契約書
【第13話】によって【第7話】の矢晴と純の会話の大部分が訂正され、矢晴の病気による妄想の度合いや記憶の改変の程度が示された。
そのため、矢晴の言っていることのどこまでが正しく、どこからが妄想によって改変されてしまったのかの判断が難しい。
【第7話】で『口約束がNGなら…』『正式な紙の契約書を作れば』『一緒に暮らしてくれるってことですよね?』『書類の作成に弁護士挟みましょうか?』と純が言っていて、『作りましょ! 作りましょ!』とはしゃぐ。
【第13話】では『信じてください裏切ったりしない確かなものにします』『だから作りましょうちゃんとした約束を作りましょう』と言っている部分が対応していたかと思うので、「弁護士を挟んだ正式な紙の契約書」が作られたのかどうかは定かではない。
【第7話】の前日。編集部でふたりが会って、純が徹夜で大掃除をした朝。同居を迫った純の『死ぬまで孤独じゃなくなる約束』が約束として生きていたのが、ちょっと驚きだったので、「契約書」もかわされたのかどうか……謎……と思っていたけれど。
【第16話】で純が『私はなにがあっても矢晴を攻撃しないって約束するよ』と言ったことに対して矢晴が『約束だ!? また弁護士通して契約書か!? 馬鹿にするな!』と純を締め上げるから、やっぱりちゃんと同居に対しては、正式な契約書でもってスタートしたっぽいな、と思う。
ただ、矢晴の記憶のなかでは、純がはしゃいで逃げ道塞いで無理矢理契約させられた、みたいになっているのかもしれないな、とも思える。
と、ながなが書いたのは、半分本題で半分前置き。
【第16話】での「契約書」のポイントは、『矢晴が契約書になる?』からの一連が醸し出すエロさ加減と、なにがどう“本気”なのか、とかとか。
『口約束は信用できない!』と言いながらその前段で弁護士を通しての契約書を交わすことについて『馬鹿にするな!』と言っていたり。一筆書けば満足するのかどうかというと、それもまたなんだかんだと破れるものだから的に拒絶しそうな、なにを言おうと何をしようと、「約束」自体を信用しない感じ。
『矢晴が契約書になる?』『ここに』『印鑑捺そうか』『ハンコもペンも使わずに……』と、矢晴自身の体に約束を刻みつける提案をして、かなり真剣な表情で、かなりの圧で矢晴を見つめる純。
それがキスマークでも歯型でも、どっちにしろエロいんよ……じゅるり。と思うシーン。
読んでてエロいんよ……と思えるので、性的に襲われることを恐れている矢晴にもそれはそれはエロく見えただろうな……とは思える。
私は、純が矢晴の恐怖心につけこんでショックを与えて、落ち着かせようとしている、と思っているのだけども、これはまた矢晴を操っている・支配している行動にも見えてしまうから後が大変なんでは……? とも思える。矢晴は気圧されて反論も出来ずに硬直したから、純は薬を取りに行くために矢晴から離れるスキを得た。
矢晴が受け入れたら受け入れたで、キスマークなりなんなりつけて、約束を成立させられるので、それで矢晴は落ち着いたかもな、と思うので、多分どっちに転んでもよかったんだろうな、と思える。
このシーンは純の真剣な目だけで語られてるから、その裏の純の真意は読み切れない。ただ、前後の純の態度、言動からも、邪な思いは感じられないので、「邪な気持ちで眺めててごめん……」という気分にさせられてしまうのだが。でもエロいやん……?
結局のところ、純が【第16話】冒頭で語ったように、ここでも矢晴に対して欲情を感じてはいないのだろうな、とは思うけど。どうなんだろ。
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