この世の基準を私寄りにするしかない

 という、かなり傲慢な純の思考。それによって行なった古印葵の布教活動はけちょんけちょんな結果に終わって、純は「古印葵を認めない世の中が悪い」方向に思考が行ってたと思うんだけども。

それだけ自分自身に絶対の自信があるのかなーとかも思ってたんだけど。そこらへんも矢晴の言うところの“壊れた車”になるのかなー? とかも思う。

純は自分の精神衛生上、元気がなくなるようなことはしないと言う。嫌なことは深く突き詰めて考えないという性質を持ってるから、好きなこと好きなものは突き詰めて考えて再現できるようになりたいと思って考えるけど、嫌いなこと好ましくないと思うものは突き詰めて考えない。だから矢晴が四階のことを話したときには『……あんな相手にも〈それ〉ができるのか』と感動している。あんな嫌な奴のことまでそんなに深く考えるの? という衝撃と尊敬だろうかな。

純は、単純な考えなしと言うよりは、見たくないものから目を背けがち、といったところか。そこを「見ろ! 考えろ!」と迫るのはちょっと酷じゃあないですかね……矢晴さん……という気分にはなるけども。

今の矢晴は「古印葵だから」というのもあって、純に興味持たれてるけど、いつなんどき純の興味から外れるやも、という恐怖はやっぱりずっと矢晴のなかに在り続けそう。それは同居迫られた時に矢晴自身が言ったけど純に通じたのかどうかは謎い。いまのところ純が矢晴に幻滅した気配はない。

純は、矢晴に言われて理解できたことはしっかりと受け止めるし、矢晴と接する上で自分で気づいたことも受け止めてるから、矢晴が都度純の“壊れた車”を直していって、純も矢晴を治していくような感じになるのかなー。


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