筆先で

 【第6話】の『あなたが写真を撮らなくなったのは』『いつから?』『あなたが筆先で見せてくれた忘れたくないものは』『ここにあるのか?』と、矢晴の惨状を目の当たりにして純が思っているところが好きで。

この「筆先で見せてくれた」って言い方が、たまらん。

ここらへん、ほんとに純がちゃんと古印葵の漫画が大好きって感じがするし。それをさらに上回る感じで「古印葵という作家(福田矢晴)」のことを考えてる感じが、好き。

描き出された漫画とか古印葵の世界とかにも増して、矢晴の「忘れたくないと思ったモノや感情」の方に、純の興味が向いているように思う。

作品を超えて作者である古印葵に惹かれて、授賞式で矢晴本人を見て、スピーチ聞いて、もっと惹かれたんだろうなあ。


いやはやもう、こんなに古印葵の世界に魅了されてたはずなのに、なんなんだ、あの狂い方は。ふんまにもう。矢晴が言ったから、古印葵が言ったから、ってよりも、自分の欲しい言葉が降ってきたから飛びついちゃって矢晴もなんもかんも放り投げてたみたいなもんじゃないのか? 純ったら、なんでそんなことに……。


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