仕立て屋さん
アフゴン2巻の発売日なので予約したのを取りに行かねば……と思うのに、出かけられないでいる。
矢晴は言葉を紡いで服を仕立てる仕立て屋さんで、純はそれを買って着るだけの人なのね。というのが、『私はあなたの言葉を着たい』という純の言葉からの連想で。
矢晴にとっては、言葉は自分の内側から溢れ出るもので、それを考えて取捨選択して紡ぎ出すもの、という感じがする。
純にとっての言葉は『生まれた時人は服を着ていなかったように』『思考も言葉を持たずに生まれそして言葉を選んで着る』『人間の脳はそういうものだと思う』『私はあなたの言葉を着たい』というもの。自分で選ぶ、という時点で、すでに言葉と思考を獲得しているような気がするんだがなあ……。ついでにもう、古印葵に出会うまでの20年で、純の言葉の系統は完成されていたんでは……? とも思っちゃうし。
古印葵を紡ぎたい純にとっては、今までの人生で獲得した言葉では紡げないから、古印葵の言葉を着たい、のかな? と思える。今までの人生で獲得した言葉も、誰かの言葉で自分のじゃないみたいには思ってるのかな? 本の受け売り多いし。それが純の言うところの“再現”なのかも。そんなふうだから変なジャケット買わされるんだぞ? とかまで思った。
先の記事を書いた後、「純に恋を教える矢晴」が見たいなあ、とちょっと文章が頭に浮かんだのだけど、それでは結局、「矢晴の言葉を鵜呑みにする純」でしかなくて、たぶんそんなふうに「矢晴が純の心を解きほぐし、言葉で教える、伝える」という展開はないんだろうな、と思った。(それはそれとして見てみたい)
コメント