純の主体性のなさ
【第16話】は純視点だから、矢晴の気持ちはわからない。
とはいえ、矢晴は純の『それがいいな』に対して『それ〈が〉いいってなんだよ……?』と怒るし『違うなら違うって言えよ!』と怒鳴る。
純の『私はあなたの言葉を着たい』に、この世の終わりみたいな絶望した顔をする。
『考えないからそんなことを言えるんだお前は!!』と、純が「考えない」ことを責める。
それに対しての純の感想が、かなり明後日の方向だから、『なにが再現だなにがならないだお前の低解像度でモノを語るな!』と激昂させる。
純の主体性のなさと考えないところ、話の通じ無さに、矢晴は絶望して怒りがヒートアップした、感じに思える。
薬を飲み忘れていたから、矢晴がまともだったらもう少し言葉を選んでいたかもしれない事柄を激情に任せて言ってしまって、その自分の言った言葉がそのまま自分を傷つけるみたいな状態にはなってたのかな、矢晴。
『私の性格は君にとって良くない』『矢晴の言う通りだ』『私は反省しなきゃいけない』『我欲に走って言葉をほしがって君を傷つけた』『私と一緒に住む君は不憫だ環境を変えよう』って、純はとても素敵で頭良くて矢晴のこと大事にしてくれてるのに、古印葵に酔ってる時の純はいったいなんなんだ。ものすごい差だな。
ほんとに古印葵に狂ってるときの純は矢晴にとってかなり悪い、一緒にいたら矢晴は余計に病む、ようには思う。
ただ、こうしてすぐに引き下がる決断ができる純は、矢晴を任せるに足る男、とは思う。
【第16話】は純の独白のない矢晴視点で見たかったなあ、と知りたくなかった事実から目を背けようとしてるのもあるけども、理路整然と自身を反省して離れていこうとする純の言葉を矢晴がどう聞いていたのか知りたいな、と思う。
「言い過ぎた」「嫌われた」「捨てないで」「嫌だ嫌だ行っちゃ嫌だ」って感じに縋る矢晴がかわいいから。
『矢晴が契約書になる?』で真剣な目で見つめられた矢晴は純の「矢晴を攻撃しないって約束する」って言葉をちゃんと信じれたんじゃないかな? と思うし。
純が古印葵に狂うのをやめれば万事うまく…………? やめれるもんではないが。
コメント