恐怖心がもたらす妄想なのだと【第13話】で明かされる。 【第5・6話】の純視点を読んでから【第7話】を読むと、直前に抱いた純への印象と異なる、あまりに軽薄で古印葵である福田矢晴を軽んじているような口調に違和感を抱いてしまい、「なんで? どうして? こんな子だった?」と混乱するわけだけども、そうして印象を撹乱することも、物語の演出だったのだなあと思うと、漫画のうまさにうなってしまう。 単話で感想を書こうと思っているのに、このシーンはここらへんも参照したい、あの話も……と次から次へと開いて、ついうっかり読み耽ってしまうなぁ。 改めて。 第4話、第6話からの続き。 純が真面目な顔してじっと見つめる先の、矢晴のものすごい恐怖に引きつった顔と防御反応が、純の威圧感をまざまざと感じさせる。だから、怖いんだってば、純。 矢晴に超絶怯えられてる純が内省するところは、ちょっと冷静さを取り戻し、自身の徹夜の異常なテンションすら反省したかなと思える。 ルームシェアの話は、同居を持ちかけた際の圧を和らげるための方便かと思ってはいるのだけど(第12話でも話題にしてるからちょっとわからなくはなってきている)、純が帰る直前の矢晴は、ちょっと警戒心を解いてる気はするから成功してるのかしら? ここの矢晴かわいいんだ。 背中に残る純の体温と感触と純の言葉が『この病気にとって蠱惑的すぎる』と蟲が芽生える。「魅力的」でなく「蠱惑的」であるところが重要なんだろうなあ。蠱毒の蠱に、「判断...

ごはんと果物

同居1週間目の温室で朝ごはんでは、イチゴ。 同居1ヶ月目の前日には、キッチンに柿とりんごと、なにかパックに入った粒状のものが置かれていて。 果物を常備してるのも、矢晴のためかなー? とは思える。純が矢晴に説明していた食事のなかにバナナは存在してたけど、ほかの果物は登場してなかったし。日常的に果物食べるのはうつにいいらしいし。 イチゴはチョコレート系と相性がいいかと思うから、イチゴとココアはいい感じだなあ、と思うけど、やっぱりあの温室で朝ごはんの「おにぎりとココア」の取り合わせはいまいち。おにぎりじゃなくて全粒粉のパンとかにしたらどうだい? みたいな気分にはなる。 でも、あのおにぎり、純が握ったのよね、と思うとえらいかわいい。きれいに三角に握れてるし。おにぎり無理くり矢晴の口に押し付けて、顔中米粒だらけにするのはどうかと思うけど、そのまま矢晴がクッションに顔を埋めるから、米粒がーーー! とか思った。米粒と涙と鼻水で、クッションがなかなか大変なことに。 そこらへんも赤子のようだわ、矢晴。 そうやって無理矢理食べさせられてるとき以外は、食卓で食べてるんだろうなあと思うけど、矢晴が三食とも食卓で食べれるようになるのはいつだろう。

酢酸

 矢晴が純の家に来て、最初の食事。そんなに量を食べられないからと残そうとするけども、純が心配するから「味変で」とお酢類を所望。出してもらったドレッシングやポン酢、米酢のなかからポン酢を選んだのだろう、真っ黒い液体をじゃぶじゃぶとご飯にかける。ポン酢でお茶漬けしてるみたいな。 純は『アル中は酢酸を摂りたがるって聞いたことがあるけど…これがあれか…』と考えながら怯えている。 アルコール中毒、アルコール依存症になってしまうと、脳みそが使用する栄養を糖から酢酸に変えてしまうようで。 アルコールが体内で分解されて酢酸にして、それを脳が消費して、と食事によらずに脳が活動できてしまう、っぽい。脳は酢酸で動いたとしても、身体を動かす、維持するための栄養は普通に必要だから、食事も大事だと思うのだけど。 アルコールを抜くために、通常の食事だけにシフトした場合、脳が働くための栄養(酢酸)が極端に足りなくなるような気がする。 と、これが、矢晴の『逃げ道がないので脳が爆発しそうになる』『そうなると脳が仕事を放棄して言葉が口から出ずうめくだけの肉になる』状態は、脳が働くための栄養がそもそもなくて、飢餓状態という感じかな? 純は食事の際にドレッシングを矢晴に用意したりはしてるけど、現状、それ以外のことはしてなさそう。「アル中は味覚の好みが酢酸寄り」程度に考えているのかもしれない。 米酢ならまだしも、調味料として味付けされたポン酢やドレッシングをあの量摂取するのは塩分などの関係が怖い気がするので、純にはぜひとも、矢晴の日々の脳みその栄養のために「お酢を使ったドリンク」を用意してあげて欲しい、と思う。 朝昼晩食前食後とおやつの時間、酢酸入りのドリンクを飲ませたら、脳みそが起動してる時間が長くなる=まともでいられる時間が長くなる、かもしれない。ただ、脳みそが働いている時間が長くなるとその分、精神的に矢晴が自分を追い込んでいく時間も長くなりそうで、そうなると脳みそ働かせないほうがマシになるけど、脳みその栄養が足りない状態が続くと、矢晴の聡明さや分析力もボロボロになるから、それは困る。 酒で酩酊してる時間って、大事だったんだな……。 ただ、酢酸入りのドリンクをほぼ常時飲用するとなると、今度は「酸による歯の劣化」が問題になりそうで。「日常的に吐いていると胃酸で歯が溶けて虫歯になる」ということはご存知...

矢晴の彼女

 純と矢晴の幸せを願う身としては、そしてまたBL好きの身としては、この矢晴の“7年付き合った彼女”の存在は邪魔でしかないんだけども、受賞をピークにどんどん病んでいく矢晴を数年支えてくれた“彼女”は、十分がんばってくれたんだなあと思う。 B誌に見切りをつけるあたりの意思決定に関与したかもしれないな、と思うと良いことをしてくれたなと、勝手に称賛してしまうが、A誌に戻ってからどんどんひどい状況になっていく矢晴には耐えきれなかったのだろうなと思う。 矢晴がB誌からA誌に戻っていなければ、純との接点のないまま、矢晴はひっそりと漫画家をやめていたんだろうなあとは思えるけども。A誌に戻ったばっかりにこんなことに……と思うと、矢晴の人生にとってどっちがよかったのだろうか……とは思う。 矢晴が順調に漫画家として安定していったら、“彼女”と結婚していただろうし、完全に病む前、矢晴が漫画を続けることをやめていたら、就職して“彼女”と結婚する方向の人生になっていただろうなと思うと、純の出る幕は完全になくて。 などなど考えていると、ちょっと複雑な気持ちになってしまう。

恋と愛

 【売れうつ】は【創作BL】なので、男性同士の恋愛模様が描かれるはずなのだけど。 矢晴は「7年付き合った彼女」がいて、純はどっちかよくわかんないけど、矢晴が【第12話】で脳内再生してる純の言った『妹だときっとかっこつけちゃうから』の「妹」を強調して考えてたあたり、矢晴は純のことを「異性を意識する人」としてとらえてるのかなー? とは思う。 矢晴はノンケで、純もノンケだと思っていたら、矢晴は純への気持ちに戸惑うし、純に受け入れてもらえない気持ちだろうと封印したくなるし、そんな気持ち抱えたままじゃ辛いだろうから『曖昧にしたい』んだろうなあ、って感じはする。 このふたり、どういう感じでどうやってくっつくんだろう? というのは読み始めた当初から思っているけど、物語冒頭で描かれた同居1年の時点で、そんな気配はなさそうな……? いやまあ、そんな初っ端からネタバラシみたいにしたら、出落ちになるか……、と思いつつ、でもやっぱりまだなのかもしれない、とかぐるぐる考える。 恋と愛、恋愛、がよくわからなくなって、辞書の語釈を並べて読んでもよくわからない。いいからくっついて好き好き言いながら、イチャイチャしてくれ! と思ってしまう。 【第12話】で矢晴が自覚し始めた気持ちは、「恋」かなーと思うのだけど、純の家という安全な場所と、純の愛という大きな繭に包まれて育って、純を恋い慕う心になったんじゃないのかなー、とは思うけども。 純はもともと最初に漫画読んだ時から古印葵に恋してたよね、とは思うのだけど。今は矢晴に対して「慈愛」で包み込んでいると思っているらしい。私はそれはちょっと信じられないのだけど。「慈愛」なんておきれいなもんか、と思いつつも、それでも純はちゃんと矢晴を大事にしてくれる。恋愛的感情から大事にしていると言うよりも、今は介護・看護・療養って方面でしかないみたいではあって、純の気持ちは見えない。できれば早めに純の気持ちを知りたいので、できれば今回の純視点の後編に描かれたらいいなと、切に願う。 健全に恋愛しようと思ったら矢晴がまずは元気にならないと、とは思うから、純にはがんばってほしいと思うけど、矢晴が純に信頼を寄せるようになると、恋愛よりも依存のほうが先に来そうな気もしてしまうし、依存だったらまだ元気になれてないということで……。ぐるぐるしてしまう。

矢晴が見ている

 編集部で純と会ったとき、挨拶されるまでは純を観察して、顔を見て、『優しい顔…』まで思っていたのに、その後は純を見ないように視線を外すことが多くて。授賞式の話をされたときは、純の顔を見ようとせず馴れ馴れしく肩を抱いてくるその手を見ていたり。 たしかに、矢晴は純を見ないんだよなあ、というのは以前から思っていたけども。同居5日目からの純が怖くなくなったのと、日を追うごとに、矢晴が意図的に純を見ようとする目の動きがあるなという、ぼんやりした印象が、【第13話】の純の言葉で、「純に言われて、矢晴が純を見るようになった」んだなと思う。 そう考えてしまうと、このシーンの展開が読めてしまうみたいなことになりそうだけど、純に言われて純を見て、不安が払拭されてバンザイ、みたいな安直な方面にはいかないだろうなあ。当の同居4日目の夜があんなふうなわけであるから。 とはいえ、ここの展開は、純と矢晴の関係においても重要な転機ではある気がするから、続きが気になる。どんな魔法を使ったんだ、純。 そのうち、見つめ合ったりできるようになるのかなあ、と期待するけど、先は長そうな気しかしない。 でも、【第12話】の矢晴の頭いっぱいの純の姿を考えると、案外、普通に、ちょいちょいしっかり純のことを見ていてくれているんだなあと嬉しくなったりはする。矢晴の見てきた純はみんなかわいい。

ダサいとはなんぞや

 矢晴も純も「ダサい」「野暮ったい」を嫌っていて、純が評価する古印葵の漫画は「セリフが洗練されてて」「センスがあって」「漫画の中で一番かっこいい」。 そもそも、「ダサい」ってなんなんだ? 「野暮ったい」ってどういうものだ? と、センスのかけらもない私からすると、まったくわからない領域ではあって。それぞれ各個で基準が違うし、語義や定義が異なって、一律で測れるようなものでなく。逆に定義が違うことによって便利に使えてしまう言葉かな、と思う。意味合いが広すぎてとりあえず言っとけば通じるみたいな。 純は自分の漫画を「古臭い」「野暮ったい」「ダサい」「センスもいまいち」とかなり酷評するわけで。 状況的に、純が四階をやりこめた後の、『空気は冷たいドブの中のような「最悪」になっていた』ような場所で、どれだけ褒められても矢晴には響かず。普通の状態で純が自作を貶さなければ純の言う『漫画の中で一番かっこいい』という褒め言葉は矢晴にとってかなり嬉しい言葉だったのでは? と思える。 【第11話】で矢晴が影の入れ方について話したときの純は『へえ〜〜なるほどなぁかっこいい…参考になります』と褒めていて、矢晴は耳まで染めて照れてたことから、矢晴にとっての「ダサい」は「かっこ悪い」ことで、「かっこいい」という褒め言葉が一番響くのかな? と思える。 【第13話】で純の回想の居酒屋での一幕では、人の悪口を言ってしまったことを「ダサい」と言ってるけども、簡易に翻訳してみると「気持ち悪くなるほどかっこ悪い」ということかなー? と考えてみたりした。 打ち切りにした連載も『自分の名前で発表したくない……』と思うほど、「ダサい」「かっこ悪い」ものだったから、『ダサくなりたくないからもう二度と漫画描きたくないんですよ』となった。純にとってもこの連載作は『どうしてこうなった?』レベルのものだったから、相当、「ダサかった」んだろうなと思える。 矢晴にとっては、連載作の出来もそうだけど、その時に生活のために原稿料が欲しくて担当の言いなりになってしまった自分のマインドが「ダサい」「かっこ悪い」ということにもなるんだろうなあ、と思う。 純にとっての「ダサい」は「野暮ったい」が一番大きいようには思う。純自身も「野暮ったい」を多用して、矢晴が純の話を聞いて『セリフも絵も野暮ったさを嫌う人だなあ』と思っているあたりに矢晴と...

純の動向

 初コメントありがとうございますた\嬉/ お返事不要とのことなので、コメントで書かれていたことに関連して私が考えていることをちょっとまとめておこうと思います。 純はこれまでファンとしてどうしてたのさ、というあたりは 空白の3年間 でちらっと考えたりはしたのだけども。 純は20歳前後で古印葵の漫画に出会ってファンになって、この時点ではごく普通にファンだったんじゃないかと思う。それなりに熱烈ではあったかと思うけども。憧れの古印先生と同じ雑誌でデビューしたいと月例賞に応募するほどではあるし。 実物の古印葵を見れたE・B大賞の授賞式で、直にサインを貰えたのかは定かではないのだけど、スピーチの内容を詳細に覚えてしまっているくらいには、生身の古印葵にも魅了されていたかと思う。けども、そのときの古印葵には“彼女”がいて。(私はここで純は生身の古印葵に恋したけど即失恋したのでは? と考えてたりする) 【第9話】で『もし私と会う前からあなたが幸せに暮らしていたなら』『私はここまで干渉しませんでした』と純が矢晴に言いながら、“彼女”らしき女性と矢晴の後ろ姿が描かれる。だから、純は矢晴がB誌に移って漫画家としての消息が途絶えてしまっている間も、「古印先生には彼女がいて、幸せに暮らしているだろう」と思っていた可能性は高いのだろうなと思えるので、なにかしらの直接干渉するようなアクションをとろうということはなかったのかなーと。それにしたって、ファンレターくらい送ってくれてもよくない? とはずっと思うのだけど。(送ったとも送ってないとも明示されてないけども) 【第5話】で、『3年ぶりに古印先生がA誌に帰ってきたときは本当に嬉しかった』『けど』『どうしてこうなった?』と古印葵の布教活動を開始するものの、世の中は古印葵を認めないというよりも存在すら感知してくれない雰囲気で、純の布教活動も空回りしていて。むしろ、純の布教活動が下手すぎるのに無駄に強火で、「古印葵のガチファン怖い」と古印葵の評価を落としているのでは……? と危惧できるなと最近また思ったりした。 矢晴が純を怖いと思ってるのは矢晴の主観と思い込みだろうけども、「古印葵ファンの上薗純」は素でヤベー奴ではある。 古印葵が連載打ち切りにしてしまったあと、おそらく純はどうにかして古印葵につながりたいと思っていたんだろうなと思うんだけども、そ...

矢晴の栄養状態

 【第13話】の冒頭、純の見てきたいろんな矢晴の姿を見ると、驚くほど頬がコケてて痩せていて。 物語序盤、編集部から連絡をもらって編集部に赴く矢晴は、げっそりやつれてボロボロで。 【第9話】からの同居生活、【第12話】の同居1ヶ月ともなると、顔つきだけでいえば、もうそこまで痩せすぎな感じがしなくなってたな! と改めて、驚く。【第2話】でお風呂に入れてもらってる矢晴は、純の体格との対比もあってか、やっぱり痩せすぎなくらい細いのだけども。 ちゃんとご飯食べて、ちゃんと血肉になってるのだなあと、感慨深く。純の栄養管理がしっかりしてるおかげだなあ、えらいぞ、純。まだまだふっくらとまではいかないけども、半年もすればもうちょっと肉がついてるかもしれないと期待する。 目の下のくまはまったく変わりないのは、栄養状態や血色の悪さというよりは、まともに睡眠を取れていない・快適な睡眠ではないことと、染み付いてる感じなんだろうかなあと思うけど。1年後も健在だし。(健在……?)

純のネーム

 5日目の昼間だか夕方だかに矢晴に読んでもらった「矢晴さんの漫画を真似して描いたネーム」をいつ描いたんだろう……? と。 そこらへん、次の第14話で描かれるかなー?って思ったりもするんだけど。 純はネーム兼下描きは5時間で描けるとは言ってるから、昼間にちゃちゃーっと描いたかなー? 夜更ししない子だけど矢晴の療養計画とか夜中にやってる感じだから、ついでに「古印先生復活計画」とかも立ててその一環でネーム描いたりしたかなー? とか、考えてみる。 ネーム見て貰う前に矢晴に『0から1を何個も作る人の方がすごいと思いますけどね』と矢晴を褒めてはいるんだけど、これには矢晴は無反応で。翌日に影の入れ方で『へえ〜〜なるほどなぁかっこいい…参考になります』って褒めた時は矢晴は耳まで染めてちょっと嬉しそうなんだけど、この差はオキシトシンのせいなんだろうか……とふと、思う。先のは褒められたように聞こえないからかしら? 褒められて嬉しいポイントじゃなかったからかしら? とかとか。 それにしても、純は、「これ以上先のネームを渡してくるな」と担当に言われているにもかかわらず、毎週毎週きっちりネームつくってる気がする……むしろ、原稿2〜3週以上先の分をやってるんじゃないのか……? とまで思う。ストック多めだから矢晴のあれやこれややっても平気とか……? みたいな。 この矢晴の漫画を真似したネームは結局採用されたのかどうかはちょっと気になるなーとは思っていて、矢晴視点ではこれがどうなったのかは描かれてないけど、連載の途中で望海可純の漫画が古印葵風の漫画に変わるのは、担当は受け入れないんじゃ……? とも思えて。 それはそれとして、純としては憧れの古印先生風に描いたネームを古印先生に見てもらった上、指摘が1箇所ということは、ほかは問題なかったということで? 純は理想の漫画に近いものが描けていたんだろうか?

読み直し(第4話)

 第3話の続き、編集部を出て散歩。 純から離れたいんだろうなあ、という感じで早足でぐいぐい先に進む矢晴が、この頃はこんなに動けていたのに……という気分になってしまう。 所持金明かして帰ろうとする矢晴だけども、逆につけこむ隙を与えているように思うし、純が年下であることを確認して、酒が飲めるなら、と言っている矢晴は、かなりズルい。【第11話】で『正直で矮小なものでいたい』と言っているけど、端々でズルい感じが出てしまっていて、だから「情けない、死にたい」と落ち込んでしまうんだろうなあと思う。 カフェでのサインや居酒屋までの道中、居酒屋でのことは、矢晴視点では「なにをしゃべったか覚えていない」とモノローグが入るけど、ミント色の鉄柵はちゃんとあって、【第6話】の純視点でのエピソードにつながる。 『編集部を出てからは』『漫画家同士なのに不自然なくらい漫画の話題を一切しなかったのは覚えてる』と矢晴は語るけども【第13話】で居酒屋で「古印葵のペンネームの由来」を話しているから、酒飲んだ後半の出来事ではあるし、覚えていたくない話として記憶から完全に消去したのかな? と思える。ペンネームの話は「漫画の話題」ではないとも思えるけど。 ここまで矢晴がベロンベロンで覚えていないと言っても、純視点で矢晴が居酒屋で話したことがボロボロ出てくると、実は案外、普通に「漫画の話題」をしたのじゃないかと思えてくる。漫画を読まなくなる前の作品の話しかできないけど。もしかしたら、望海可純のデビュー作についての話もしたのか? とドキドキしてくる。 矢晴のアパートの自室を見た純の『掃除するんで』というシーンの純の顔が、かっこいい。男の顔してる。と、初見のときから思っている。矢晴に対しては人当たりのいい笑顔か乙女な顔ばっかり見せてた(四階に対しては冷酷な感じだったし)のが、怒りに燃えた効果とともに、男らしいんだ。好き。 一晩明けての朝。徹夜で掃除してた純。起きて純から水をもらった矢晴の白い靴下か足裏が黒くて、純の黒い靴下は白くなってる。初見時から黒いな、白いなとは思ってはいたけど、【第13話】の『白い靴下が黒くなって黒い靴下が白くなるような床』と言うのを聞いてからだと「黒いな! 白いな!」と改めて。 純はそのシーンの足の形が靴にも見えてたから、純は土足で掃除したのか? そりゃあなにが落ちてるかわからんし、...