純の恋愛

 以前からずっと、純は恋愛できないのでは? とか、ソウイウ方面に気持ちが動かない人では? とか、思ってはいたけれども。

こう、無垢というか、「恋愛を知らない」とか「奥手」とか悩みを伴わない方向で考えていたので、純が『別にできなくてかまわない』『別に大丈夫』『たぶん、大丈夫』『  』などと、全然だいじょうぶじゃなさそうな悩みを伴っているとなると、狼狽えてしまう。

あんまりきゃーきゃーはしゃげなくなるので。

性欲自体は二次元で抜いて発散する程度には「ある」ということにはなると思うんだけども。

人間を特別視する、面に関しては20歳ごろから古印葵に夢中なのだから、ここ6年、古印葵以上の人に会えてないなら、特別視できるような人に巡り合っていないだけ、と思う。

「人に欲情すること」を意識しだした思春期から20歳までの間も、単純に出会いがなかった、とかありそうではあるけども。思春期14歳〜くらいとして、考えると、眼鏡くんが初恋で初恋と気付かぬうちに失ったのを引きずっていて、次の恋が芽生えなかった、みたいなことはあってもおかしくなさげ、かな? とは思う。

2次元でむっちゃ興奮して欲情してるけど、3次元見るとうんともすんとも、なのかどうかもよくわからんが。

純の「欲情」がどのレベルの話をしてるのかもよくわからんし、純の言葉は定義、語釈が違いそうだから、「欲情」を「欲情」としていいのかどうかもわからん。わからん……。

恋して、愛して、気持ち高まって欲情して、という段階をすっ飛ばして、「欲情しないと生涯孤独」という悩みに突き進んでいるような気がするんだが。

単純にグラビアとかAVとかで友達が欲情して抜いてるらしい話を聞いても、3次元だから全然興味なくて欲情しなくて、純は2次元派だから、で済んでしまいそうな気もするし。

仲良くて心通わせられる人(友達)がいても、しょせん友達だからその友達に「恋人」や「伴侶」が出来てしまえばそっちに行ってしまう。自分が欲情できないばかりに友達を引き留められない……だとおかしな話になるな。

友達は〈それ〉ができるからずっと一緒にいられる人を得られるけど自分は〈それ〉ができないから一緒にいられる人を得られない……。ううん。

恋人らしきものをつくっても純が欲情できないからフラレ続ける、という経験があるなら、〈それ〉ができるかできないか、で判断してもよさそうな気はするけど。そもそも、特定の誰かを特別視して恋人になりたいと思った事自体がないよね……?

純は矢晴に『毎日なんでも話せる弟が欲しかったなあって今でも思ってるんですよね』と言うけども、弟も相手ができればそっちに行ってしまうような存在だからなあ……と思うと、『純さんは兄弟に夢見すぎです』と言った矢晴の言葉が別の意味でも的確な言葉になるな、と思った。

ただ、ここの弟が欲しかった発言は、「敬語を外して矢晴ともっと親密になりたい」の方便ではあろうかな、と思う。

欲情して家族がほしい、とこだわっているとして、一生一緒にいられる可能性があるのは伴侶で、子供はいつか相手ができてどこかへ行ってしまうわけで。純の願いとしては「一生一緒にいられる」ことにはなるだろうから、相手の性別はどうでもよさげ? 子供がいれば繋ぎ止められる可能性が高くなるとか思ってたりする? だから子供を設けるためには欲情できなきゃ……?

ううううん。

とりあえず、純がこれまで恋愛したかどうかが知りたくなってきた。たぶん恋したことすらないんじゃないかと思うんだけど。


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