ストーリーの類型

 才能のある者を才能ある者が劣等感を持って羨望する、とか、羨望されている才能ある者が劣等感を感じている、とか、ストーリーの骨格なり外装なり、すでにあるものに照らし合わせれば、似たものの寄せ集めのようにも見えてしまうけど。

そういえば、なんとなく、矢晴が読んだ部分の「シヴァ・アンバー3巻」の『[原始動物に戻れば 幸福は一瞬にして達成し得る]』の部分、山月記の《己の中の人間の心がすっかり消えて了えば、恐らく、その方が、己はしあわせになれるだろう。》に近い話? とか思ったりしたのを思い出した。

山月記もそこまで深く読み込んだわけではないけれど、よそに行って詩をつくり名を遺そうとしたけどうまくいかずに獣になって、その場に残って出世した友がどうこう、と。

A誌から去ってうまく行かずに病んだ矢晴と、A誌で売れっ子になった純、とかって照らし合わせればそれなりに類型になるかしら? と思った次第。

類型、というかオマージュ、下敷きかもしれないな、とも思ったりする。


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